サイドの機能不全(6/2ルヴァン杯甲府対浦和)

今日のルヴァン杯甲府戦、悲しいくらい内容の悪い試合でした。甲府の盆地特有の暑さで、浦和の選手が参ってしまっているかのような動きの鈍さでした。甲府は予想通り、5-4-1の布陣でしたが、これまでの甲府と違って、真ん中の「4」のうち2枚を前に出して、積極的につないで浦和の隙を狙ってきました。

このパスを、浦和は自由につながせてしまいました。浦和の4-4-2では、SBのスペシャリストがいないことが弱点になりました。サイドの菊池と宇賀神が相手との1対1で不利な状況に陥るので、浦和はやむを得ず、MFの武藤雄樹やマルティノス、時にはFWの李までも下がって守らないと相手の攻めを止め切れませんでした。

それでも、内容が悪いなりに失点を抑えれば、この試合も意義があったと言えます。しかし、浦和はあまりにも簡単にカウンターを食らい過ぎ、相手CKからDFの34番のヘディングシュートで最初の失点を食らって、「この試合はおかしい」ということが誰の目にも明らかになってきます。

その後の戦い方は悲惨でした。守備に加勢して甲府の攻撃を止めていた、武藤雄樹や李忠成の動きが次第に落ちてきたからです。解説の福田正博氏が柏木の不在を原因に挙げていましたが、リズムを変えるパスを出せる柏木がいなかったことで、無理に裏に出してはクリアされるというワンパターンの攻めに終始することになりました。

もちろん、オリベイラ監督は試合の流れを変えようとしました。李out森脇inがそれでした。森脇は意外にもボランチに入り、4-3-3に布陣を変更して一時的には浦和がボールを持ちます。しかし、2点リードを得た甲府はこれで十分とみてしっかりと引き、浦和の縦パスに狙いを絞ってからのカウンターで逆にチャンスを作りました。

これほどまでに内容の悪い浦和は久しぶりに見ました。何か、思い切った変化を加えないと、今のチーム状態を好転させることは難しいと感じざるを得ません。もちろん、代表で槙野と遠藤航が、U-21代表で橋岡が不在という要素もありますが、第二戦でオリベイラ監督の何らかの回答が見たいです。第二戦の内容によっては、たとえこのプレーオフステージで敗退しても、得たものがあるかもしれません。