15日木曜日は、東京方面はこの冬一番の冷え込みと北風でしたが、
そんなことの気にならない楽しい一日でした。
今年初めてのヒルサイドセミナーで、しかもほぼ定番となった「遠足」のおまけつきだったからです。
「女性の生き方を考えるーねずみ女房を入り口にして」という今回のタイトル。
それならば、ぜひとも「ねずみ女房」を読んでおかなければ、と、初めて予習をしてから出かけました。
『ねずみ女房』は、深いお話でした。
人生のいろんな時期に読み返したい、数少ない本のひとつだと思います。
もう戻ることはできませんが、もし子供時代に読んでいたら、
どんな感想を持ったのだろうなあと思います。
ほかのねずみとどこか変わっているという「ねずみ女房」の、なにが変わっているのか、
その内側までを見ることはきっとできなかったでしょう。
思春期に読んでいたら‥結婚する前に読んでいたら‥母になる前に読んでいたら‥?
その時々の自分を想像しながら、どんなことを思ったのだろうなあとしばし思いを馳せました。
初めて読んだ、「今の私」は、とてもねずみ女房の気持ちがよくわかり‥
最初の方の、こんな箇所から、胸がどきんとしたのでした。
「これいじょう、何がほしいというんだな?」とおすねずみは聞きました。
めずねずみには、何がほしいのかわかりませんでした。でも、まだ、いまもっていない、
何かが、ほしかったのです。
さて、セミナーです。
この『ねずみ女房』にポイントをおいて、いろんな女性の生き方や
その本や、作品をご紹介くださいました。
・グランマ・モーゼス ‥ 『グランマ・モーゼスの贈り物』
・ヘレン・ブラッドレイ ‥ 『ミスカーターはいつもピンクの服』
・バーバラ・クーニー ‥ 『エマおばあちゃん』
・山本容子 ‥ 『おこちゃん』
・ベトリックス・ポーター ‥ スケッチブック
・アン・モロウ・リンドバーグ ‥ 『海からの贈り物』
・イーディス・ホールデン ‥ 『The Country of an Edwardian Lady』
・ガートルード・ジャキル
・Gwen Rayerat ‥ 『Period piece』
・タシャ・チューダー
・ジョージア・オキーフ
・児島なおみ ‥ 『聖マクダレナ・ソフィア・バラ』
・マーガレット・K・マッケルデリー
・イエラ・レップマン
・甲斐仁代(かいひとよ)
最初のお二方は、画家で、グランマ・モーゼスは58歳から、
ブラッドレイは70歳から絵を描き始めたのだそうです。
(私は、丸木スマさんのことを、ちょっと思い出していました。)
クーニーの描いた、エマおばあちゃんも、おんなじですね。
『おこちゃん』は、山本容子さんの自伝的な絵本。一番好きな絵本かも、と
末盛さんはおっしゃっていました。
『海からの~』を書いたのは、あの有名なリンドバーグの奥さまだそうです。
とても読みやすい英語で、とか、英語の文章ってこんなふうに書けばいいのねと
思いながら読んでいた、と何度も末盛さんがおっしゃるので、日本語で読んだら
英語版に挑戦したいなあなどど、無謀なことを思いながら聞いていました。
タシャ・チューダーのところでは、以前にお宅に泊まったときのお話をしてくださいました。
「ジョージア・オキーフは、ねずみ女房ではないかもしれませんが‥」という一言が、
オキーフを語っていると思いました。
イエラ・レップマンについては、ことり文庫さんのブログにとてもいい文章が載っています。
ぜひそちらを読んでください。 →☆
マーガレット・K・マッケルデリーさんは、名編集者で、同じ年に自分が担当した二人の作家が
カルデコット賞とニューベリー賞を受けたことがあったそうです。
『どうぶつたち』をアメリカで出版した方だと思います。
『海と島のマイリ』という絵本の日本語版はすえもりブックスから出ています。
最後の甲斐仁代さんは画家で、死後にアトリエに2000点もの作品が
残されていたそうです。
彼女もまた「ねずみ女房」だったということでしょうか‥
吉屋信子さんと同時代の方で、その記念館に甲斐さんの作品もあると
こちらのブログに書いてありました。
自分自身の覚書として、駆け足で、思いつくままに書いてしまいました。
読んでみたい絵本や本、またたくさんできました。
読みたい本がなくならないというのは、ほんとうにしあわせです。
そして、セミナーのたびに会うことがあたりまえのようになった(笑)
よき友人たちの「毎日」こそが、すごく身近にある「女性の生き方」だなあ、なんて
思ったりしながら、ねずみ女房連作っちゃう?なんて、ニヤニヤしています。
※運よく、ランチのキャンセル待ちに当選?して、ちゃんと写真も撮りましたが、
画像と説明は、はらぺこさん、琴子さんが載せてくださったので‥これで失礼いたします・笑