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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

口ふたつ

2011-09-13 16:17:31 | 好きな絵本

久しぶりに「こどものとも年少版」を買いました。

10月号の『ちんころりん』 高知の昔話

 中脇初枝 再話  ささめやゆき 絵


ささめやファンなので、ささめやさんの新しい絵本にはすぐ反応します・笑。


むかしむかし あるところに おばあさんと
おじいさんが くらしていました

おじいさんは やまへ しばかりに
おばあさんは かわへ せんたくに いきました 

定番中の定番フレーズでお話は始まり、おばあさんが川であるものを
見つけるところまでおんなじです。

が、みつけたものは「もも」ではなくて、表紙に描かれている「きんのひつ」
中から出てきたのは、めが ひとつ くちが ふたつの おばけ です。

このおばけ。
とってきれいな声の持ち主で、自分の要求を歌にして伝えます。

こっから おりたい ちんころりん
こっから おりたい ちんころりん


おばあさんが降ろしてあげると、次には下駄をはきたがります。
下駄をはけばはいたで、今度はクワを持ちたいというし‥

声に出して読みながら、誰かに似ているなあーと心の中でにやにやしていたら、
そばに居たrが、「これってまるでうちじゃん」って。

さすが、15歳にもなると、ただつっこみいれるだけじゃなく、わがままおばけが
小さな子どもによく似てるってことがわかるのだなあと、笑いながらもちょっと感心
したりして・笑。


その後、rが絵本を覘き込んできて、それにしても、なんのために
口がふたつあるんだろうね、このおばけ。という話になり‥
そうだよね、無駄だよね、と言いあいましたが、今朝になって、私にはそのわけが
はっきりわかりました。

食事中もひっきりなしにしゃべろうとするrを見ていて、
そうか、口がふたつあれば、ひとつはご飯用で、ひとつはおしゃべり用に
できるんだ、と、気が着いたのです。
(おまけに目がひとつしかないので、ひとつの物事を見るのに精一杯な
ところも、やっぱり小さな子どもと同じですよね)


***


この絵本、小学校の読み聞かせが始まったら読もうかなと思っていたのですが、
rのつっこみ具合を聞いていたら、不向きかも、と思えてきました。
途中はおもしろいのに、結末があっけないというか、すぐに最終頁に着いて
しまって「もうおわりかよ」って感じがするんですって。

ま、4歳くらいまでの子どもを対象にしているお話だから、しかたないのですが、
いつか別の「年少版」を低学年のクラスで読んだときも、えーもう終わりなの?って
声が聞こえたことがあったのは、そういうわけだったのだなとわかりました。


もう1冊、『やぎのアシラーヌどこいった?』という、10月号の「こどものとも」も
買いました。こちらは、読み聞かせに向いていると思うので、さっそく10月から
どこかのクラスで読んでみようと思っています。




 


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2 コメント

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子供の行動を心得た作品ですね (裕真)
2012-06-07 23:10:23
同じ中脇さんでも、新作のテーマは虐待。
ただ、解決しない。
でも、日々が過ぎてゆく・・・。
不思議ですが、心構えが無くても、意外に読める作品でした。

作者の中脇さんの過去の作品が気になって、ネットで
調べてみました。
そうしたら、↓のサイトを見つけてしまって、とても
詳しく中脇さんを解説してあります。
http://www.birthday-energy.co.jp/
こちらも結構興味深く読んでしまいました。

絵本も手がけてらっしゃるんですね~。
中脇さん、不思議な方・・・。
返信する
裕真さんへ (ruca)
2012-06-08 18:51:27
こんばんは、はじめまして。
コメントありがとうございます。

私は中脇初枝さんの絵本しか知らなくて。
リンク先や、他のサイトで、著作を見てきました。
新作もとても興味深いです。
教えてくださってありがとうございました。
返信する

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