校閲の目 耳順

「耳順」(じじゅん)は60歳の異称です。「論語」に由来する言葉です。
62歳の安倍晋三首相が先日、ある対談で「『六十にして耳順(したが)う』と言う。私はあまり人の話を聞かないイメージがあるけど、結構人の話を聞くんです」と語りました。
そもそも「耳順」とは「何を聞いても素直に受け入れるようになる」ことです。野党の質問に「印象操作だ」と言ったり、逆にヤジを飛ばしたり、揚げ句「こんな人たち」と指をさすなど「耳順」とは無縁です。

子の日わく、吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順がう。七十にして心の欲する所に従って、矩を喩えず。
国民の声に耳を傾けない言葉に「粛々」も。沖縄・辺野古新基地建設を「粛々と進める」に対して、沖縄県知事が「上から目線」と批判しました。
多くの辞書では「粛々」は「ひっそりとした」「おごそかな」という意味ですが、「何が起こっても、予定どおり着実におこなう」と書く辞書も。問答無用の安倍政権そのものです。
「信なくば立たず」も首相の好きな言葉です。これも論語の一節で、国民の信頼がなければ政治は立ち行かないという意味です。選挙では「アベノミクス」で訴え、選挙が終わると「戦争法」や「共謀罪」などを強行してきました。,
「信なくば立たず」というのなら、すみやかに衆院を解散して、国民に信を問うべきではないでしょうか。(河邑哲也)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月9日付掲載
『論語』の言葉を用いて、いかにも人の意見を聞くような素振りをしても、アベさんのように実態が伴っていないのではダメですね。

「耳順」(じじゅん)は60歳の異称です。「論語」に由来する言葉です。
62歳の安倍晋三首相が先日、ある対談で「『六十にして耳順(したが)う』と言う。私はあまり人の話を聞かないイメージがあるけど、結構人の話を聞くんです」と語りました。
そもそも「耳順」とは「何を聞いても素直に受け入れるようになる」ことです。野党の質問に「印象操作だ」と言ったり、逆にヤジを飛ばしたり、揚げ句「こんな人たち」と指をさすなど「耳順」とは無縁です。

子の日わく、吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順がう。七十にして心の欲する所に従って、矩を喩えず。
国民の声に耳を傾けない言葉に「粛々」も。沖縄・辺野古新基地建設を「粛々と進める」に対して、沖縄県知事が「上から目線」と批判しました。
多くの辞書では「粛々」は「ひっそりとした」「おごそかな」という意味ですが、「何が起こっても、予定どおり着実におこなう」と書く辞書も。問答無用の安倍政権そのものです。
「信なくば立たず」も首相の好きな言葉です。これも論語の一節で、国民の信頼がなければ政治は立ち行かないという意味です。選挙では「アベノミクス」で訴え、選挙が終わると「戦争法」や「共謀罪」などを強行してきました。,
「信なくば立たず」というのなら、すみやかに衆院を解散して、国民に信を問うべきではないでしょうか。(河邑哲也)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月9日付掲載
『論語』の言葉を用いて、いかにも人の意見を聞くような素振りをしても、アベさんのように実態が伴っていないのではダメですね。