Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

英雄の最後の姿(チュラム)

2008-06-21 22:03:21 | ワールドサッカー
古いネタですが、EUROのフランス対オランダ戦をやっと見ました。この試合はフランスが大敗し、同世代のヒーローと崇め奉っていたチュラムの動きが良くなかったことも知っていましたが、ファンである以上チュラムの最後の姿を見届けるのも義務と思ってあえて見ました。

チュラムは、142試合の代表歴がありながら、代表でのゴールはわずか2点しかありません。なぜなら、セットプレーで上がらないからですが、その2点はこれ以上はないほど、重要な場面で生まれました。それは、フランスが地元優勝を果たした、1998年のW杯準決勝のクロアチア戦でした。

当時のフランス代表には、デサイー、ブランと強力なCBがいて、本来はCBのチュラムは右SBで出ていました。ただ、あまりチュラムの攻撃参加のイメージはなかったのですが、このクロアチア戦だけ思い出したように上がって、強烈なミドルシュートをたたき込んでいます。

当時在籍していたパルマのチームメイトだったクロアチア代表のスタニッチは、攻撃力はほとんどないという情報をチームに与えていましたから、まさに意表を突くゴールでした。ただ、チュラムの本当の価値はそれではありません。全盛期は、ヘディングでも無敵、ドリブルでも抜けないというパーフェクトなCBでした。

その活躍は、パルマという小さなチームではとどまらず、イタリアNo.1の名門のユベントスに引き抜かれています。ユベントスが不正事件でセリエBに降格したので、バルセロナに移籍しましたが、ユベントスでも鉄壁の守備を誇っていました。

ただ、オランダ戦でのチュラムは、かつてのストッパータイプのイメージからは様変わりしていました。スピードが落ちていて、どうしても前からSBがチェックしてくれないと、得意のカバーリングができないリベロタイプになっていました。そんなチュラムを、オランダは徹底的に狙ってきました。

オランダの2点目の場面、右SBのサニョルが上がっていたタイミングで、俊足のロッベンを走らせると、チュラムのスピードでは対応ができませんでした。ロッベンの個人技にやられた3点目は、もう見ていられませんでした。人はいつか衰える、その現実を知らされました。

しかし、チュラムもクラブチームでは現役を続けるでしょうし、同世代がいなくなった後もEUROもW杯も続きます。我々ファンは、また新しくなった代表チームを見続けるでしょう。ちょっとショックでしたが、すぐに切り替えて、また明日からサッカーを見ることでしょう。
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バーレーン戦プレビュー

2008-06-20 20:52:04 | ワールドサッカー
いつもは試合前日のプレビュー記事ですが、明日はパーティがあって飲み過ぎて帰ってくる可能性があるので、今日書きます。日本代表は既に3次予選の突破を決めていて、バーレーン戦は消化試合です。そのため、中村俊輔のように負傷を抱えた選手はもちろんですが、一枚イエローカードをもらっている選手も休ませる可能性が高いです。

別に1位で通過しても2位で通過しても、最終予選の組み合わせが有利になることはないので、この試合は、今まで使っていない選手を試す絶好の機会です。個人的には井川が4バックの右SBができるかどうか見てみたいです。また、本田圭佑も楽しみです。五輪代表のときは守備の不安が隠せない選手でしたが、オランダに移籍したことで、どこまで守備意識が向上しているか見物です。

対戦相手のバーレーンは、ベストメンバーが来日すればそれなりに手強いチームです。あまり手数を掛けず単純にはたくカウンターが売り物のチームです。しかし、未確認情報では来日メンバーがベンチ入りの枠に満たない可能性もあるとのことで、おそらくベストメンバーは来ないとみていいでしょう。

理由は二つあります。一つは、中東のチームにとって日本は遠征先として気が進まない地だからです。中東は雨が降りませんから、雨の中で試合をする可能性がある日本には、できれば行きたくないと思うでしょう。また、日本では中東の食べ物が手に入りにくい事情もあります。

外国人も泊まる、高級ホテルで洋食を出された某中東チームは、これは自分達には食べられないと言い、唯一食べられるフライドポテトばかりを食べていたそうです。サウジのようにサッカーにお金を使える国なら、コックを連れてくるでしょうが、バーレーンはそこまでのバックアップはなさそうです。

そのため、中東のチームが来日して試合をすると、信じられないほどコンディションを崩すことがあります。2004年の五輪予選で来日したUAE代表や、2007年の五輪予選のシリア代表などが、信じられないような動きの鈍さで日本に完敗しています。そんな可能性もあるので、少なくともバーレーンにまた負けることはないと思っています。
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フォークの出し入れ(豊田清)

2008-06-19 20:47:27 | 他スポーツ
西武の一時代を、リーグ屈指の抑え投手として支えた、豊田清投手(現巨人)の思い出です。豊田は、愛知県の無名の大学、同朋大の出身で、他の大学と練習試合をするときは、唯一の一流投手の豊田の登板を条件にされました。そのため、大学時代はダブルヘッダーを連投するような苦労をしています。

そんな豊田は、西武からドラフト3位で指名されます。もちろん同朋大からは初めてのプロ選手ですが、当時もスカウト網は発達していて、意外な指名ではなかったようです。豊田は、もともとは先発投手になるために西武に入ってきました。

売り物はストライクゾーンとボールゾーンを自在に出し入れできるフォークボールでした。普通の投手なら、フォークボールはストライクからボールに出すボールしか投げられず、見られてしまうとカウントを苦しくします。豊田の場合はフォークでストライクが取れるので、フォークでカウントを稼げる、稀な投手です。

しかし、先発投手だったときの豊田は、二桁勝つこともありましたが、西武ではエース西口の影の存在でした。どこの球団にもいる普通の先発投手というのが当時の豊田の評価でした。しかし、一時ベテランの西崎を抑えにしていた東尾監督がどうしても強力な抑え投手が欲しいという理由で、先発投手だった豊田に抑え転向を打診します。

豊田自身は、投手は先発完投するものという価値観を持っていたので、話し合いは難航しましたが、ついに豊田が折れて「抑え豊田」が誕生しました。それからの豊田は、当時課題だったストレートの球速が、1イニング限定になったことでスタミナの配分をする必要がなくなり、140km出るかどうかのレベルだったのが、常時145kmを超せる投手になりました。

ストレートで空振りが取れるようになれば、武器のフォークも活きるようになり、豊田はリーグ屈指の抑え投手になり、8回を森、9回を豊田が締めるのが西武の必勝リレーになりました。これで、2002年のリーグ優勝、2004年の日本一の要因になりました。

ただ、豊田はベテランになってくると、故障がちになってきて、常時フル稼働は難しくなってきました。そんなときに、巨人からFAの話があり、移籍を選びました。しかし、西武の2度の優勝を、絶対的ストッパーとして支えた豊田の活躍は、今でも忘れません。思い出に残る、西武では数少ない、安定した抑え投手です。
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ドイツで見せた成長(長谷部誠)

2008-06-18 21:20:01 | 浦和レッズ
ここ数試合、代表戦で大活躍の長谷部誠選手について話します。今の浦和は、小野伸二と長谷部が同時に移籍して、守備と攻撃をつなぐリンクマンがいなくなっています。暫定的に闘莉王のコンバートで対応していますが、このポジションはそう簡単にサテライトから育つものではないということを、長谷部の移籍で感じます。

ただ、長谷部自身はサテライトから順調に育った選手でした。1年目ではサテライトですべてのセットプレーを任され、すっかりサテライトの中心選手になると、翌年にはエジムンドの退団でトップ下が空いた幸運はあったにせよ、トップ下で開幕スタメンを果たします。

劣勢が予想されたアウェーの鹿島戦で、長谷部は軽快にパスをつなぎ、試合には負けたものの、十分戦力になることを証明しました。その年は、トップ下とボランチで、誰かが欠場しても長谷部がいると、チームを安心させる貴重な控えになりました。

しかし、翌年は浦和はボランチに酒井を補強し、長谷部にはポジションは約束されていませんでした。しかし、このポジション争いに勝った長谷部は、パスセンスの高いボランチとして、浦和に欠かせない戦力になりました。順調に育っていた長谷部ですが、二つ壁を突き付けられます。

一つはオシム監督時代のガーナ代表戦でした。このときのガーナ代表は、ドイツW杯でベスト16に入ったときのほぼフルメンバーが来日していました。そんなガーナ代表には、世界一のお金持ちチームと言われるチェルシーの主力MFエシアンがいました。長谷部はこのエシアンに仕掛けられ、為す術もなく置いていかれています。

やはりトップ下からコンバートしたボランチでは守備はきついかと、限界を感じていました。また、長谷部はトップ下で出るときに、マンツーマンで付かれると比較的簡単に消されるという弱点もありました。ドイツのヴォルフスブルグに移籍したときは、もう一回り成長しないと、ベンチ要員で終わる可能性もあると思っていました。

しかし、長谷部は間違いなくドイツで成長しました。運動量が増えて攻撃に絡む回数が増えましたし、守備でも3次予選の相手なら格が違うとばかりに、早めのプレスでボールを奪っていました。そんな長谷部が、強敵になる最終予選の相手にどこまでやれるか、楽しみにしています。
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スポーツの現実的「特等席」

2008-06-17 20:57:27 | 他スポーツ
スポーツ観戦には、この場所で見られれば最高というベストポジションがあります。ただ、もちろん一般庶民の私には経済的な制約はどうしてもあります。野球では、ベストポジションはネット裏で、ピッチャーの球筋が見えるので、打たれたときに失投だったか、それとも打者がうまく打ったかがわかります。

ただ、プロ野球のネット裏は全部年間指定席で、私の手の届く場所ではありません。私がネット裏に行くのは、アマチュア野球の最高峰の都市対抗野球(東京ドーム)のときだけです。これならチケットは2千円ちょっとで、手が届きます。特に、投げているピッチャーがドラフト候補だったら、野球好きにはいい土産話になります。

ただ、プロ野球でもそれに近いベストポジションはあります。それは、一番安い席のはずの外野席です。ただ、外野席でも、ポール際に行ってしまうと応援団と一緒に騒ぐ席になります。そっちの方が好きな方もいらっしゃるでしょうが、スポーツ分析が趣味の私にとってのベストポジションは、センターバックスクリーン脇です。

確かに、ここは試合の行われている内野からは一番遠い場所ですが、ネット裏同様にピッチャーの球筋が見えます。球種もコースもばっちり見えますから、投手の配球を読んで、決め球は何かわかります。楽しみはその配球を当てることで、次はどのコースへ投げるか、野球好きの友人と予想するのが楽しみです。

ただ、最近は西武ドームの外野席は、人気の席になっていて、なかなか入れないのが残念です。サッカーなら、センターラインの延長線上のメインスタンドかバックスタンドです。かつては、自由席のチケットで、駒場のバックスタンドの中央に入れましたから、早く並んで場所を取っていました。

しかし、今では、埼スタのバックスタンドの真ん中は品薄のR指定席ですし、私も病気で長時間の並びがきつくなりましたから、開門前後に行っても取れる、南側ゴール裏の、ピッチを斜めに見渡せる、上の方の席を取ります。ゴール裏なら上の方がベストで、かつてイギリスでゴール裏の最前列で見ましたが、決して見やすい席ではありませんでした。

サッカーは全員の配置の妙のスポーツですから、ある程度高さのある席がベストですが、遠近感が見分けにくいゴール裏ならなおさらです。
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欧州サッカーの奥深さ(ルーマニア代表)

2008-06-16 21:10:44 | ワールドサッカー
欧州選手権では、グループCが、オランダ、イタリア、フランスと強豪が潰し合う組で、死の組と言われています。このグループに、唯一あまり強いと予想されていなかったルーマニアが入ったことで、戦前の予想は3強がルーマニアから確実に勝ち点を取れるかに話題が集まっていました。

しかし、2試合を終えた今では、オランダが勝ち点6で突破を決めていますが、2位につけるのは勝ち点2のルーマニアです。イタリアとフランスは、最終戦で直接当たりますが、勝ってもルーマニアがオランダに勝てばアウトという状況です。そんなルーマニアの健闘の理由を探りたくて、イタリア対ルーマニアのビデオを見てみました。

ルーマニアは4-4-2の布陣を引きますが、中盤の4人は横に並び、普段は2トップを除いた8人で引いています。これだけなら、日本代表と対戦したタイやベトナムもやってきた戦術ですが、タイやベトナムは結果的には日本に大敗しています。

こういうアジアのチームとルーマニアの決定的な違いは、守っていながらも、頭の中はどうやって攻めるかがクリアになっていることです。ルーマニアの守備から攻撃への切り替えは早く、チャンスと見たら何人もで上がってパスコースを確保します。また、ルーマニアには、セリエA経験者のDFコントラ、MFキブ、FWムトゥがいて、各ポジションに柱となる選手がいて、チームがまとまっています。

タイやベトナムもカウンターを繰り出すことはできていましたが、ルーマニアの場合、GKブッフォンに止められたものの、ムトゥが決定的なチャンスをつかんでいます。展開次第では十分勝てるような試合運びをしていたのです。

ルーマニアにとっては、イタリアが初戦のオランダ戦を落としていて、何が何でもルーマニアに勝たなければならない状況だったのも幸いしました。焦って前に出るイタリアをうまくいなして、チャンスを作れる姿には、欧州サッカーの奥の深さを感じます。

ルーマニアは、1994年のW杯ベスト8の実績はありますが、普段はなかなか欧州予選を通れないチームです。そんなチームがイタリアから先制点を奪い、同点にはされたものの、ムトゥがPKを決めていれば勝っていたところまでイタリアを追い詰めたのは価値があります。

やはり、欧州はW杯や欧州選手権に出てくるようなチームは皆何かを持っています。こういう相手とW杯で戦うことになるであろう日本は、相当厳しい戦いが待っているでしょう。
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影の主役(6/15浦和対伊賀FC)

2008-06-15 16:25:43 | レディース
今日の試合はなんと7-0というゴールラッシュで浦和レディースが勝利し、機嫌の良くなった私は、出口でサポーターを見送っていた田代久美子選手に、「怪我を治して復活して下さい。」と声を掛ける余裕がありました。

この試合、表の主役は、何と言ってもハットトリックの安藤選手でしょうが、本人がインタビューで「おいしいゴールが多かった」と言っていたように、裏の主役はちゃんといました。それは、私が見た試合ではあまり攻撃参加しない左SBと思っていた、岩倉三恵選手でした。

伊賀FCの布陣は4-4-2の中盤ダイヤモンドですが、ボランチの宮本(なでしこでも有名な選手)がDFラインの前にしっかりと鎮座し、4バックと合わせて5枚の壁を作っていました。そのため、真ん中から仕掛けるのはそう簡単ではありません。そこで目をつけたのが、サイドからの「3人目の動き」でした。

浦和の布陣は公式には4-4-2となっていますが、事実上北本の1トップで、安藤はトップ下、柳田が右MF、堂園は左MFでした。そのため、柳田と安藤、安藤と堂園の間のボールはすぐに回りますが、そこには当然相手も警戒しています。そこで、3人目の動きで岩倉がサイドを仕掛けてくると、相手SBのカバーが遅れる結果になりました。

岩倉はクロスを上げるだけではなく、真ん中に入ってスルーパスを狙ったり、個人技で切り返したりと多彩な動きを見せました。ここまで好調ならと村松監督も思ったのか、途中から堂園を左SBに下げて岩倉を攻撃に専念させる、粋な采配も見せています。

7点入ったこの試合ですが、バリエーションもたくさんありました。男子を思わせるロングシュートを打った高橋彩子選手は、自ら、「今回はミスキックではありません」と狙ったゴールであることを強調していました。セットプレーを逆サイドに回して、クロスで土橋の頭に合わせた7点目も、チームが連動したいい形です。

これはひょっとすると、日テレやTASAKIの後塵を拝してきた、今までの浦和とは違うのではと、期待させてくれる出来でした。もうJ2並みの観客動員が安定して見込めるチームになったのですから、いつかは強くなることは義務と思っていましたが、私が思っているよりは多少早そうです。
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埼スタのあじさい

2008-06-15 10:15:30 | 雑記
写真は、先週埼スタの歩行者専用道路で見た、あじさいの花です。自宅ではあじさいはないので、埼スタに6月に行くと、いつもあじさいを楽しみにしています。もともと、埼スタでW杯を開くとき、6月に咲く花で世界中の人を楽しませようと思って、あじさいを植えたのがきっかけです。

そのため、このあじさいを見ると、いつも2002年W杯の熱戦を思い出します。6年前の今ごろは、W杯の1次リーグが終わって、日本が決勝トーナメントに出て盛り上がっていた頃ですね。
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セットプレー(6/14日本対タイ)

2008-06-14 22:16:09 | ワールドサッカー
今、テレビで見終わったばかりのタイ戦の感想です。タイもDFに180cmを超える選手がいました。そのため、単純な放り込みには勝てるようになっています。しかし、タイのセットプレーに弱い伝統?は改善されておらず、日本が複雑な動きを取り入れれば比較的簡単にフリーになることができました。

それが、岡田監督が報道陣を部屋に閉じ込めてまで、非公開練習をやりたがった理由でしょう。まず、闘莉王の1点目は、ショートコーナーでした。最初のCKを蹴る前後は集中できていても、それが何度も続くと次第にマーカーから目を離す場面ができます。闘莉王が狙ったのは、相手のDFラインの一番外でした。

この場面では、タイのDFの見えない、後ろ側を闘莉王がうまく狙っていました。狙い通りにフリーになった闘莉王にとって、これをゴールに叩き込むのは比較的簡単な仕事でした。2点目も、中澤の複雑な動きで決まっています。中澤は、マークについているタイDFを釣るために、一旦全力疾走をしておいて、急停止しています。

これでタイのDFはその勢いでそのまま走っていってしまい、中澤をマークするDFはいなくなりました。それでフリーになれた結果の得点です。グラウンド状態の良くない、東南アジアのスタジアムではセットプレーが鍵になりますが、前半で2点は予定以上の成果でしょう。

また、前半の内容はセットプレー以外でも完璧に近いものでした。タイにボールを奪われた後の対応が素早く、ボールを奪い返して何度もチャンスを作りました。タイに得意のパス回しからのカウンターを出させなかったという意味で、良い内容の前半でした。ところが、これが日本の課題というのが、後半出てしまいます。

それは、プレスが90分続かないのは世界のチーム共通でしょうが、日本の場合、前半行けるところまで行ってしまい、後半の途中でぱったりと足が止まってしまうことです。行くところと待つところを使い分けて、体力をセーブしながら90分戦った、キリンカップのパラグアイ代表のような戦い方を、これからの日本は目指すべきでしょう。

これで、バーレーン対オマーンが、引き分けもしくはバーレーンの勝ちに終われば、日本とバーレーンの突破が決まり、最終戦のバーレーン戦は消化試合になります。もし、バーレーンが既に突破を決めていれば、同じ中東のオマーンをわざと勝たせる可能性もゼロではなかったですが、バーレーンも自分のところが突破を決めていないので必死でしょう。

そういう意味では、タイが前節バーレーンから奪ってくれた勝ち点1が、こんなところで効いてきたかと、運命の不思議さを感じます。
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アーリークロス(6/9オランダ対イタリア)

2008-06-14 18:21:05 | ワールドサッカー
今更なネタですが、欧州選手権のオランダ対イタリアを見ました。スコアは3-0でオランダの勝ちでしたが、内容にはそれほどの差はなかったように思えます。ただ、マスコミ報道にもあるように、オランダは伝統の3トップをあえて採用しませんでした。ウイングタイプの俊足選手より、トップ下タイプが多いと判断しての4-2-3-1です。

特に、オランダの10番を背負うスナイダーは、WOWOWでしか見られないスペインリーグのRマドリードにいますから、映像で見たのは初めてでした。しかし、このスナイダーが、ワールドクラスの実力を我々の前に見せてくれました。アーリークロスは、抜いて勝負する技術がないから、早めに上げてFWの個人技に賭ける戦術と思い、今まではあまり評価していませんでした。

しかし、このスナイダーのアーリークロスは、決してファン・ニステルローイの頭狙いの高いクロスではなく、低くて速い、DFラインの裏を巻いてくるクロスです。オランダはイタリアの最終ラインがカンナバーロの欠場でスピードタイプがいないことを知って、そういう手に出たと思います。

こういうアーリークロスを上げれば、オランダは1トップのファン・ニステルローイ以外にもMFの選手が突っ込んで来られます。先制点のファン・ニステルローイのシュートはオフサイドではと言われましたが、こういうアーリークロスが生んだゴールでもありました。

スナイダーはシュート技術も確かでした。2点目はファン・ブロンクホルストのアーリークロスにカイトが頭で合わせたセンタリングを、飛び上がってダイレクトボレーで叩き込んでいます。ひょっとしたら、今大会ベストゴールはこれになるのではと思われるほどのインパクトのあるゴールでした。

逆にイタリアは3トップを採用している割には、サイドの崩しが少なく、トニが孤立して1トップに近い状態になってしまっていました。それでも、トニの194cmの高さがあれば、オランダのDFにも勝てるのですが、オランダGKファン・デル・サールが好守を見せてノーゴールに終わりました。

1点を守り抜く伝統のあったイタリアDFの崩壊には、世界中が驚いたことと思いますが、イタリアは欧州選手権とは相性が良くありません。前回大会も1勝2分けとはいえ、1次リーグで敗退しています。欧州のチームは、どこが出ても世界3位までは狙えるポテンシャルがある奥の深さがありますが、なぜか欧州選手権に強いチーム(チェコ、ポルトガル)とW杯に強いチーム(ドイツ、イタリア)が違うのが不思議です。
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