今日も気持ちのよい青空が広がっています。
外で、時折落ちてくる葉を感じながら、本が読みたいなあと思います。
夜、寝る前の読書がいっこうにはかどらず、何かよくない方向へ
自分が向かっているような(情熱の欠如ですね)。
何かよくないものが、自分へじわじわ染み込んでくるような(要するに怠惰です)。
そんな風に思っていたこの頃でしたが、先週木曜日の朝日新聞の
夕刊に、詩人の長田弘さんの文章が載っていました。
悦ばしい読書 自分の時間で読み継ぐ というタイトルです。
お読みになった方も、大勢いらっしゃるでしょうが、とてもとてもよいことが
書いてあったので、残しておきたいと思いました。
読書というのは、本を全部読み切ることではない、と冒頭で長田さんは書いてます。
じゃあ、どうするのが「読書」なんでしょう?
読みとおすのでなく、読みさす。読み切るのでなく、読み余す。
読みぬくのでなく、読み継ぐ。読み解くのでなく、読みとどめる。
そうして、開いたまま本を伏せて、あるいは閉じて積んで、
自分の日々の時間のかたわらに置く。
こうやって、「読みさしを繰り返すうちに、いつか気づくこともなく、その本の
言葉が自分のなかに畳まれていて、一度も通読した覚えがないのに、
いつのまにか全体を読んでいる」ことになり、「中断を楽しむことのできる本は
間違いなくいい本だということだった。」
そして、
読書というのは、本を読むというだけのことではないのだ。
本を自分の日々のなかに置いて、自分にとって必要な本の
置き場所をつくる、そういう日々のあり方をすすんでもちこたえてゆく
というのが読書なのだ。
文書は、最後に、黒田清輝の描いた『読書』という絵の、村娘の瞳の輝きに言及し、
この言葉で結ばれています。
文字を見つめることは、こんなにも人の眼差しを透明に、無私なものに
するものなのかというおどろきだ。
きらきらする秋の陽射しが、そのまま胸の中に飛び込んできてしまった
みたいに、読み返すと、高くなった気持ちが淵から飛び出しそうです。
自分の日々の時間のかたわらに(本を)置く
いいことばですよね。
本がある毎日のしあわせに感謝しながら、また、読書欲を取り戻せそうです。
* * *
今借りている本を読み終えたら、次は長田さんの本を読もうと、検索していたら、
知らなかった絵本を2冊見つけました。
『なぜ戦争はよくないか』
アリス・ウォーカー文 ステファーノ・ヴィタール絵 長田弘 訳
文章を書いたアリス・ウォーカーは、『カラーパープル』を書いた人
彼女の文が絵本になっていることにちょっと驚きました。
『ちいさなこまいぬ』 キム シオン作 長田弘 訳
中国の作家による絵本のようです。
こちらは、長田弘さんのエッセイです。
「風景のひろがりのなかで、そこからしか見えないアメリカを問う、極上のロード・エッセー」と
紹介されていました。次に読むのはこの本に決めました。
『アメリカの61の風景』
外で、時折落ちてくる葉を感じながら、本が読みたいなあと思います。
夜、寝る前の読書がいっこうにはかどらず、何かよくない方向へ
自分が向かっているような(情熱の欠如ですね)。
何かよくないものが、自分へじわじわ染み込んでくるような(要するに怠惰です)。
そんな風に思っていたこの頃でしたが、先週木曜日の朝日新聞の
夕刊に、詩人の長田弘さんの文章が載っていました。
悦ばしい読書 自分の時間で読み継ぐ というタイトルです。
お読みになった方も、大勢いらっしゃるでしょうが、とてもとてもよいことが
書いてあったので、残しておきたいと思いました。
読書というのは、本を全部読み切ることではない、と冒頭で長田さんは書いてます。
じゃあ、どうするのが「読書」なんでしょう?
読みとおすのでなく、読みさす。読み切るのでなく、読み余す。
読みぬくのでなく、読み継ぐ。読み解くのでなく、読みとどめる。
そうして、開いたまま本を伏せて、あるいは閉じて積んで、
自分の日々の時間のかたわらに置く。
こうやって、「読みさしを繰り返すうちに、いつか気づくこともなく、その本の
言葉が自分のなかに畳まれていて、一度も通読した覚えがないのに、
いつのまにか全体を読んでいる」ことになり、「中断を楽しむことのできる本は
間違いなくいい本だということだった。」
そして、
読書というのは、本を読むというだけのことではないのだ。
本を自分の日々のなかに置いて、自分にとって必要な本の
置き場所をつくる、そういう日々のあり方をすすんでもちこたえてゆく
というのが読書なのだ。
文書は、最後に、黒田清輝の描いた『読書』という絵の、村娘の瞳の輝きに言及し、
この言葉で結ばれています。
文字を見つめることは、こんなにも人の眼差しを透明に、無私なものに
するものなのかというおどろきだ。
きらきらする秋の陽射しが、そのまま胸の中に飛び込んできてしまった
みたいに、読み返すと、高くなった気持ちが淵から飛び出しそうです。
自分の日々の時間のかたわらに(本を)置く
いいことばですよね。
本がある毎日のしあわせに感謝しながら、また、読書欲を取り戻せそうです。
* * *
今借りている本を読み終えたら、次は長田さんの本を読もうと、検索していたら、
知らなかった絵本を2冊見つけました。
『なぜ戦争はよくないか』
アリス・ウォーカー文 ステファーノ・ヴィタール絵 長田弘 訳
文章を書いたアリス・ウォーカーは、『カラーパープル』を書いた人
彼女の文が絵本になっていることにちょっと驚きました。
『ちいさなこまいぬ』 キム シオン作 長田弘 訳
中国の作家による絵本のようです。
こちらは、長田弘さんのエッセイです。
「風景のひろがりのなかで、そこからしか見えないアメリカを問う、極上のロード・エッセー」と
紹介されていました。次に読むのはこの本に決めました。
『アメリカの61の風景』