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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

16歳とおとこのこ

2009-08-12 15:53:01 | 好きな本
この本で泣くことはないでしょ、と思っていたのに、最後の最後で、
涙がつっーと出てしまいました。

群青の空に薄荷の匂いー焼き菓子の後に
    石井睦美 作


卵と小麦粉とそれからマドレーヌ』の3年後を描いた、文庫書き下ろしです。

前作では中学1年だった菜穂と、親友の亜矢が、高校1年生になっていて、
今度は、亜矢が主人公。

亜矢は、本がとっても好きで、散歩も好きで、数学が苦手で、英語部に入っていて‥
お父さんとお母さんは離婚していて、お母さんはとても丁寧に掃除をする人で‥
だから今度はどこも、うちのrと似ているところはありません・笑。


16歳の亜矢は、すごくあたりまえだけど、12歳だった亜矢や13歳だった
亜矢や、もっとむかしの幼児だった亜矢の積み重ねでできているわけで、
ある日突然16歳になったわけではないことが、よーくわかるなあという感想を持ちました。
(へんな言い方ですけど)

お話の後半で、亜矢は、小学校のときに転校していった男の子と再会し、
初デートを経験するのですが、そのときの気持ちの揺れや葛藤が、なんとも
淡くせつなく懐かしく‥こんなんだったっけ?と憧れて(?)しまいます。

そして、そのへんの恋心だけの話だったら、たぶん涙は
つっーと流れなかったと思うのですが、亜矢の、母への気持ちの変化というか、
やさしさが、どっちの気持ち(16歳の亜矢と40代の母親の)もわかるようになった分、
染みてしまった感じです。


いまどきのリアルな高校生とは別物の、おはなしの中だけの爽やかさ
なのかもしれませんが、でもいいじゃん、基本形はみんなだいたい同じだよ、と
遠い昔のことを思い出して、遠い昔高校生だった私は思うのでした。




※明日から18日まで三重県に行ってきます。
 このブログはお休みしますが、こちらの方は、携帯電話から投稿できるため
更新しようかなあと思っています。よかったら見てみてください♪



コメント (2)
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