きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ガザの悲劇 なぜ繰り返す 暴力 憎しみの連鎖生むだけ

2014-07-25 21:34:10 | 国際政治
ガザの悲劇 なぜ繰り返す 暴力 憎しみの連鎖生むだけ

空、地上、海とあらゆる方向からイスラエル軍の猛攻撃にさらされているパレスチナ自治区ガザ。初めて同地を取材したのはいまから11年前でしたが、その時に見た光景はいまも目に焼きついたままです。(カイロ=小泉大介)



ガザ入り直前に滞在したイスラエルの最大都市テルアビブは地中海に面し、五つ星ホテルが立ち並んでいました。海岸では年配者が大型犬を連れて散歩し、若者たちはビーチバレーで歓声を上げるという、優雅な高級リゾート地の趣でした。
一転、直線距離で60キロ南、同じ地中海を望むガザは全くの異空間でした。中心地の海岸にあったのは、昼間なのに歓声はおろか人影もほとんどなく、白波が押し寄せるだけの荒涼たる風景…。ほど近い外国人向けホテルは薄暗く、自分以外の宿泊者は一人もいませんでした。
訪れるたびに胸をしめつけられるガザ。そこでは東京23区の6割の面積に約170万人のパレスチナ人が身を寄せ合うようにして暮らしています。1948年の第1次中東戦争で現在のイスラエル領にあった故郷を追われた難民とその子孫が人口の7割を占めます。



イスラエルの空爆で煙を上げる建物=7月22日、ガザ市(ロイター)

●発端
今回の攻撃の直接の発端は、6月にヨルダン川西岸のパレスチナ自治区でユダヤ人少年3人が拉致・殺害されたことでした。イスラエル政府はイスラム武装抵抗組織ハマスの犯行と決めつけ、西岸のメンバーら数百人を拘束。さらにはユダヤ人が報復にパレスチナ少年を焼き殺す事件も発生しました。これを受けハマスがイスラエルに向けロケット弾発射を激化させ、イスラエルが軍事対応している構図となっています。
ガザにおける現在の事態を理解するには、少なくとも2006年までさかのぼる必要があります。
同年1月のパレスチナ評議会(国会に相当)選挙。1987年にガザを拠点に結成され、イスラエルへの自爆攻撃を含む抵抗を続けてきたハマスが、パレスチナ解放機構(PLO)主流派で、イスラエルとの共存路線をとるファタハに大差をつけ勝利しました。
しかしハマスを「テロ組織」と規定するイスラエル政府は、これへの敵視を変えません。話し合いをするどころか、2007年にハマスがファタハとの内戦を経てガザを支配すると同地の封鎖を本格化させました。
イスラエル軍が境界を完全にコントロールし、原材料、建築資材、燃料などの搬入、さらにイスラエルへの人の移動も厳しく制限したため、ガザ経済に深刻な打撃を与えました。失業率は50%とも60%ともいわれ、住民は小麦粉など基本的な食料にも事欠く状況が続いています。
イスラエル軍は制空海権も握っており、10年5月にはガザに向かっていたトルコの人道支援船を急襲して乗組員9人を殺害する事件まで発生しました。
ガザは1967年の第3次中東戦争で、ヨルダン川西岸や東エルサレムとともにイスラエルに占領されました。2005年にイスラエル軍が「一方的撤退」をします。しかしその後も繰り返される空爆と徹底した封鎖により、“巨大な監獄”という状況に置かれてきたのです。



イスラエルによる市街地への空爆で逃げまどうパレスチナ人=7月22日、ガザ市(ロイター)

問われる米国の姿勢=イスラエルに軍事支援
●口実

ハマス側にも問題があります。ロケット弾発射が、イスラエルに攻撃の口実を与えていることは事実です。
しかし、イスラエル軍は世界屈指の軍備を誇り、ロケット弾の多くも迎撃システムで撃ち落としています。その軍が、封鎖で貧困に打ちのめされているガザに無差別爆撃を行い、子どもや女性ら数百人という民間人をがれきの下敷きにすることなど絶対に許されていいはずがありません。
圧倒的軍事力によっても占領への抵抗を抑えられないことは、これまで幾多の攻撃を行いながら、ハマスが組織を維持していることを見れば明らかです。
イスラエル軍は08年末から翌年初頭にかけて、ロケット弾発射を口実にガザ大規模空爆と地上侵攻を強行し、1400人ものパレスチナ人の命を奪いました。
軍事攻撃は憎しみの連鎖を生むだけです。何度、悲劇を繰り返そうというのでしょうか。
イスラエルの最大の後ろ盾であり、毎年約30億ドル(約3000億円)もの軍事援助を行っている米国の役割も見過ごせません。
そもそも、ハマスが勝利した06年の評議会選挙は、米国のブッシュ前政権がイラク戦争・占領正当化のためにぶち上げた「中東民主化」構想の圧力のもとで実施されました。しかし、民主的選挙で民意が示されたにもかかわらず、米国はイスラエルと同じくハマスを認めず、「自衛権」の名でガザ攻撃を声高に支持してきました。
「変革」を掲げたオバマ大統領が09年に就任した際は、多くのガザ住民が「これで状況は改善する」と期待しました。しかし結局、米政権のイスラエル寄りの姿勢は何も変わらず、米が仲介し昨年7月に再開した中東和平交渉も、4月末に進展なく停止しました。
米国製の戦闘機による爆撃で愛する家族を失ったガザの人々にとって、イスラエルと米国の区別はなく、怒りは等しく両者に向けられています。
必要なのは、即時停戦はもちろん、国連の溜基文事務総長が「恒久的な平和のためには、ガザの封鎖が解除されなければならない」と述べたように、紛争の根源を取り除くことです。根本的には、交渉によってイスラエルの占領を終了させることです。
ハマスは現在も公式にはイスラエルの存在を認めていません。しかし今年6月にはファタハとの長年の敵対関係を解消し、暫定統一政府を発足させました。事実上、イスラエルとの共存路線に踏み込んでいたのです。



イスラエルの爆撃で死亡した男性の葬儀で嘆く親戚=7月21日、ガザ市(ロイター)

●願い
冒頭のガザの海岸に腰掛けていると、ある兄妹が近づいてきました。話の最後に小学生という妹に「願いは何?」と聞くと恥ずかしそうにいいました。
「爆弾の音を聞かずに暮らしたい。そして、いつかイスラエルの友達もつくりたい」
イスラエル軍が今回、この海岸まで爆撃し、子どもたちの命を奪ったというニュースを知ったとき、思いが巡りました。あの時の兄妹は無事に生きつづけているだろうかと。

【日本共産党が提唱する中東問題解決の原則】
①イスラエルの占領地からの撤退
②独立国家建設を含むパレスチナ人民の民族自決権の実現
③イスラエルとパレスチナの双方が生存権を認め合い、平和的に共存する


「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年7月24日付掲載


子どもたちは純粋ですね、「爆弾の音を聞かずに暮らしたい」「イスラエルの友達も欲しい」…。
イスラエルとパレスチナの双方が生存権を認め合い、平和的に共存する時が、一日も早く来ることを望みます。
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暴力の連鎖 パレスチナ問題Q&A

2014-07-24 18:53:13 | 国際政治
暴力の連鎖 パレスチナ問題Q&A

イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が深刻な被害をもたらしています。暴力の連鎖が止まらないパレスチナ問題をQ&Aでまとめました。



攻撃なぜ?
 イスラエルはなぜガザを攻撃するの?
 今回の攻撃の直接のきっかけは6月末、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でユダヤ人少年3人が誘拐され、その後遺体で発見された事件です。イスラエルはイスラム武装抵抗組織ハマスの犯行と断定し、容疑者の大量拘束など強硬措置を開始しました。
一方、パレスチナ人の少年が報復として誘拐され殺害される事件が発生。パレスチナ住民の怒りが高まる中、ハマスはイスラエルに向けてロケット弾を多数発射します。イスラエルはこの攻撃への自衛と称して、8日からガザへの空爆を開始、さらに17日からは地上侵攻を行っています。

どんな所?
 ガザってどんなところ?
 イスラエル独立にともなう第1次中東戦争(1948~49年)の際に、イスラエル領内から大量のパレスチナ難民が流入。その後67年の第3次中東戦争でイスラエルの占領下に置かれました。93年のパレスチナ暫定自治合意(オスロ合意)に基づき、94年からパレスチナ人による自治が始まりました。
約365平方キロに約170万人(うち約120万人が国連に登録した難民)が密集して暮らします。2005年にガザのユダヤ人入植地を撤去し、イスラエルが完全撤退。
しかし封鎖は続き、食料や医薬品の不足や経済の疲弊が市民生活を圧迫しています。

ハマスって?
 ハマスってどういう組織なの?
 イスラム主義に基づいてイスラエルからのパレスチナ解放を目指し、1987年から武装闘争を開始しました。草の根の慈善事業などを通じて貧困層を中心に支持を集めますが、イスラエル国内での民間人を標的にした自爆テロなどを多発させたため、米国などからはテロ組織と指定されています。
07年からガザ地区を単独支配していましたが、今年6月、パレスチナ解放機構(PLO)主流派のファタハと和解し、統一政権の発足で合意しました。

中東和平は
 中東和平はどうなっているの?
 パレスチナ問題の解決は、イスラエルのパレスチナ占領地からの完全撤退と、パレスチナ人民の独立国家樹立を含む民族自決権の実現、パレスチナ、イスラエルの双方が互いの生存権を認めて共存していくことにあります。
国連総会でも12年末、パレスチナを「国家」と認める決議を圧倒的多数で採択しています。
しかしパレスチナ国家への最大の障害が、イスラエルによる国際法違反の入植地拡大です。ヨルダン川西岸では、パレスチナ国家の「領土」となるはずの土地に、ユダヤ人用の住宅などを多数建設し、パレスチナ人が横断もできない道路で接続。パレスチナ人の権限が及ぶ土地は、寸断された小島のような状態になっています。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は11年の時点で入植者は52万人以上に上ると報告しています。



イスラエルによる地上軍の投入も始まり、深刻さを増しているパレスチナ自治区ガザ。
現地の状況について、16日夜に東エルサレムから一時帰国したばかりの今野泰三さん(日本国際ポランティアセンター<JVC>パレスチナ現地代表)に聞きました。
(野村説)


食糧配給は3カ月に1回、逃げ場なくおびえる住民
日本国際ボランティアセンター(JVC)パレスチナ現地代表
今野泰三さん(34)


ハマスへの市民感情は複雑
ガザ全域への空爆と艦砲射撃は4分に1回の割合で行われ、国連によれば死者の8割が民間人、うち約半分は女性と子どもです。報道されるような事前通告や退避警告などは実際にはほとんどなく、彼らは避難する場所もなく家の中でただおびえています。北部ベイトハヌーンに住む友人の親族は自宅を爆撃され、6人全員が一瞬にして死にました。



JVC事業の一環で栄養失調児の採血検査をする地元のボランティア女性ら=5月20日、ガザ市近郊のジャバリヤ市(今野さん撮影)

巨大な監獄
2006年以来、一時を除き、隣国イスラエルやエジプトの分離壁によってガザは全面封鎖され、巨大な監獄の中で170万人が息をひそめます。「絶望的な状況から救って。悲鳴を聞いて」というのが彼らの声です。
ガザには、生きていくのに必要なものがほとんどありません。多くが国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)や国際NGO(非政府組織)の支援に頼っています。
水道水は塩分を含み、電力不足からくる下水処理の不備から飲むことはできません。3カ月に1回の食料配給は、家族の人数分ぎりぎりのカロリー計算で、普通なら1カ月半で払底します。
配給は小麦や油、砂糖などが主で野菜や肉は欠乏します。子どもにはビタミン剤も与えられますが、栄養不足からくる心身の失調を心配しています。
医療環境も深刻で常に250種類の医薬品が不足しています。爆撃でケガをすれば、被害者やその家族は薬局に行き、縫合針や包帯などを買って病院に行かないと処置されないことも多いのです。医師や医療従事者も犠牲になり、救済する側も命を危険にさらしています。

悲痛な訴え
武装抵抗組織ハマスに対する市民感情は複雑です。イスラエルの報復を呼び込むロケット弾攻撃はやめてほしいとの思いがある一方、「他にどんな手段で身を守れというのか、国際社会は目を向けてくれるというのか」との悲痛な訴えも強いのです。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年7月21日付掲載


武力による抵抗は、武力による反撃を生み、憎悪の連鎖になることは避けられません。
だからといって、パレスチナ問題は「けんか両成敗」の様にはなりません。
問題は、パレスチナ人が住んでいたところにイスラエルが入植して追い出していることです。

イスラエルの首都エルサレムは3つの宗教の聖地と言われます。
パレスチナ人とユダヤ人が共存していけるような対話が求められます。



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ストップ神戸空港の会 第13回総会 二宮厚美さんの講演を聞きました

2014-07-21 20:02:29 | 政治・社会問題について
ストップ神戸空港の会 第13回総会 二宮厚美さんの講演を聞きました

7月19日午後、神戸三宮でストップ神戸空港の会の第13回総会がありました。

司会あいさつ
司会あいさつ posted by (C)きんちゃん
開会のあいさつ。

武村代表委員あいさつ
武村代表委員あいさつ posted by (C)きんちゃん
武村代表委員があいさつ。
本来なら市民に顔を向けて行う市政。久元氏もそうはなっていない。神戸空港ストップは我々の運動の原点。75才以上のでは老老介護の割合が27%に。貧困率では年間122万円以下暮らす人々が7人に1人に。
これを変えていかないといけない。


北岡事務局長報告
北岡事務局長報告 posted by (C)きんちゃん
そして、北岡事務局長が神戸空港をめぐる行政を報告。神戸空港を太陽光発電へ転換しようと提案しました。

二宮厚美 記念講演_01
二宮厚美 記念講演_01 posted by (C)きんちゃん
いよいよ、神戸大学名誉教授の二宮厚美さんが記念講演。
【記念講演のレジメ】

二宮厚美 記念講演_02
二宮厚美 記念講演_02 posted by (C)きんちゃん


二宮厚美 質疑応答
二宮厚美 質疑応答 posted by (C)きんちゃん
その後、質問などを受け付けました。
グローバル経済と靖国史観とが衝突するというがその具体例は?
ヨーロッパや米国が自国の経済を守るために何をしているのか?
安倍首相の、各国を歴訪する外交の目的は?
人手不足、特に介護の現場での人手不足を可決する方策は?
二宮さんはそれに応えて話しました。


閉会あいさつ
閉会あいさつ posted by (C)きんちゃん
閉会あいさつです。

安倍政権の抱える矛盾と打ち倒す展望、国の悪政に対して果たす自治体の役割について学ぶことができました。
ストップ神戸空港の運動は、その重要な一環です。
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集団的自衛権閣議決定 宗教界広がる批判② キリスト教 「剣さやに納める」誓い守ることが世界救う道

2014-07-20 23:02:45 | 平和・憲法・歴史問題について
集団的自衛権閣議決定 宗教界広がる批判② キリスト教 「剣さやに納める」誓い守ることが世界救う道

プロテスタント教界の30の教会・団体が加盟する日本キリスト教協議会(NCC)が6月24日、「憲法第九条についての日本キリスト教協議会議長声明」を発表しています。日本聖公会、日本バプテスト連盟、日本同盟基督教団も声明をだしています。
また、日本国内のカトリック大司教2人、司教5人で構成される日本カトリック司教協議会は7月3日、「閣議決定についての抗議声明」を発表しています。
海外からも、世界教会協議会(WCC)が9日、「日本国憲法第9条の再解釈についての声明」を発表し、「平和を愛する日本の人々、日本の諸教会にとって、集団的自衛権の行使を求める決定は、法を踏みにじる行為以外の何ものでもありません」としています。

◆日本キリスト教協議会(小橋孝一議長声明、6月24日)
「◎剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。(新約聖書:マタイによる福音書26章52節)……憲法第九条はまさに『剣をさやに納める』誓いです。この誓いを守り続けることが、世界を『剣で滅びる』ことから救い出す最も現実的な道です」
「◎『必要最小限度』『限定的』は通用しない一旦(いったん)剣をさやから抜いて相手に向けてしまえば、まして相手を一人でも殺してしまえば、『必要最小限度だ、限定的だ』といくら言っても、身内を乙まかすことはできても、相手には通用しない。殺し殺され、憎み憎まれる敵対関係が歯止めなく積み重なっていくばかりです。世界の歴史がそれを示しています」

◆日本カトリック司教協議会(常任司教委員会抗議声明、7月3日)
「わたしたちカトリック教会は、現代世界の状況の中で、軍備増強や武力行使によって安全保障が確保できるとする考えは誤っていると確信しています。それは国家間相互の不信を助長し、平和を傷つける危険な考えです。また今ここで、平和憲法の原則を後退させることは、東アジアの緊張緩和を妨げ、諸国間の対話や信頼を手の届かないものにしてしまいます。平和はすべての人間の尊厳を尊重することの上にしか築かれません。また、過去の歴史に対する誠実な反省と謝罪、その上でのゆるしがあってこそ成り立つものです」

【新宗教】
立正佼成会、PL教団など新宗教教団64団体の連合会である新日本宗教団体連合会(新宗連)の憲法委員会は6月24日、「『武力によらない紛争解決への道を』1解釈改憲による集団的自衛権の行使容認に対する見解」を発表しています。新宗連には改憲派の団体も含まれていますが、解釈改憲には反対の立場です。また、立正佼成会は7月1日、閣議決定に反対する緊急声明を発表しています。

◆立正佼成会(緊急声明、1日)
「釈尊は『法句経』の中で、『まことに、怨(うら)みは怨みによっては消ゆることなし。慈悲によってのみ消ゆるものなり』と教えています。暴力に暴力で対抗し、怨みに怨みで応じることは、新たな暴力、絶えることのない怨みの連鎖を生み出します。これは、いつの時代にもあてはまる『真理』であります」
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年7月17日付掲載


宗教界では、仏教は性善説、キリスト教は性悪説とも言われる事がありますが…。この「集団的自衛権行使容認」に関しては立場を超えて反対を表明するキリスト教会。
新興宗教でも、自民党の支持基盤とも言われる立正佼成会からも反対の声が…。
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集団的自衛権閣議決定 宗教界広がる批判① 仏教 人間の知恵の「闇」を垣間見るがごとし

2014-07-18 21:08:01 | 平和・憲法・歴史問題について
集団的自衛権閣議決定 宗教界広がる批判① 仏教 人間の知恵の「闇」を垣間見るがごとし

安倍自公政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定に対し、宗教界で、宗派や教団の違いを超えて、批判や危惧を表明する談話や声明が広がっています。いのちと平和の問題を見つめてきた宗教者らしい、深い思索に裏づけられているのが特徴です。内容を抜粋して紹介します。
まず注目されるのは、全日本仏教会(全日仏)が7月1日に発表した「集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に関する理事長談話」です。全日仏は、主要な59の宗派、36の都道府県仏教会、10の仏教団体、合計105団体が加盟する、日本の伝統仏教界を代表する連合組織です。
本山修験宗、真宗大谷派、臨済宗妙心寺派、日蓮宗も、談話や見解を発表しています。

◆全日本仏教会(齋藤明聖理事長談話、7月1日)
「これ(=集団的自衛権の行使)が実行されれば、日本人が国外で人を殺し殺されるという事態が起こり得る可能性があり、日本国憲法に示される戦争放棄を捨て去ることになりかねません」
「戦争は最大の暴力であり、無辜(むこ)の人々に犠牲を強いる愚行そのものであります。いかなる理由であれ、自己を正当化して、かけがえのない『いのち』を武力で奪いとることは、何人にも絶対に許されることではありません」
「仏陀(ぶっだ)の『和の精神』を仰ぐ者として、このたびの集団的自衛権の行使を容認する閣議決定には、人間の知恵の『闇』を垣間見るがごとき、深い憂慮と危倶の念を禁じ得ません」

◆本山修験宗(第32回通常宗会決議、6月8日)
「世界に誇る憲法九条を解釈変更し集団的自衛権の行使に踏み切る事は、多くの国との緊張関係を高め、自衛隊員のみならず国民の生命の危険をも限りなく拡大させる事であり、平和を願い生命の尊重を訴える宗教者として許す事は出来ない」

◆真宗大谷派(里雄康意宗務総長、7月1日)
「安倍内閣総理大臣におかれては、仏陀(覚者)の金言、『殺してはならぬ、殺さしめてはならぬ』(『法句経』)という言葉に耳をかたむけ、熟慮いただき、今回の閣議決定を即時撤回されるよう強く求めます」

◆臨済宗妙心寺派(栗原正雄宗務総長、7月3日)
「臨済宗妙心寺派教団が掲げる『私たちは平和を願い暴力に訴えず訴えさせません』のスローガンのもと、武力的行為によってではなく、あくまで話し合いによる平和的な解決を望むものであります」

◆日蓮宗(小林順光宗務総長、7月8日)
「日蓮宗は、この度の集団的自衛権の行使容認という閣議決定が、我が国に戦争の危機をもたらすのではないかと強く危惧するものであります」
「『いのちに合掌』『世界立正平和』を目指す日蓮宗は、国際平和の実現のために日本国憲法の恒久平和の理念を尊重し、将来にわたり戦争や武力行使のないことを強く願うものであります」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年7月16日付掲載



ブッダの『和の精神』と相容れない集団的自衛権行使。人間の知恵には『闇』がある言う。その『闇』を抑えるのがブッダの精神と言う事だろうが、集団的自衛権行使はまさしく『闇』にあたる。許されることでないない。
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