ニュースキャスター・ジャーナリストの筑紫哲也さんが逝去されて1年になるそうだ。
昨日の午後、ラジオでそのことを知った。
番組で、筑紫さんのラスト・メッセージが新書で発行されているのを知り購入してきた。
『若い友人たちへ』ー筑紫哲也ラスト・メッセージー 集英社新書
特に、《第八章 教育こそが国の基本である》を読みたかったからだ。
筑紫さんは、第八章の書き始めを次のように記している。
文部科学省という病
国家を考える場合に避けて通れない問題として、教育があります。日本の生徒、学生の学力が落ちている、などという話を最近よく聞きますが、これは当然だと思います。あまりにも政府が指図をしすぎるから、教育がどんどん失敗していくんです。教科書の問題一つとっても、こんなに窮屈になっていることが問題なんです。政府による過度の介入です。
話は飛びますが、昨夜、本同僚で現職の二人とワインを飲みながら教育談義で盛り上がりました。
そのお一人のS先生は、ベテランで指導主事でも校長でも十二分にできる大変優秀な先生ですが、その道を進もうとしません。
以前から、管理職になることを私も勧めているのですが、一向に首を縦に振りません。
その理由は、
一つには、子どもが大好きなので、教育臨床の場を離れられない。
二つには、現行の指導主事・校長の管理的な仕事には全く興味がない。
とのことでした。
そして、(昔の指導主事は、それぞれの教科の専門性に大変優れて怖い存在であったが、最近の指導主事は専門性が感じ入られない若い人が多い)といった話題に及びました。
筑紫さんは次のように述べています。
(昔の)先生は恩師として尊敬されているけど、別に給料が高いわけじゃない。教育が地元にまかされている。地域に根を下ろしている。オラっちの村の小学校はどうしようか、という感じで保護者たちが集まってくる。校長先生は、地域社会でものすごく尊敬されている。
経済・財政・雇用・年金etcも大事なことですが、我が国の公教育をどうするか?民主党政権でしっかりと議論してもらいたいものです。