尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

やっと外出、映画を見に行く

2014年08月14日 23時22分58秒 | 自分の話&日記
 そろそろ新規の記事を書きたい頃だけど、事情があって帰りが遅くなってしまい、その事情を含めて日記風に書いておきたい。疲れているなとは思っていたけど、こんな真夏に風邪を引いてしまうとは思わなかった。結局、大事を取って3日寝ていた。夏に冷房にやられてのどが痛くなることは今までもあったと思うけど、せき、のど、鼻水、発熱など普通の風邪の症状が(そんなにひどくないけど)一通り出たのはビックリ。歳とったんだなあと思った。

 さて、ようやく今日は外出しようと思う。映画で金曜日で終わるのがあるから、まあ見ておこうと思う。そうしたら、地元駅で電車が完全ストップしていた。完全というのは、上下線とも全く動いていないということである。架線故障というけど、駅の手前で停まっている電車が見えている。あれま、あんなとこで。放送では復旧に1時間以上かかるという話だった。そこで、振替輸送というのを初めて利用した。今まではその駅で待っていたことが多い。その方が早いのである。でも、今回はバスを使えば、いろいろ行き方がある。振替キップというのを貰って、バスで日暮里舎人ライナーというのに初めて乗った。高い所から地元近くを見ていくのも面白かった。

 それで日暮里着。ここで行先を変更しても良かったんだけど、明日も事故があったら見られないかもしれない、と思って予定通り大森へ行った。キネカ大森で名画座二本立てを見るつもりだったので。ところが一回目の上映には間に合わないけど、2回目までには相当余裕があるという時間に大森に着いた。そこで駅の近くで行くところはないかと思い、今まで行ったことがなかった馬込文士村資料展示室に行ってみた。大森駅西口はもう坂の町で、坂を登ると雰囲気がまるで違うので驚いた。駅前の天祖神社に上る坂に、文士村を代表する作家、著述家、画家等のレリーフが出来ている。尾崎士郎、宇野千代を中心に、今話題の村岡花子もいる。

 実は村岡花子が住んだのが大森(東京都大田区)で、家は「赤毛のアン記念館 村岡花子文庫」として残されている。もっと話題になってもいいかと思うと、休館中である。資料を村岡花子展に貸し出してしまっているので。でも、まあ外観は見られるんだろうと思う。今日はどうせカメラは持ってなかったのだが。村岡花子人気を当て込んで、大森駅構内では文士村マップが配布している。それを見れば村岡花子が通った教会なども知ることができる。他の作家の情報も入手できる。いずれまた。

 さて、映画は「ほとりの朔子」と「ニシノユキヒコの恋と冒険」の2本立て。どっちも長すぎと思うが、まあ悪くない。「ニシノユキヒコ」は川上弘美の原作を好きな人には満足できるのではないかと思う。僕はこの作前後から川上弘美さんの本をあまり読んでないのだが、どうもこれは何だという感じの方が強い。僕には尾野真千子しか魅力的に見えないんだけど。
 「ほとりの朔子」は非常に新鮮で、今年の収穫だと思う。公開時にも気になったけど見逃した。浪人生二階堂ふみが、叔母について東京近くの海辺の町へ来る。昔住んでいた家で、今は姉がいるがヨーロッパに旅行に行く。留守番に義妹の娘を連れて、インドネシア語の翻訳の仕事に集中するために来たのである。そこで昔の男友達、その甥っ子の高校生、男友達の娘などなど、だんだん人間関係が判ってくるけど、日常の中に結構ドラマがある。それを二階堂ふみの朔子が感じ取っていく「ある夏の終りの物語」。このさりげなさの中に現代を描く構造が心に残る。「空気感」という言葉は好きではないけど、この映画でかき乱される感情は「画面の空気感」によるところが大きいと思う。非常に面白かったので、機会があれば是非。二階堂ふみがすごくいい。
コメント
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