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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

初めての場所

2005-09-25 13:25:17 | 好きなもの・おでかけ
 夏休みにやり残したことのうちのひとつを、秋晴れの9月23日に、遂げることができ、とてもすっきりした気持ちです。日本民藝館で行われている 特別展『琉球の美』が25日の日曜日で終わってしまうことを知り、ぜひ行きたい、行っておかなきゃと思ったのは まつかぜさんの「まつかぜ日記」を読んだからなのです。  


 美術館に行くのは、とても好きです。でも、今回は美術館へ行くというよりも、もっと軽やかな気持ち‥知らない街の公園へでも出かけていくような気持ちでした。  
 
 門構え、入り口にかけられている簾、瓶の中の睡蓮と奥から時折出て来る小さな金魚、赤い曼珠沙華‥。中に入る前から魅了されました。まつかぜさんの記事で読んで知っていたものの、広い三和土に、脱いだ履物が整然と並び、大谷石でできた上がり口の床と、それから続く磨きこまれた懐かしい木の床、階段。「よろしかったら、お二階からどうぞ」と言われたので、階段をのぼっていくと、藍に、大胆な花模様が染め抜かれた大きな布が額に。近付いて説明を読むと、「ふろしき」だということがわかりました。なんて大きくて、なんていい色なんでしょう。
 二回の奥の部屋は常設でしょうか。李朝の白磁がありました。(焼き物好きの夫は、この部屋が一番よかったと、帰る前にもう一度見にいっていました)  
 廊下に飾られている、何枚かの着物。絣だけの部屋。模様を描いた下絵。見て行くうちに、まつかぜさんが書いていた紅型着物への期待が自分の中で高まっていくのがわかりました。 
 
 一番奥の大展示室に入ると、ぐるりの壁に何点くらいの着物があったでしょうか‥。20着よりは多く、30着よりは少なかったかな。どれも見事な色合いで、近寄って見たり、遠く離れて全体を見渡してはまた至近距離でじっくり見たり、を繰り返しました。  
 
 沖縄へ行ったことがないので、風も空気の匂いも知りません。琉球織物の種類も、歴史も、作る過程も、何一つの知識もありません。ただ、見ていてすごくいいなあと思いました。色、柄、手触り。(もちろん触ってみることはできませんが、きっとしゃりっとしていて涼やかな布地だろうというのがわかります)うまく言えないけど、私は「布」というものが好きなんだ、ということを再確認しました。廊下に飾られていた、額におさめられた布の一部。それさえも、すごくいとおしいような気持ちで眺めました。5枚あった布の額の下に、いい具合に色が抜けた、赤い漆器が置かれているのもよ
かったです。


 
コメント (7)
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