時には、日光の秋景を味わいたい。木枯らし1号が過ぎ去った翌日に、私達は国道122号、120号、中禅寺スカイラインを経由して半月山に向かった。そして、限りなく透明な青空のもとで眺める秋景は、私達にとって印象深いものであった。
第2いろは坂入り口(馬返し)で眺める男体山の山容は中禅寺湖付近で眺める姿から想像できそうもない。全くと言えるほど霞んでいない気象条件のもとで眺めると、山頂付近の薙(崩落地形)はインパクトを感じさせる景観になる。
男体山の薙(崩落地形)(いろは坂入り口、馬返しにて)
崩落は薙刀でえぐったような形状から薙とか掘と呼ばれ、その深さは100 m以上に及ぶ箇所がある。崩壊を防ぐために、多くの治山ダムがつくられている。(栃木県のHPから)
いろは坂の途中に設けられている黒髪平展望台での駐車スペースは狭い(数台分)。しかし、ここで眺める秋景のパノラマを見逃したくないと、私達は思う。
屏風岩、そして帝釈山(左)、女峰山(中央)、赤薙山(右)
帝釈山と女峰山のクローズアップ
そして、屏風岩付近のクローズアップ。第1いろは坂(下り専用)では、この岩のそば(対岸)を通過する。
大真名子山(左)、帝釈山、女峰山、そして屏風岩
紅葉、黄葉、緑葉、そして高原山(たかはらやま)
高原山をクローズアップしてみる。霧降高原から眺めると、この山とその周辺での秋景は美しい。
男体山と明智平展望台(ロープウェイ)
黒髪平展望台の先では、私達はかなり渋滞の巻き込まれた。覚悟はしていたが、いろは坂の通過には1時間半を要した。ハンドルを握る者としては、いささかうんざりしながらも道沿いでの紅葉に救われた。明智平展望台で紅葉に囲まれた華厳の滝を眺めたかったが、やむ得ず渋滞を早く抜け出すことにした。
さて、目的地での秋景から
富士山を眺める(半月山駐車場にて)。
ここで富士山が遠望できるチャンスは多くない。
ダケカンバ、シラカンバ、カラマツなどの樹林帯、そして奥には社山(左)などの山々
木々の葉は木枯らし1号によって落とされてしまったのであろうか。
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撮影、10月26日午後
昨年11月初旬に、日光東照宮を参拝した後、第2いろは坂を上って中禅寺湖に行き、華厳の滝を見てから、第1いろは坂を下って帰路につきました。昨年の紅葉は遅かったらしく、まだ7~8割といったところでしたが、日本屈指の紅葉の名所らしく綺麗でした。
黒髪平展望台から見える眼下の紅葉した山々はとても素晴らしかったです。男体山の頂上付近も見えましたが、山肌が露わになって荒々しい感じがしました。深田久弥は名著「日本百名山」で男体山を取り上げ、「すべての湖はその傍にそびえ立つ山の姿で生きてくるが、中禅寺湖と男体山という取り合わせほど過不足なく、彼我助け合って秀麗雄大な景色を形作っている例も稀である」と述べています。中禅寺湖から見える男体山は正しく容姿端麗で、山体と湖が織りなす絶景にしばし見とれました。
また深田久弥は同書で、奈良時代に男体山を開山した勝道上人の登山の様子を著した空海の「性霊集」にも触れ、3度目の挑戦で初登頂した喜びを、「一たびは喜び、一たびは悲しみ、心魂持ち難し……」と、登山家の歓喜と悲哀の心境を簡潔適切に表している、と述べています。
私は男体山を登山した訳ではありませんが、この日光の旅は愛犬を同伴しての旅でした。二週間後、愛犬は老衰と病のために亡くなり、愛犬と共に楽しんだ日光の旅は格別な思い出があります。空海の言葉が別の意味で心に響きます。
kotsunagi567さんの奥日光の一連の紅葉の写真には、半月山展望台から見た男体山と中禅寺湖をはじめ、帝釈山と女峰山、紅葉に覆われた山々など優れた写真が沢山紹介されていますので、追体験できます。これからも素晴らしいを見せてください。ありがとうございました。
こときは、天候に恵まれましたので、少しばかり自分の観点で、紅葉を撮ってみました。
昨年11月にご覧になられた紅葉の様子を、詳細にお知らせいただき、ありがとうございました。
多少なりとも、そのときの追体験に、当方の画像がお役にたつことができましたとのこと、幸甚に存じます。
今回の感染症が収束しましたら、日光の自然を再び撮ってみたいと思っています。
コメントありがとうございました。