昨日は、代官山ヒルサイドテラスでの、第5回目の
セミナーの日でした。
「生きる知恵ーシャーロット・ゾロトウとともに」です。
私が持っているゾロトウの絵本といえば、ただ1冊、
『いつかはきっと』
それも、知ったのはこのブログを始めてからなので、つい最近です。
私の絵本歴は、折につけ書いているとおり、娘が誕生してから
なので、わずか12年くらい。自分が子どものときに絵本を楽しんだ
記憶がほんとうにわずかだったので、それを埋めるかのごとく、
あるいはのどの渇きを癒そうとするかのように、絵本の楽しさを
娘の成長とともに追ってきました。
そしてブログを始めたことがきっかけとなって、さらに絵本の世界の
幅が広がり、たくさんの絵本作家やその作品を知るようになった
のですが、それにもかかわらず、なぜゾロトウの本は私の近くに
ないのかということを、今回考え、そしてひとつの答えが見つかった
気がしています。
それは、末盛さんが、1972年に書かれた文章のコピーの中にあった
こんなエピソードからなのですが‥
小学校3年の時に、毎朝一緒に登校していた仲良しの子が、
ある日突然、別の子と一緒に登校してしまい、その理由を
たずねてみる勇気もなく、、また自分が悲しそうにしていたら、
親に心配をかけるし、自分だってもっとみじめになるだけだからと、
誰にも気づかれないようにしていたというのです。
そして、今でもきっとそういう子どもはいるだろうが、
今ならその子たちには、ゾロトウがいて、あたたかく話しかけて
くれるでしょう、と結んでいます。
私も、自分が考えていること、特に負のイメージに
つながることは、家族には決して知られまいとしていたので、
その頃の屈折した気持ちが、今でも心の隅に残っていて、
ゾロトウの本に伸ばしかけた手を、ひっこめさせてしまうのかなあ
だから、ゾロトウとは縁遠いのかなあと、思ってしまいました。
何段も階段をとばしちゃったみたいな結論ですが、
ゾロトウの本の魅力は、末盛さんが書かれていたように、
日常のごくありふれた誰にでも覚えのある小さなことに
光を当てて、それを輝くような絵本にしてしまう魔法使い
だと思うです。
この「日常のごくありふれた誰にでも覚えのある小さなこと」
というのがクセモノで(笑)、
今でも、それを思い出すことがなんだかこわいのかもしれません。
本の中に登場するねえさんやいもうとが、あまりにも「近く」って
ぎゅっと心の襞が寄るときに、身構えてしまうからかもしれません。
小さい頃にとても悲しい事件があったわけでも、傷を負ったわけでも
なく、ふつうに、大切に、不自由することなく育ててもらったと、
両親のためにことわっておきますが、それでも、まっすぐに気持ちが
伸びていかなかった思いがあるのは、私自身の感じ方のせいだと
思っています。
娘も12歳になり、もう娘とともにゾロトウの絵本を楽しむことはないかも
しれませんが、でも、いつかは私も、切なさに負けないで、
ゾロトウの本を手にすることができるかもしれないという
予感がしてきています。だって、原因がわかったのですから。
人生に大切なことはすべて絵本から教わった、というこのセミナーは
本当に、いろいろなことを教えてくれました。
10月からは好評につき、パート2が始まるそうです。
その1回目は10月16日(木)で、すでに予約受付中です。
そうそう。
このセミナーのもうひとつの楽しみは、ブログで友達になった方々と
会ってお話ができるということです。
昨日は、こももさん、naoさんと、初めてお目にかかりました。
すごくうれしくって、毎回軽い興奮状態に陥るので、
昨日は、ゾロトウのサインが入っている貴重な本を、見逃して
帰ってきてしまいました。残念です。
昨日はこのあと、もうひとつのお楽しみが待っていました。
つづく‥