尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

衆院選、マイナ保険証を争点に!ー各党の公約を見る

2024年10月21日 21時41分08秒 |  〃  (選挙)
 東京新聞(10月20日)1面トップに『健康保険証 廃止する? 衆院選2024』という大きな記事が掲載されていた。僕は今まで何度も「マイナ保険証」反対の記事を書いてきたから、また書くのも気が引けるが、大事なことだと思うから何度でも書いておきたい。僕に言わせれば、この問題は今回の選挙の一大争点であるべきだ。高齢者・障害者や医療・福祉関係者にとっては、自身に大きな影響があるテーマである。それなのに、あまり取り上げられていないのは何故なんだろうか。
(東京新聞の記事)
 テレビニュースの街頭インタビューを見ていたら、争点には「物価対策・景気」と「政治とカネ(裏金問題)」を挙げる人が多かった。また「国会議員が多すぎる」と言う人も多かった。しかし「マイナ保険証一本化(紙の保険証廃止)」を取り上げる人はなかった。これは聞いている場所が影響していると思う。銀座・有楽町・新橋などで聞いているのだ。新橋で聞けば、仕事帰りのサラリーマンが「景気をよくして」という。銀座で聞けば、買い物帰りの女性たちが「物価」「裏金」を語る。

 だけど大病院の待合室で順番を待ってる人社会福祉事務所に生活保護の申請に来ている人障害者施設に通っている当事者などに「選挙の争点」を聞いてみれば、保険証の問題も出てくると思う。もちろん、そんな取材は不可能だ。顔をマスキングし、声は変えたとしても、そういう取材は断られるだろう。プライバシーを恐れる心配のない人だけが「世論」として通用する。

 自民党には高齢議員がかなり存在する。二階俊博氏は引退したが、麻生太郎氏はまだ出ている。80代を超える人はさすがに少ないが、70代は相当多い。別に僕は年齢が高いからどうのという気はない。だけど、マイナンバーカードはどうしているんだろう? マイナ保険証は使ってるんだろうか? 自分でパソコンやスマホを操作して「マイナ保険証」にしたんだろうか。それとも秘書をしている家族がやってくれたのか? 政治家に「マイナ保険証を見せてください」と聞くべきだ。

 僕も若い頃は一年に一度も病院に行かない年が多かった。(ホントは時々歯医者に行く方が良いんだけど。)その頃は「保険証」なんて気にしたことがなかった。勤め先で入ってる保険証が自動的に貰えたから、それで良かった。それを「自分で設定してください」なんてことにしたら、大変なことになるのは火を見るより明らかだ。「マイナンバーカード」にも期限があるし、「保険証」にも期限がある。それ以上に保険料の支払いが滞る人の場合どうなるのか。

 まだ元気な人は何とかなるだろう。でも世の中には、配偶者も子どももいない高齢者がたくさんいる。お金もない人もいる。病気や障害を抱える人もいる。自分でマイナンバーカードを作って、自分でマイナ保険証を設定する。一体何歳までスマホやパソコンを使えないとダメなんだろうか。スマホを持ってるのが前提みたいな社会になってるけど、スマホを持ってない人もたくさんいるって知らないのだろうか? ま、そんなことは今までも書いたと思うが、書いてると段々腹が立ってくるのである。
(各党の公約)
 それはさておき、今回の各党の公約を紹介しておきたい。自民党は総裁選中は見直すようなことを言ってた人もいたが、結局「マイナ一本化」である。公明党も「マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行に向けて、医療機関と連携し、安全かつ着実に運用を図る」。日本維新の会は「マイナンバーの徹底利用」、国民民主党もマイナンバー重視である。

 一方、立憲民主党は「健康保険証の廃止を延期し、一定の条件が整うまで存続」。共産党は「マイナンバーと保険証・運転免許証との一体化の押しつけをやめさせる」、れいわ新選組は「保険証や免許証を現状のまま維持」、社民党も「現行の保険証を残す」。なお参政党は記載なし。日本保守党は現時点で国会議員がいないため出て来ない。まあ改めて見るまでもなく、他の政策と同様な感じで「想定内」というべきか。どの党の公約に共感するかは自由だが、僕はこの各党の公約を投票に生かしたいと思っている。

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