きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「維新」政治どうみる Q&A④ 大阪でやってきたこと その2 異常な競争 教育破壊

2016-09-22 18:00:57 | 政治・社会問題について
「維新」政治どうみる Q&A④ 大阪でやってきたこと その2 異常な競争 教育破壊

Q 教育の分野では、私学無償化など、よくやっている?

「維新」は、大阪での「私立高校の授業料無償化」を「実績」に挙げています。
大学を含む「教育無償化」は国連人権規約にうたわれ、日本政府も批准している当然の方向です。大阪の私立高校は、実質無償化(年収590万円未満世帯)されていますが、これは憲法の立場から、教育費の軽減・無償化をめざす私学関係者の長年にわたる運動がベースにあります。
その陰に隠れ、「維新」が進めた実際の教育とはどんなものだったのでしょうか。
橋下徹氏は知事就任早々、「小学校1・2年の35人学級」の廃止を打ち出しました。PTAぐるみの百万署名で撤回させましたが、「維新」は「35人学級」の独自拡充を拒否し続け、いまだに国基準のままです。これは全国で3府県だけのワースト水準です。教育予算も減らしました。






「教育は2万%強制」という橋下氏のもとで、教育界が挙げて反対した「教育基本条例」が強行されました。そのもとで、全国学力テストの学校別公表を義務付け、3年連続定員割れの府立高校の廃止、校長「民間公募」などを推進しています。異常な競争で強いストレスがかかり、学校の「荒れ」が突出する事態を招いています。
教職員への命令と脅し、待遇悪化のなかで、大阪への教職志願者は激減しています。
正規教職員をきちんと配置せず、「教育に穴があいた」といわれる事態も広がります。
いま大問題になっているのは、大阪府独自の学力テスト(チャレンジテスト)です。全国いっせい学力テストに加え、今年1月に中学1・2年生、6月に3年生を対象に実施しました。子どもたちが“テスト漬け”にされるだけではありません。チャレンジテストの結果を高校入試の内申点に反映させるというのです。おまけにこれは、学校ごとの評定平均が決定される「団体戦」で、平均点が悪い学校では、いい成績の生徒でも内申点が下げられる仕組みです。
「1回のチャレンジテストで内申点が決まってしまう」「入試がまったく不公平になる」と強い批判の声が上がっています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月20日付掲載


教育行政に関しては、「お金は出しても、教育の中身には介入するな」というのが原則。しかし、大阪の場合は金はケチるは、介入するは、踏んだり蹴ったりです。

「維新」政治どうみる Q&A ③ 大阪でやってきたこと その1 「格差と貧困」の拡大

2016-09-21 22:08:16 | 政治・社会問題について
「維新」政治どうみる Q&A ③ 大阪でやってきたこと その1 「格差と貧困」の拡大

Q 「維新」で大阪は改革された?

大阪でなぜ「維新」の支持率が高いのか。参院選で「維新」に投票した人は、その理由に「大阪を変えた」「変えてくれるから」などを挙げています。「身を切る改革」などの宣伝文句や「野党ポーズ」から、そんな幻想も出るのでしょう。
しかし、「橋下さんが知事になって以来の8年、大阪のくらしや景気は?」と問うと、「良くなった」より「悪くなった」という声が多く返ってきます。
いくつかの数字をみてみましょう。




「維新」は府知事・大阪市長ダブル選挙などで、「年率2%経済成長させる」と公約してきました。ところが実際は、橋下府政前と比べると、大阪経済は4・4ポイントのマイナスです。同じ時期、全国平均はプラス2・4ポイントですから、その落ち込みぶりは鮮明です。働く人の所得(雇用者報酬)などの指標も全国以上に悪化しました。
「子どもの貧困」は全国ワースト2位に陥っています(山形大学の戸室健作准教授の研究によると「子どもの貧困率」は大阪21・8%、全国平均13・8%)。
「維新」は「財政を立て直した」とも宣伝しますが、大阪府の借金残高は橋下氏の就任前の2007年度5兆8288億円から、14年度決算では6兆3751億円に増えています。
これらの数字は、貧富の格差を広げた「アベノミクス」をはじめとする国の悪政と同時に、大阪で「維新」がくらしの施策切り捨てを進めてきた結果です。
橋下・松井府政の8年に、学校警備員補助の廃止、特別養護老人ホーム建設補助の削減、国民健康保険への補助金削減など、総額1551億円を削減しました。そのうえ、子どもなどの医療費助成の窓口負担の改悪を狙っています。大阪市では橋下市長の4年に、地下鉄・市バスの「敬老パス」有料化、国民健康保険料連続値上げ、新婚世帯への家賃補助の廃止など、総額709億円がカットされました。いま、地下鉄・市バス民営化による市民の足の切り捨てが狙われています。
安倍政権の暴走によるくらし破壊に追い打ちをかけ、府民の懐を冷え込ませ、「格差と貧困」を拡大してきた「維新」政治の責任は重大です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月19日付掲載


大阪を「変えてほしい」と思って、橋下「維新」に投票したが、実際は自民の時より生活は悪くなった。
でも自治体の借金は増えているのだから、自民の時より無駄遣い?

「維新」政治どうみる Q&A ② ルーツと狙い 行き詰まり大阪市解体へ

2016-09-21 11:58:35 | 政治・社会問題について
「維新」政治どうみる Q&A ② ルーツと狙い 行き詰まり大阪市解体へ

Q 大阪の「維新」はどこから生まれ、何を狙っているのか?

ふりかえると前代表の橋下徹氏(元大阪府知事、前大阪市長)が率いた「維新」の台頭は、大阪の自民党・「オール与党政治」の行き詰まりが、どこよりも激しいなかでのことでした。
経済的には、「子どもの貧困」率がいまや全都道府県でワースト2位になるなど、全国最悪の形で「格差と貧困」が広がりました。関西財界がすすめてきた「関西空港・大阪湾ベイエリア開発」が破綻をとげて大阪経済と地方財政の巨大な「負の遺産」となります。これに代わるプランも示せなくなり、関西経済連合会は「関西経済は絶対的衰退の危機」とまで叫びます(1999年「関西再生シナリオ」)。
政治的には、自民党、民主党(当時)の支持基盤が崩れた大阪で、日本共産党を除く「オール与党」がどこよりも早く生まれました。しかし、府民との矛盾は消えず、2007年大阪市長選、08年府知事選では、従来の「オール与党」の枠組みではたたかえなくなっていました。



「大阪都」構想について訴える橋下徹大阪市長(当時)と松井[郎大阪府知事(左)=2015年5月、大阪市

この08年府知事選で登場してきたのが、自民・公明が推薦した橋下徹氏でした。茶髪の若手弁護士として民放テレビ番組に出演していた知名度と「大阪府職員は破産会社の職員」などの物言いで注目を集めました。彼が志向したのは、大阪の行き詰まりを「右から改革」することでした。
その姿が明確になるのが10年4月の「大阪維新の会」結成です。「大阪府庁の旧WTC(ワールド・トレード・センタービル)への移転」という提案をし、議会で否決されたものの、この案件への賛否を質草に、自民党のなかに手をつっこみ、知事が代表となる地域政党をつくりあげます。
そこでかかげた一枚看板が「大阪都」構想でした。大阪市をつぶし、その権限と財源を「大阪府」に吸い上げ、「1人の指揮官」でやりたい放題の「統治機構」をつくること企図したものでした。これと一体に、「なんでも民営化」路線を走り、「教育基本条例案」「職員基本条例案」を打ち出すなど、文字通り従来の「オール与党」政治にもなかった異質で危険な方向をたどります。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月17日付掲載


橋下さんのパフォーマンスが受け入れられたのも、元々の自民・オール与党政治がひど過ぎたから。
だからといって、やりたい放題、なんでも民営化は許されません。

「維新」政治どうみる Q&A ① 参院選で果たした役割 「改憲反対勢力」つぶし

2016-09-20 19:01:30 | 政治・社会問題について
「維新」政治どうみる Q&A ① 参院選で果たした役割 「改憲反対勢力」つぶし

Q 参院選で「おおさか維新の会」が果たした役割は?

「国政選挙で現与党およびその補完勢力を少数に追い込む」
2月19日、日本共産党はじめ5野党の党首合意は、その第3項目でこううたいました。
「安倍政権与党の補完勢力」とは「おおさか維新の会」(現「日本維新の会」、以下「維新」)のことです。



参院選の結果を受け、安倍政権とその補完勢力の「維新」との新たなたたかいの決意を表明する日本共産党の国会議員ら=7月13日、大阪市

その補完ぶりが、7月の参院選大阪選挙区(改選数4)でもくっきり表れました。
何よりも、安倍政権の肝煎りで「大阪選挙区2人擁立」を決めたことです。松井一郎代表(大阪府知事)は、早くから2人擁立の方針を口にし、その狙いについて、「共産党と民主党に大阪での議席を与えたくないんでね」「共産党が議席をとるというのは日本の国のためにならない」(2月19日の記者会見)と語っていました。しかし、実際には複数擁立が難航。「至難の業」を決断したのは安倍政権からの働きかけであったことを複数のメディアが報道しています。狙いは「改憲反対勢力」つぶしでした。
おまけに論戦では徹底して「改憲隠し」。この面でも安倍政権と二人三脚でした。
そして、全国で参院選の真の対決構図が「安倍政権与党対野党・市民共闘」にあることが、1人区を中心に浮かび上がるなか、大阪では「維新」が違う土俵づくりに躍起になりました。「古い政治を壊す。新しい政治を創る」。ポスターでこう打ち出した彼らは、演説ではもっぱら「大阪の自民党は全国と違う。(府知事・大阪市長ダブル選挙で)共産党と手を組んだ。
大阪では維新対自共民のたたかい」と叫び、偽りの対決構図を押し出しました。
これと一体に、「維新」は「野党共闘つぶし」「日本共産党攻撃」に狂奔します。「国政における無責任野党の共闘、大阪における自共の共闘をリードしているのは共産党です。絶対に負けるわけにいかない」
大阪では「維新」代表の松井知事と同政調会長の吉村洋文大阪市長らが連日こうした攻撃を繰り広げました。

◆◆◆

国政で安倍政権を助け、大阪では府政・大阪市政などで「反動の首座」を占める「維新」。彼らをどうみて、どうたたかうか。大阪から連載で発信します。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月16日付掲載


大阪で、変革のポーズをとって影響力を広める「維新」。でも、定数4の参院大阪選挙区で2人目の維新の候補は、元自民。自民党の別動隊です。

2017年予算概算要求の焦点⑤ エネルギー 化石燃料関連が大幅増

2016-09-19 11:47:00 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2017年予算概算要求の焦点⑤ エネルギー 化石燃料関連が大幅増

2017年度の概算要求におけるエネルギー対策特別会計(経済産業省分)は、16年度当初予算比で756億円増の9140億円です。うち優先課題推進枠が1624億円を占めます。

非炭素化に逆行
増額要求で目立つのが化石エネルギー関連です。海底の化石燃料メタンハイドレートを18年までに商業化することなどを目的に、新規に271億円を計上。「国内石油天然ガスにかかる地質調査・メタンハイドレートの研究開発等委託費」としています。
「石油天然ガスの探鉱・資産買収等事業に対する出資金」にも16年度比340億円増の900億円を要求しています。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じて、巨額かつリスクの高い石油・天然ガス開発分野に公的資金を供給し、日本企業の活動を支援する仕組みです。JOGMECを通じた日本企業による海外資源会社の買収支援にも、16年度補正予算案で1500億円を計上しています。
高効率石炭火力発電技術など次世代火力発電の技術開発に137億円(16年度比17億円増)を要求。日本製の火力発電を輸出するための「先進的な火力発電技術等の海外展開推進事業」として新規に32億円を求めています。
地球温暖化を防ぐため、温室効果ガス排出量の3分の2を占めるエネルギー部門の非炭素化が世界的な課題となっています。化石エネルギー関連の予算増額は世界の流れに逆行しています。



国際協力銀行に対し、インドネシアでの石炭火力発電所建設融資の撤回を求めるNGOメンバー=6月、東京都内



原発費用も計上
東京電力福島第1原発事故による放射能汚染物質の除染・中間貯蔵施設事業にも350億円を計上しています。本来東電が負担すべき費用を14年度から30年間にわたって毎年350億円ずつ負担していく計画です。
「原子炉の安全技術の強化等」として98億円(6・5億円増)を、高レベル放射性廃棄物の地層処分の技術開発として38億円(1・5億円増)を要求しています。
文部科学省は、破たんが明らかであり、不祥事も続出している高速増殖炉「もんじゅ」の維持管理費として199億円(14億円増)を求めています。
省エネルギー・再生可能エネルギー関連では、工場や事業場、住宅、ビルでの省エネルギー関連投資を促進するための「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」として1140億円(625億円増)を計上。福島県における再生可能エネルギーの導入のための支援事業費補助金として新規に100億円を求めています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月17日付掲載


新しいエネルギー資源である、海底の化石燃料メタンハイドレートの開発支援も必要ですが…。もっと再生可能エネルギーへの支援も欲しいものです。