P.81 糖尿病や高血圧など、成人病と呼ばれる疾患の造花と治療法について
これらはすでに、食事や喫煙、運動不足などの生活習慣が原因であることは、
明らかでしたが、薬による治療が継続されており、
この人的、費用的負担に危機感をもった私は、雑誌に論文を発表し、
「成人病を習慣病と改称し、生活習慣を正しく変えよう」と、
社会に意識変革を求めました。
病気になってからより、なる前に尽力するほうが、
肉体的にも経済的にも、国家も国民も負担が少ない。
ガンも脳血管疾患も、ほとんどの病気は生活習慣に起因します。
生活習慣を変えることでかなりの確立で病気の発祥を食いとめられると、
科学的データが示されても、病気になるひとが減らない。
いまもって医学で治すことのできる病気は少ないなかで、
予防できるとわかったのですから、ただちに実行すべきです。
驚くのは、この提言を受けて、厚生省(←当時)が「生活習慣病」と改称するまでに、
20年もかかったそうなのです。(P.82)
のちに医師養成のための、いわゆるインターン制度を無給から有給にし、
あいまいな研修内容を明確にしたいと提言するのですが、
これはさらに30年あまりもの年月をかけて、
厚生労働省とやりあうことになりました。
私たち日本国民を守るはずの役所は、
<一度決まったことは、止むをえない状態になるまで固執する保身集団>なのでしょうか?
以下、日野原先生のビジョンをそのままご紹介します。
P.82 国は医師をはじめ医療関係者の人材育成と医療制度の改革に力を注ぎ、
国民は自分の健康を守る。
この両輪が、医療の質を上げ国の負担を軽減する、というのが、
私の超高齢化社会、とくに医療費に対する提言です。
医師養成については聖路加国際病院を母体とする医科大学院大学構想を、
いま進めています。その前に研究機関を設立します。
国民がすこやかに生きるための指針は、よい生活習慣。
私のように人生ぎりぎりまで、せめて80代まで働くことを提案します。
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