尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

東京都の教科書採択結果

2011年07月30日 21時05分30秒 |  〃 (東京・大阪の教育)
 昨日は臨時の記事になったので、今日は2つ書こうと思っています。まずは簡単に。ここ2日ほど、このブログに順位が出てるんだけど、昨日は「順位: 7,819位 / 1,613,729ブログ中」ですね。アクセスが多いのは、都教委の採択関連です。だから、一応結果を書いておきます。(書くまでもなく、当然「育鵬社」になるに決まってるので、書く気はなかったんですが。朝早いので、申し訳ないけど傍聴にも行きませんでした。)
 
 都教委の中学教科書採択は、中高一貫校10校すべて歴史と公民は「育鵬社」です。ただ、特別支援学校は聴覚障害、肢体不自由・病弱特別支援学校では公民だけ「自由社」になりました。(歴史は育鵬社)。視覚障害特別支援学校は「教育出版」ですが、これは拡大教科書のもとになるという別の事情になります。この、「特別支援」だけ、「公民」が「育鵬社より、自由社が良い」となった理由が不明。

 教育委員というのは、基本は5人ですが6人までおけるので都は6人います。木村孟委員長、内館牧子、竹花豊、瀬古利彦、川淵三郎、教育長大原正行の各氏です。川淵氏はなったばかり。2年前の採択時には残りの5人はすでに教育委員を務めています。その前の採択は、6年前ですが、その時にすでにいたのは、木村、内舘の2委員のみ。結構有名人がやっていて、内舘、瀬古、川淵の3氏は知ってる人が多いでしょう。木村委員長も実力者で、東工大学長を務めた工学者ですが、教育関係の様々な役職に関わってきました。竹花委員も警察官僚から東京都副知事になった有名人です。大原氏は財務、総務関係が長かった都庁官僚で、それまでに教育関係の役職は経験していないのですが、総務局長から教育長になりました。(教育委員会の実務担当部局が「教育庁」、教育庁の最高責任者が「教育長」。教育行政は、一般行政から独立して「教育委員会」が担当するタテマエになっていますが、特に東京都では、現場の学校長どころか教育庁の仕事も経験していない人が突然教育の最高責任者になっちゃうのですね。)

 2005年は全委員一致して、「扶桑社」。2009年は1人が他社を推したけれど、他の5人が「扶桑社」。前回から5人が共通しています。扶桑社の子会社が「育鵬社」ですから、前回からいた人は「育鵬社」を推すと普通考えられるので、今回はいくら反対しても「育鵬社」と分っています。
 投票の結果は、歴史は育鵬社4票、自由社1票、教育出版か東京書籍が1票(細かくなり過ぎるので書きませんが、10校が半数ずつ教出か東書)、公民は育鵬社5票、自由社1票、となっています。
 秘密投票なので誰がどの社かはわかりません。また過半数の投票結果なので、討議することもなく淡々ときまってしまうわけです。でも、一人だけ、全部自由社に入れた人がいる。また歴史では育鵬、自由以外を書いた人がいる。

 しかし、特別支援の公民だけ「自由社」というのがわかりません。特に特別支援教育にふさわしい教科書内容になっているとか?まさかね。そういう内容の問題もあるけど、事前になんらかの打ち合わせをすることなく、その日自由に各委員が投票してみたところ、(全部育鵬社だというなら、まだしも)特別支援学校の公民分野だけ自由社が多かった、なんていうことがあるんですかねえ。というか、ないよね。事前に、まあ、少し自由社にも分けておきましょうか、みたいなことがない限り、こういう結果になるのかな。と「邪推」するわけです。まあ、都教委らしいと言えばそれまでですが。
コメント
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