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幕下55枚目からの復帰(栃ノ心)

2020-06-18 23:07:58 | 他スポーツ
今場所は前頭11枚目まで落ちていますが現役の、元大関栃ノ心を取り上げます。栃ノ心はジョージアのムツヘタ出身で、柔道やサンボなどの格闘技の経験はありますが、相撲経験はほとんどない状態で出場した世界相撲ジュニア選手権で3位と活躍し、18歳のときに春日野部屋からスカウトを受けて大相撲の世界に入門してきます。

出世は早く、初土俵から十両昇進までわずか11場所という早さでした。小結にも上がり、若手有望株と期待も集めましたが、前頭11枚目のときの徳勝龍戦で右膝の前十字靭帯断裂の重傷を負い、その後は休場が続き、十両筆頭、十両14枚目、幕下15枚目、幕下55枚目と番付を下げていきました。稽古に復帰したときは三段目の力士にも勝てない状態でしたが、そこから状態を上げ、幕下では2場所連続全勝優勝で十両に復帰しました。

栃ノ心の稽古ぶりを、十両時代にさいたま巡業で見ましたが、番付順に稽古するので十両力士は相手にならないとばかりに圧倒的に勝っていました。それは土俵にも表れ、十両でも13勝2敗、15戦全勝と2場所連続優勝を果たし、前頭8枚目まで復帰してきました。その後は三役復帰を果たし、史上最も低い番付からの三役復帰という記録も作ることになります。

栃ノ心は優勝は1回あります。前頭3枚目という番付でした。番付的に上位全員と当たる位置なので、下位にいて上位と当たらないで達成する平幕優勝とはだいぶ違います。この優勝は高く評価され、関脇昇進後10勝、12勝を挙げて、大関昇進を果たすことになります。春日野部屋からの大関は栃ノ海、栃光以来と56年ぶりで、元関脇栃乃和歌の春日野親方は「自分の代で大関が出るとは思わなかった」とコメントしています。

大関としては在位5場所で一旦陥落し、その後10勝を挙げて復帰しますが2場所連続負け越しで陥落し、大関在位はわずか7場所で終わります。それでも、大関に昇進したのが30歳ということを考えると、よく大関に上がれたというべきでしょう。右四つの型を持っており、怪力で組めば横綱クラスも寄り切るパワーがあります。

右の相四つの白鵬には分が悪く、1勝27敗という成績です。白鵬という横綱には変化も効かないこともあって右四つに組みますが、どうしても地力の差が出ます。その連敗が止まったときが大関昇進の場所だったというのも、何かの巡り合わせでしょう。
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