尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

無所属候補の動向、政党票のゆくえー2024衆院選

2024年10月26日 22時35分25秒 |  〃  (選挙)

 この前『二つの季節しかない村』というトルコ映画を見たが、近年の日本もそんな感じ。10月末だというのに「夏日」になって半袖を着たりしている。それでもやはり「暑からず寒からず」の日々が多くなって、ようやく散歩をしてる。美術館に行くことも多くなった。また、この頃谷崎潤一郎をずっと読んでて、そろそろまとめを書きたいんだけど、やはり衆院選の話。衆院選投開票が明日27日に迫っていて、他の記事を書く気になれない。ただし、政策論や勝敗のゆくえなどは書かない。明日になれば当選者は判明するわけで、今さら予測を検討しても仕方ない。じゃあ、何を書くかというと、まず「無所属議員」の検討。

(「裏金非公認候補)

 今回は与党(自民、公明)が過半数割れするかもと言われている。野党各党の考え方は相当違っているが、政権に入ってない党は全部「野党」。そこで開票速報を見ると、「与党」「野党」を大きなくくりで今当確は何人かと出る。両者のちょうど真ん中に「無所属」というのがあり、小選挙区で勝利する候補も10人強いると見込まれている。それらの人々は一体与党寄りなんだろうか、野党寄りなんだろうか。場合によっては、過半数割れしたはずの自公両党が実は「追加公認」などで増えていたりするのである。

 今回は自民党に「裏金問題」があって、非公認候補が10人いる。ホントは13人だったけど、越智隆雄、菅家一郎、今村洋史各氏が立候補を辞退したので、10人となる。諸情報によれば、確実平沢勝栄(東京17)、優勢西村康稔(兵庫9)、三ツ林裕巳(埼玉13)、線上萩生田光一(東京24)、下村博文(東京11)、苦戦上杉謙太郎(福島3)、中根一幸(埼玉6)、小田原潔(東京21)、細田健一(新潟2)、高木毅(福井2)あたりではないかと思われる。もともと同じ選挙区に有力な立憲民主党候補がいたかどうかが大きな違い。有力議員としては、兵庫の西村康稔は対抗馬が立憲、維新、共産の新人候補で、一歩リードと言われる。

 東京の下村博文は立憲民主党の元議員阿久津幸彦が前回から転区してきて2回目で、大分浸透してきたとされる。他に維新、共産、無所属がいるが両者接戦という情報。阿久津が14年まで立っていたのが東京24区で、2009年には萩生田を比例復活もさせなかった。その最注目の萩生田光一はここ数回楽勝だったが、今回は立憲民主党の有田芳生が立った。他に維新、国民、参政、無所属と候補が乱立しているが、情勢報道では有田がややリードとも言われる。最終盤で萩生田が追い上げたという情報もあり、両者の接戦が続いている。ここは創価大学がある地域で、統一協会報道もあった中、公明党の推薦がないことがどう出るかが注目される。

 ところで、「裏金議員」はもう一人いる。和歌山2区の世耕弘成で、そもそも参議院議員だったから公認問題とは関係ない。裏金で離党勧告となり、党を離れているから誰に遠慮することなく衆院選に立候補した。もともと総理を目指すと公言し、いずれ衆院に出ると思われていた。自民党公認候補は二階伸康で、公認がいるのに立候補するのは「反党行為」だ。しかし、大差で世耕がリードしていると諸報道が一致している。当選してもすぐには「追加公認」が出ない見通しだが、首相指名では自民党総裁に入れるはず。

 一方、与党ではなく「有志の会」という独自の会派で活動してきた議員がいる。元々2009年には民主党から当選して、その後落選、民進党や希望の党などいろいろあって、結局2021年衆院選に無所属で当選した人々である。福島伸享(のぶゆき、茨城1)、北神圭朗(きたがみ・けいろう、京都4)、緒方林太郎(福岡9)、吉良州司(大分1)の4人である。本当はもう一人、仁木博文(徳島1)もいたんだけど、同選挙区で競っていた後藤田正純が知事に転じた後釜として自民党から出ている。いずれも当選が有力。

(左から福島、吉良、北神、緒方)

 それ以外の有力無所属候補が数人いる。北から見ると、中村勇太(茨城7)は中村喜四郎の長男で後継。一応野党系。渡辺真太朗(栃木3)は松下政経塾出身だという。この地区出身だった渡辺美智雄、渡辺喜美と関連があるのかと思ったが、そういう情報は出ていないようだ。飯泉嘉門(徳島2)は元徳島県知事で、自民党山口俊一がいるため公認されなかった。広瀬健(大分2)は広瀬勝貞前知事の次男で、自民党江藤征士郎がいるため公認されずに出ている。三反園訓(鹿児島2)も前知事だが、前回無所出て出て当選した。ここも保岡宏武がいるので公認されない。以上は線上が多いが、数人は当選しそう。追加公認もありうる存在である。

 これだけ書いてるだけで長くなってしまった。各党が比例区合計で何票ぐらい取るかを最後に見ておきたい。自民党は前回衆院選で1991万、前回参院選で1826万を獲得していた。今回は日本保守党の登場などもあり、どこまで減るか注目。公明党は前回衆院選では711万票、参院選では618万票だった。支持母体の創価学会会員の高齢化、池田大作氏の逝去、さらに自民党が公明党に譲る(「比例は公明党」と支持者に呼びかける)余裕がなく、どこまで踏み止まるか注目。

 野党系では立憲民主党は前回衆院選で1149万票あったのだが、前回衆院選では677万票だった。どこまで回復して伸ばすか。「維新」はここ数回は全国で800万票程度獲得していたが、今回はどこまで踏み止まるか。国民民主党は今まで300万票程度だが、これを増やせるか。共産党はここしばらく400万票だったが、前回参院選では362万票まで落ち込んだ。今回小選挙区に多く擁立した影響がどう出るか。議席増が予想されているが、問題は票がどこまで出るかだろう。れいわ新選組は結成以来、200万票台前半しか取っていない。これが今回どこまで伸ばせるかも注目だろう。それらは選挙後にまた総括したいと思う。


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