尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

那須・赤城・奥多摩・丹沢…関東の山々ー日本の山㉓

2020年11月29日 21時02分16秒 |  〃 (日本の山・日本の温泉)
 山を語るとなると、どうしても北海道とか日本アルプスの山を書きたくなる。しかし、それはある程度余裕も出来てから行ったところだ。東京に住んでいるんだから、若い頃は低山ハイクを含めて関東の山々に一番行っている。山小屋泊まりもあるが、日帰りが多い。山の話ももう終わりが近いから、今回は関東の山々をまとめて書いておきたい。

 東京西部の八王子市に高尾山(599m)がある。東京では遠足や家族でよく行く山だ。上野動物園や東京タワーみたいに一度は子連れで行く場所。ケーブルカーもあって、多くの人は高尾山が最初の山になると思う。僕も何度か行ってるが、ムササビ観察会に参加した思い出もある。夜になれば、こんなに飛んでいるのか。最近はミシュランガイドで三つ星になったり、温泉施設も出来たりして人が多いらしい。ある年正月に行ったら、高尾山神社で「君が代」を大音声で流して、「憲法改正署名」を集めていた。それ以来10年以上行っていない。
 
 高尾山は頂上まで行くと、そこで引き上げる人が大部分だ。でも行くならば、景信山陣馬山などへ続く「奥高雄」の縦走の方が面白い。高尾山ばかりが有名になってしまった感じだが、他にも素晴らしい低山は多い。奥多摩の御岳山(みたけさん、929m)や神奈川の大山(おおやま、1252m)などの方が面白いのではないか。また富士見の山として、箱根の金時山とか山梨の石割山なんかへ行った思い出も懐かしい。埼玉県の秩父より近いところを「奥武蔵」と呼ぶが、そこにも素晴らしいハイキングコースがたくさんある。

 もうちょっと遠くになると、泊まりがけになる。栃木県北部の那須山は麓に多くの観光施設があるが、最奥の那須岳周辺には秘湯も多い。僕はある年の秋に珍しく一人で登りに行った。(妻は友人と前に行っていた。)ロープウェーを利用して茶臼岳(1915m)に登って、そこから三斗小屋温泉に泊まるという行程だ。紅葉も素晴らしかったが、それ以上に記憶にあるのは頂上での出来事。ロープウェー頂上駅は9合目で、1時間程度ガレ場を頑張れば頂上だ。いつも噴煙が上がる頂上では多くの中学生が一休みしていた。そろそろ出発しようかと腰を上げたら、周辺の生徒たちも立ちあがって付いてきてしまった。「その人は違うよ」と大声で注意する先生の声が響く。自分はそんなに教員っぽい雰囲気になってしまったのかと愕然とした。
 (紅葉の那須岳と山頂)(那須テレカ)
 群馬県では新潟県境に谷川岳(1963m)や苗場山(2145m)に登った。谷川岳にはロープウェーもあって、登りやすい。群馬県の中心には有名な「上毛三山」がある。赤城榛名(はるな)・妙義だが、妙義山は奇岩怪石を楽しむ山でピーク登山はしない。赤城山(1828m)は山体が大きく、電車や車の窓から見ると圧倒される。国定忠治の籠もった山としても有名だが、最高峰は登りやすい。眼下に大沼を見ながら軽快な登山を楽しめる。その時泊まった忠治温泉もいい宿だった。上毛三山は行きやすいから忘れがちになるが、気持ちのいい山々だ。
 (赤城山、頂上と全容)(赤城テレカ)
 東京埼玉の奥の方、地理でいう「関東山地」を登山では「奥秩父」と呼ぶ。多くの山があるが「東京都最高峰」として有名な雲取山(2017m)にも登った。2007年に廃止された三峯ロープウェイを使って、秩父側から尾根を縦走した。正直言ってあまり覚えてないが、その日に泊まった雲取山荘は良かった。東京都と埼玉県、山梨県の境になっている。日本百名山には埼玉県の両神山(1723m)もある。そこも両神山荘に泊まって登山したがすっかり忘れている。
(雲取山)
 神奈川県では真ん中に「丹沢大山国定公園」がある。大山は手前にあって観光地だが、丹沢山地は奥多摩とならんで、「ハイキング以上」の訓練みたいなところ。でも自宅からは逆方向になるから、あまり行ってない。ある年5月の連休に出かけたら、ものすごい混雑で驚いた。大倉尾根を登って塔ノ岳(1491m)で泊まって、翌日に最高峰の蛭ケ岳(1673m)まで登った(はず)。その後、北海道や東北の山と温泉をいっぱい経験したから、関東の山はあまり覚えてないのだ。
(丹沢山)
 関東でももう一つ、茨城県に筑波山(877m)がある。千メートル以下の百名山は、開聞岳とここだけだ。しかもロープウェイとケーブルカーと二つもあるから、ちゃんと登る人は少ない。歴史と伝説で関東では名が知られていて、僕の小学校の校歌では「東に筑波、西に富士」と歌っていた。標高に差がありすぎるが、距離が違うから昔は同じように見えたのかもしれない。今では富士山は冬に時々見えるが、筑波山は都内から見えることはほぼないだろう。勤務先の校歌が「富士は微笑む 筑波は招く」とあるので、遠足で行ってみてはと提案したことがある。当日雨になってしまったが、常磐道が開通直後で行きやすかった。ここはまた行ってみたい気がする。
(筑波山)
 百名山がないのが千葉県。しかし、鋸山(のこぎりやま)や鹿野山(かのうざん)、清澄山など名低山がある。日蓮聖人南総里見八犬伝などの史跡や伝説も多い。高校の施設が鹿野山にあったし、一時期千葉県に住んでいたのでずいぶん行っている。麻綿原(まめんばら)高原のアジサイなど素晴らしかった。鋸山も面白い。関東には山城の史跡が多く、奥武蔵や房総の低山ハイクはもっと年を取っても最後まで楽しみたいなと思っている。
コメント
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