Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

個人技の違い(バルセロナ対ACミラン)

2013-11-13 21:31:40 | ワールドサッカー
今日は欧州CLの1次リーグ、カンプノウのバルセロナ対ACミランを見ました。結果(3-1バルセロナ勝利)は知っていましたが、バルサのサッカーを見る機会があるなら面白いので積極的に見るべきということは、これまでの経験でわかっています。現在、バルサの監督は元パラグアイ代表監督のマルティノですが、バルサというチームは監督の色を無理に出さなくても十分に完成されたチームです。

それは以前に見た印象でだいぶわかってきたので、今日はドリブラーという意味で同じ特徴を持つ、メッシ(10番)とネイマール(11番)の違いを中心に見てみました。二人とも高いテクニックを持つドリブラーですが、よく見るとこの二人のドリブルはだいぶ違います。

メッシはボールタッチ数の多い、細かいドリブルが得意で、相手のミランがバイタルエリアに何人寄せようとも、強引にそこを突破して行ける技術があります。つまり、真ん中に置くとドリブルもあり、パスのセンスもありとゲームメーカーとしても機能する選手です。

逆にネイマールは、スピードの緩急を使って身体能力で抜くドリブラーで、密集は苦手でスペースがあった方が力を発揮するドリブラーです。メッシが中央、ネイマールが左サイドで起用されているマルティノの人選は理にかなっていて、相手はメッシだけは消そうと真ん中に意識を集中させますから、そこで空いているネイマールに出せばチャンスになります。

この試合ではメッシがPKを含む2点、ブスケツ(16番)がFKからのヘディングで決めた1点でバルサが勝利しました。相手のミランは2ラインコンパクトサッカーで自陣に引いて守っていましたが、アバーテ(20番)がネイマールを倒して献上したPKが痛いです。これをメッシに決められて失点したことで、ミランは攻めに出ざるを得ず、次第に中盤の戻りが遅れ守備が緩んできました。

個人的に面白かったのは、メッシの3点目です。ゲームメーカーとしても機能するメッシですが、この場面では途中出場のセスク(4番)とのワンツーで自らゴール前に飛び出し、GKアッビアーティ(32番)の上を越す芸術的なループシュートを決めてみせました。たぶん、難しいチップキックだと思うのですが、メッシが蹴ると簡単に見えるところが面白いです。

ミランはカカ(22番)がようやく復調の兆しを見せました。ミランの1点はピケ(3番)のオウンゴールですが、カカが左サイドを深くえぐったクロスがピケに当たって入った不可抗力です。カカが崩したからこそ得られた得点で、2007年のクラブW杯で見られた圧倒的な個人技が、また戻ってくれれば嬉しいなと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トータルフットボールの後継者(ファンハール)

2013-11-13 18:07:21 | ワールドサッカー
今週末のオランダ戦は、W杯でシード国になりそうな強豪と当たれる貴重な機会ですが、個人的にはオランダ代表監督のルイス・ファンハールと対戦することを楽しみにしています。オランダ代表のサッカーは、1974年W杯で世界中を席巻したクライフ時代のトータルフットボールで知られます。

このトータルフットボールは、今のサッカーに通じる、SBをオーバーラップさせたりポジションチェンジをやったりする、当時としては革命的な考えでした。オランダという国は、人口が少ない割にサッカーが強い国という意味では世界一で、複数のポジションをこなせる便利屋を多く輩出する、大航海時代の中継貿易で栄えた巨大帝国らしい開拓精神を持っています。

今回対戦するファンハールは、クライフ時代のトータルフットボールの後継者と言える存在です。一番大きな思い出はアヤックスを率いて来日した1995年のトヨタカップで、3-4-3の攻撃的戦術にトップ下にリトマネンを置く、革新的な戦術は当時の「Striker」紙に戦術の約束事が特集で組まれ、まだサッカー眼が未熟だった私を惹き付ける記事でした。

このファンハールのアヤックスがあまりにも強かったので、当時のオランダ代表監督のヒディンクがメンバーも3-4-3の戦術もそっくりそのままコピーしていたことがあります。外国人のリトマネン、カヌ、フィニディのところは他チームの選手で補完していましたが、ヒディンクといえども当時のファンハールにはかなわなかったことを示す事実です。

ファンハールの戦術は今は普通の4-2-3-1ですが、オランダらしい両ウイングの突破を軸にしたサッカーは、W杯予選のルーマニア戦でも見ることができました。また、トップ下が得点に絡むのもオランダサッカーの特徴で、今回はスナイデルが代表に呼ばれていませんが、代役のファンデルファールトも十分得点力のある、いい選手だと思います。

そんな相手と対戦する日本代表は、どうしても劣勢に立たされることは間違いないでしょう。それでも、前回の欧州遠征で連敗したことを何かの教訓にしていなければ納得いきません。オランダ相手に何か工夫は見せた、そういうところを見せてもらえることを、ザックには期待しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする