公開前に、新聞で知ってから、なんとなくいいかもと思っていましたが、
昨年末に、hinataさんご夫妻が観に行った話を、こちらのブログで読み、
それならば、ぜひ行かなくては、と気合が入り直した(笑)、映画です。
このお二人が、主役の、ドロシーさん(左側)とハーブさん(右側)。
それぞれ図書館司書、郵便局員として働きながら、
ドロシーさんのお給料で生活をし、ハーブさんので、好きなアート作品を
買うという選択をします。
その結果、アパートメントの部屋に集まった作品は、4000点以上!!
映画はそんなお二人の若い頃と今の様子をいったききたりしながら、
二人に作品を「選ばれた」、アーティストのインタビューを要所に挟んだ、
ドキュメンタリーです。
わざわざ映画館へ出かけていかなくても、上に書いたようなことは
解説を読めば十分わかるので、私も最初は、そうなんだ、夫婦で、
そういう選択もあるよね、くらいに思っていました。
コレクションが好きな人たち、というふうに思っていたのです。
けれど、二人には元々アートの素地があり(それぞれに絵を描いていた
時期がありました)、描くことをやめた後も、時間をやり繰りし、本腰を入れた
勉強もしていました。
その結果、誰かに薦められたり、言われるがままに作品を選ぶことなく
二人で観て、二人が気に行った作品だけを、手元におくということができたのです。
そして、二人は、アーティスト本人と会って、話して、作品に対する思いを聴いて‥
という行為をとても楽しんでいると思いました。作品を「買う」ということを前提に
アーティストと付き合っていくことが本当に楽しいのでしょう。
マンハッタンに住んでいる、ということも、二人の生活にとって、なくてはならない
ことだったと思います。
マンハッタンに居るからこそ、アートの膨大なコレクションができたのだ、と
いうこともできるし、アートが本当に好きだからこそ、二人は、マンハッタンに
住み続けている、という言い方をしてもいいかなあと、私は思います。
ドロシーが、自分の生まれ故郷のニューヨーク校外の町のことをこう言うのです。
「生まれ育つにはいい場所だわ、そして、終わりをむかえるのにも。
けれど、途中がね‥」と。
マンハッタンが好きな人には、心から納得できる発言です(笑)。
年をとっても(とってからこそ!?)マンハッタンは、本当に住みやすい場所で‥
どこへ行くのも(買い物やシアターや美術館などなど)タクシーに乗ってもすぐだし、
(自分で車を運転しなくていいんです)
大きなパーク、小さなパーク、色々揃っているし‥。
私はマンハッタンが大好きなので、つい、そこに力を入れた見方をしてしまうのですが
映画の終わり方も、とても好きでした。(観ていない方のために書きませんが)
なんとそこで、涙が流れてきたんですよー。観た方はえっ、あの場面のどこで???と
お思いになるでしょうね。
ハーブ&ドロシー @渋谷イメージフォーラム