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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

シンポジウム@ヒルサイドプラザ

2010-03-29 16:04:24 | 好きなもの・講座やワークショップ

3月27日(土曜)、1年ぶりに代官山へ行きました。

一昨年の4月から、昨年の3月まで、計10回にわたって行われた
末盛千枝子さんのセミナーシリーズが、一冊の本となって出版されることになり、
その刊行記念シンポジウムがあったのです。
本の題名は『人生に大切なことはすべて絵本から教わった』。

安野光雅さん、松浦弥太郎さんという豪華ゲストを交え、第1部はシンポジウム
(セミナーでお馴染みの前田さんが進行役となって、和やかなお話‥といった感じ)
その後の第2部は、ヒルサイドバンケットへ会場を移して、レセプションが行われました。
(2部へは参加しなかったので、内容はわかりませんが、華やかな雰囲気の会場が
ガラス越しにちらりと見えました)

安野さんは、ご紹介のあとに、すぐに『即興詩人』の話をされて、それが、以前の
セミナーの思い出に繋がっていき、まるで、昔授業を受けたことがある先生の
お話を、再び聴く機会に恵まれたような懐かしさがありました。
(お話になるときに、マイクのスイッチを度々入れ忘れ、お隣の松浦さんが
そのたびに、お教えしているところもなんだかとても微笑ましくて‥
何度も、隣の席のと顔を合わせて笑ってしまって‥そんなこともさらに、学生時代の
思い出を一緒に振り返っているみたいで、楽しかったです)

松浦さんは‥というか、松浦さんが壇上に現れたとき、手に籠バッグを持って
いるかどうかがとても気になっていたのですが、登場のときは手ぶらで、
1部終了のときも、またまたチェックしていたのですが、私が見たときは、コートと
手帳を持っているだけでした。
‥一体何を見てるの?って感じですが、松浦さんがどこへ行くのにも必ず
持って行くと決めている「籠」があると、エッセイで読んでから
その実物にとても関心があるのです・笑。
(その籠は、たしか、お母様が持っていた籠ととてもよく似ていて、松浦さんは、
一目みて購入を決めたそうなんです)

松浦さんとお母様のエピソードは、シンポジウムの中でも、末盛さんが、
「好きなはなし」として取り上げていました。
ニューヨークのホテルまで、お餅とトースターを持ってきてくれた話です‥
(『場所はいつも旅先だった』の中に書かれているようです。)

そして、松浦さんといえば、エジプトのアレキサンドリア図書館の話です。
セミナーの時に初めて聞いて、へえーと思いましたが、今、花椿にその話を
連載しているとのことです。
図書館のことが、知りたくて知りたくて、色々手を尽くしたけれど、資料が
ほとんど見つからなくて‥こんなに知りたくても知ることが叶わないのなら、
自分で(自分の想像で)話を書いてもいいのではないかと、松浦さん、思ったそうなんです。
すごいですよね。この意気込みというか、思い入れ。
いつの日か、1冊の本になった「アレキサンドリア図書館ものがたり」が
読めるかもしれません。

そうそう、楽しみな本といえば、安野光雅さんは、ついに『即興詩人』の口語訳を
手がけられているそうです。
森鴎外の作品が教科書に載らないと、その名前を知らない人が増えてきていて
即興詩人』も、文語体が難しいので、読まれなくなってきている→そんなことではいけない
→口語体なら読んでくれるのではと思い、今やってるんだけどねって感じで
お話になられていました。

どこまで進行中のお話かはわかりませんが、安野さんの『即興詩人』への
思いはほんとに深いのだなあと、感じました。そしていつか必ず読もうと
心に決めました。



  * * * * *



  『人生に大切なことはすべて絵本から教わった


会場で本を受け取ってすぐに手に取ってみました。末盛さんがセミナーで
紹介してくださった本や、絵本や写真集などが、写真入りできちんと載っていて、
初めてこの本を手にした方にも、とてもわかりやすい構成になっていると思いました。
セミナー参加者だった私は、忘れていたことを思い出させてもらえるえ有難い
テキストをいただいたような気持ちにもなりましたし、同じ時間を共に過ごさせて
いただいた記念のアルバムを手にしたような、ちょっと誇らしいような気持ちも
感じました。

冒頭に末盛さんご家族の写真が載っているのですが‥そこがなんともよくて
電車の中で涙がこぼれそうになったので、読むのをやめました。

本文の方も、なんだかもったいなくて、すぐには読み進められそうもありません。
でもパラパラめくってみていたら、私のすごく好きな‥だんなさんがワシントン大行進
参加していたことを知ってから、すこし嫌なことがあっても、この人はあの場に
居た人なんだからと思うと許せるような気持ちになる‥っていう話もちゃんと載ってました・笑。




本は美しいもの。
悲しみのひとはけ。

ともに、ゴフスタインの回に語られていることです。

ゴフスタインの本がなぜ私たちの心を打つのかーそれは、どこかに
悲しみの影があるというか、悲しみのひとはけが塗られているからだと思うのです。
芸術に不可欠なのは、悲しみの味があるかどうかだと思います。

それぞれの人の生も、みな悲しみのひとはけが塗られていて、それをどんな
色として表していくのかが(あるいは、表さないで通すのか)その人を魅力的に
見せるのかなあと思います。


* * * * *



〇4月から梅ヶ丘のことり文庫さんでは、すえもりブックス全点フェアが開かれるそうです。
 詳しくは、ことり文庫のサイトへ。

〇こちらで、過去のセミナーシリーズがどんな内容だったか知ることができます。 →  
 
〇セミナーへ私が参加した時の過去記事は↓にあります。

  part1  2008年                    part2 2008年~2009年
 1回目 4 月17日                1回目 10 月16日
 2回目 5 月15日        2回目 12 月4日
 3回目 6 月14日        3回目 1 月15日
 4回目 7 月8日         4回目   2月12日
 5回目   9月4日         5回目 3 月19日




コメント (4)
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