毎日、暑いですね。少しでも涼を感じていただけたらと、
この絵本を選びました。
ほたるホテル カズコ・G・ストーン作 福音館書店
この本は、「やなぎむらのおはなしシリーズ」の2作目で、
やなぎむらは、大きな柳の木の下にある、小さな小さな村です。
住んでいるのは、ばったの「トビハネ」さん、かたつむりの「キララ」さん、
くもの「セカセカ」さん、そしてありのパパ、ママ、ぼうやの「セッセかぞく」。
春のやなぎむらを描いた、1作目の『サラダとまほうのおみせ』では、
お隣にいもむしの「モナック」さんがいて、題名通りのお店をやっていましたが、
魔法を使った後に、「たちあおいむら」へと引越していきました。
夏のやなぎむらでは、なにがあるのだろうと思っていると‥、トビハネさんたちは、
ほたるの「ピッカリ」さんたちと協力してホテルを開くというのです。
すごく素敵な話‥だと思います。
(やなぎむらのおはなしは、この後にも秋、冬と続き、そのどれもが好きなお話ですが、
4冊のうちでどうしても1冊を選ぶということになったら、私はこの
「ほたるホテル」を選びます。)
ストーリーは、ホテルに、招いていないお客が突然現れ、めちゃめちゃに
されそうになりますが、みんなの知恵と力を合わせてそれを乗り切るというものです。
掲載した写真は、最後のページ。ほたるホテルの夜が静かにふけていくところです。
柳の枝がさわさわとなって、ピッカリさんたちの明りが点いたり、消えたり‥。
涼しい風、感じることができたでしょうか?
★色鉛筆で、丁寧に細かく描かれた、虫たちや、草花の絵は、何度見ても
見飽きることがありません。帽子をかぶったり、スカーフを巻いたり、
ゼッケンをつけたりと、どの虫もとてもおしゃれです。
★やなぎむらの四季の後には、「しげみむら」の話があり、さらには、
「しのだけむら」「みずくさむら・みずべむら」へとお話は広がっていきます。
最近の2作は、2002年と2004年の「こどものとも」の7月号として出ています。
順番からいくと、来年の7月号で新作が期待できますが、どうでしょう???
楽しみです。