今週の「週刊文春」が下村博文元文科相が加計学園から200万円の「闇献金」を受けたと報じた。現在、下村氏は自民党東京都連会長だから、都議選中に報道するのは選挙妨害だと反発している。ちょっとこの問題を考えてみたいけれど、どう見ても怪しいと思う。
週刊文春オンラインから引用すると、以下のようになる。
「下村博文元文科相(63)が、加計学園から200万円の違法な献金を受けた疑いがあることがわかった。「週刊文春」が入手した下村事務所の内部文書で判明した。下村事務所が作成した<2013年博友会パーティー入金状況>によると、<9月27日 学校 加計学園 1,000,000>と記載されている。博友会とは、当時、文部科学大臣だった下村氏の後援会であり、この年の10月、大規模な資金集めパーティーを開いていた。また、翌年の<2014年博友会パーティー入金状況>には、10月10日付で<学校 山中一郎 加計学園 1,000,000>と記載されていた。山中氏は当時、加計学園の秘書室長を務めており、政界との窓口となっていた。」
下村氏によれば、2013年と2014年に、山中という加計の秘書室長が100万円ずつ2回を下村氏側に運んでいたことは事実だという。政治資金規正法では、20万円を超えるパーティー券購入は政治資金収支報告書に記載しなくてはいけない。だけど、その時の100万円は、実は11の個人・企業が出したものをまとめて持ってきたもので、そのような領収書を出しているという。だから、違法な措置ではないということらしいんだけど、これはどう考えてもおかしいだろう。
下村氏は、2012年12月26日から2015年10月6日まで、3年近くも文部科学大臣を務めていた。東京五輪・パラリンピック担当などの他、「教育再生担当」などという役目もあった。安倍首相と同じ年齢で、東京11区(板橋区)から当選7回を続けている。自民党内でも右派で知られていて、安倍氏との関係は深い。そういう重要な地位にある下村氏だから、純粋に「政治家下村博文」を支持しようとパーティ券を買う人も、まあそれなりにいないわけでもないだろう。
でも、そういう個人や企業が11集まって、お金がピタリと100万円になったということがあるだろうか。それも2回続けて。誰かが仕切ってお金集めをしない限り、こういうことは起こらない。職場などで義援金や、香典、祝い金などを集めた経験は誰でもあるだろう。それぞれが出す基準が示され、足りない分を上司なんかが多く出してピッタリした金額にそろえる。そういうことが多いんじゃないか。そうすると、政治資金パーティの「あっせん」にあたり、名前の報告が必要だという。
そういう風に加計学園秘書室長が仕切ったのかもしれないけど、さらに言えば多分それも違うだろう。パーティ券そのものはいくらするんだろうか。パーティに出れば、飲食の用意があって出した分の対価はある。でも収支トントンでは開いた意味がないから、ある程度高めに設定される。その上、出席しない人の分を含めて何人かの分をまとめて買う人もいる。そういうことなんだろうと思う。東京新聞(7月1日付)によれば、パーティ券は大体1万円か2万円が多いという話。
そう考えてくると、「1枚2万円のパーティ券を50人分まとめ買いした」と見る方が、むしろ自然ではないだろうか。そのうえで政治資金規正法に引っかからないように、11の個人・企業が出したように領収書を作ってもらうということである。そうじゃないと言うなら、誰がパーティ券を買ったのか明らかにするしかない。支持する政治家を応援しようと「浄財」を出したんだから、個人のプライバシーなどという問題は起こらないはずだ。「疑惑」を一掃したいなら、それしかない。
問題は「学校法人加計学園」は政治資金を出すことができないということである。それは言うまでもなく、国から補助金を受けているからである。政治資金規正法第23条の2に以下の規定がある。「国から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金の交付の決定(中略)を受けた会社その他の法人は、当該給付金の交付の決定の通知を受けた日から同日後一年を経過する日(中略)までの間、政治活動に関する寄附をしてはならない。」
加計学園グループは、姉の加計美也子氏が経営する「順正学園」(吉備国際大学等)と弟の加計孝太郎氏が経営する「加計学園」に分かれている。そのうち加計学園グループを見てみると、岡山理科大学、倉敷芸術科学大学、千葉科学大学などの他、専門学校や附属の中高などがある。(千葉県銚子市にある千葉科学大は2004年に開校し、10周年に際して加計氏が「安倍君を連れて来よう」と言って、アベ君が訪れたというところである。)
それではそれらの大学に、どれほどの補助金が支給されているのだろうか。それは判るだろうかと思ったら、「日本私立学校振興・共済事業団」のホームページに、「私立大学等経常費補助金」が出ていた。その中の「平成28年」「大学」をクリックすると、多い順番に掲載されている。早稲田、東海、慶応、日大、立命館…といった具合で、日大までは80億円以上がつぎ込まれている。
その74番目が「岡山理科大学」で、一般補助、特別補助合わせて約8億円。190位に「千葉科学大学」で、約3億6千万円。266位が「倉敷芸術科学大学」で、約2億6千万円。このように、他の私学と同様に加計学園グループに属する大学も国からの補助金を受けて運営されている。だから、当然のこととして、法人として政治献金を行うことはできない。
そして、もちろん形の上では下村氏のパーティ券購入も、法人ではなく個人が行っているわけである。だけど、それを法人の秘書室長が持ってきている。これは「グレーゾーン」というしかない。大学そのものではなくても、大学の経営陣に属する人物が政治献金のとりまとめをする(したとして)。それは限りなく、税金が政治家に還流するというのに近くないか。
それに、加計学園としては、岡山理科大学に、2016年度から教育学部、2017年度から経営学部、2018年度から獣医学部(予定)と増設中で、ここ数年でどんどん拡大している。教育学部の新設を認可した時の文科相は下村氏である。特に何を頼むという目的ではなくても、文科相を務める有力政治家のパーティには是非とも参加したい立場だっただろう。実際の参加希望者が持ち寄って、端数が出ているというなら別だけど、2回とも100万円キッチリというところに、どうも僕は法に触れるような実態がなかったかと思ってしまうのである。
週刊文春オンラインから引用すると、以下のようになる。
「下村博文元文科相(63)が、加計学園から200万円の違法な献金を受けた疑いがあることがわかった。「週刊文春」が入手した下村事務所の内部文書で判明した。下村事務所が作成した<2013年博友会パーティー入金状況>によると、<9月27日 学校 加計学園 1,000,000>と記載されている。博友会とは、当時、文部科学大臣だった下村氏の後援会であり、この年の10月、大規模な資金集めパーティーを開いていた。また、翌年の<2014年博友会パーティー入金状況>には、10月10日付で<学校 山中一郎 加計学園 1,000,000>と記載されていた。山中氏は当時、加計学園の秘書室長を務めており、政界との窓口となっていた。」
下村氏によれば、2013年と2014年に、山中という加計の秘書室長が100万円ずつ2回を下村氏側に運んでいたことは事実だという。政治資金規正法では、20万円を超えるパーティー券購入は政治資金収支報告書に記載しなくてはいけない。だけど、その時の100万円は、実は11の個人・企業が出したものをまとめて持ってきたもので、そのような領収書を出しているという。だから、違法な措置ではないということらしいんだけど、これはどう考えてもおかしいだろう。
下村氏は、2012年12月26日から2015年10月6日まで、3年近くも文部科学大臣を務めていた。東京五輪・パラリンピック担当などの他、「教育再生担当」などという役目もあった。安倍首相と同じ年齢で、東京11区(板橋区)から当選7回を続けている。自民党内でも右派で知られていて、安倍氏との関係は深い。そういう重要な地位にある下村氏だから、純粋に「政治家下村博文」を支持しようとパーティ券を買う人も、まあそれなりにいないわけでもないだろう。
でも、そういう個人や企業が11集まって、お金がピタリと100万円になったということがあるだろうか。それも2回続けて。誰かが仕切ってお金集めをしない限り、こういうことは起こらない。職場などで義援金や、香典、祝い金などを集めた経験は誰でもあるだろう。それぞれが出す基準が示され、足りない分を上司なんかが多く出してピッタリした金額にそろえる。そういうことが多いんじゃないか。そうすると、政治資金パーティの「あっせん」にあたり、名前の報告が必要だという。
そういう風に加計学園秘書室長が仕切ったのかもしれないけど、さらに言えば多分それも違うだろう。パーティ券そのものはいくらするんだろうか。パーティに出れば、飲食の用意があって出した分の対価はある。でも収支トントンでは開いた意味がないから、ある程度高めに設定される。その上、出席しない人の分を含めて何人かの分をまとめて買う人もいる。そういうことなんだろうと思う。東京新聞(7月1日付)によれば、パーティ券は大体1万円か2万円が多いという話。
そう考えてくると、「1枚2万円のパーティ券を50人分まとめ買いした」と見る方が、むしろ自然ではないだろうか。そのうえで政治資金規正法に引っかからないように、11の個人・企業が出したように領収書を作ってもらうということである。そうじゃないと言うなら、誰がパーティ券を買ったのか明らかにするしかない。支持する政治家を応援しようと「浄財」を出したんだから、個人のプライバシーなどという問題は起こらないはずだ。「疑惑」を一掃したいなら、それしかない。
問題は「学校法人加計学園」は政治資金を出すことができないということである。それは言うまでもなく、国から補助金を受けているからである。政治資金規正法第23条の2に以下の規定がある。「国から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金の交付の決定(中略)を受けた会社その他の法人は、当該給付金の交付の決定の通知を受けた日から同日後一年を経過する日(中略)までの間、政治活動に関する寄附をしてはならない。」
加計学園グループは、姉の加計美也子氏が経営する「順正学園」(吉備国際大学等)と弟の加計孝太郎氏が経営する「加計学園」に分かれている。そのうち加計学園グループを見てみると、岡山理科大学、倉敷芸術科学大学、千葉科学大学などの他、専門学校や附属の中高などがある。(千葉県銚子市にある千葉科学大は2004年に開校し、10周年に際して加計氏が「安倍君を連れて来よう」と言って、アベ君が訪れたというところである。)
それではそれらの大学に、どれほどの補助金が支給されているのだろうか。それは判るだろうかと思ったら、「日本私立学校振興・共済事業団」のホームページに、「私立大学等経常費補助金」が出ていた。その中の「平成28年」「大学」をクリックすると、多い順番に掲載されている。早稲田、東海、慶応、日大、立命館…といった具合で、日大までは80億円以上がつぎ込まれている。
その74番目が「岡山理科大学」で、一般補助、特別補助合わせて約8億円。190位に「千葉科学大学」で、約3億6千万円。266位が「倉敷芸術科学大学」で、約2億6千万円。このように、他の私学と同様に加計学園グループに属する大学も国からの補助金を受けて運営されている。だから、当然のこととして、法人として政治献金を行うことはできない。
そして、もちろん形の上では下村氏のパーティ券購入も、法人ではなく個人が行っているわけである。だけど、それを法人の秘書室長が持ってきている。これは「グレーゾーン」というしかない。大学そのものではなくても、大学の経営陣に属する人物が政治献金のとりまとめをする(したとして)。それは限りなく、税金が政治家に還流するというのに近くないか。
それに、加計学園としては、岡山理科大学に、2016年度から教育学部、2017年度から経営学部、2018年度から獣医学部(予定)と増設中で、ここ数年でどんどん拡大している。教育学部の新設を認可した時の文科相は下村氏である。特に何を頼むという目的ではなくても、文科相を務める有力政治家のパーティには是非とも参加したい立場だっただろう。実際の参加希望者が持ち寄って、端数が出ているというなら別だけど、2回とも100万円キッチリというところに、どうも僕は法に触れるような実態がなかったかと思ってしまうのである。