9月23日祭日に世田谷文学館に和田誠展を観に行きました。
友からのお誘いがあった後に、琴子さんのブログでの紹介があったので、
予備知識も増えて、とても楽しい時間を過ごすことができました。
1年くらい前に、たばこと塩の博物館で行われた展を観ているので
今回はいいかな、という気持ちも実はあったのですが、そんな気持ちは
あっさり捨てておいてよかったです。
展覧会のタイトルは「書物と映画」。
どちらも興味深い展示内容で‥書物の方は、装丁を手がけているたくさんの
作家の中から、縁の深い方4名がフューチャーされていました。
丸谷才一・井上ひさし・村上春樹・谷川俊太郎
もちろん、春樹ファンですから、村上春樹コーナーは食い入るように見ましたよ・笑。
カーヴァーの箱入りの全集があって、それはほんとうにステキな装丁で‥
今ならまだ買うことができるかもしれないけど、もう少ししたら、手にはいらなく
なるんだろうなーと、今回もまた思い、どうしようかとドキドキしました。
このシリーズです。
全部で8巻あると思うのですが、私はそのうちの2冊しか持っていないのです。
今は、同じ(ような)内容で、村上春樹翻訳ライブラリーという、もうすこしお手頃な
値段のものがあるので、とても悩みます。(しかもほとんどはすでに借りて読んで
しまったので‥)このライブラリーシリーズは絵ではなく写真なのですが、この
写真も和田誠さんによる撮影だった!と初めて知りました。
谷川さんとのコンビの絵本では、よいものがたくさんありますよね。
今回初めて原画を見て、なるほどなあと思ったのが『もりのくまとテディベア』去年の秋に出た新しい絵本です。
森に住む熊と、お人形のテディベアとの違いを「いのち」という観点から
みている、なかなか思索に満ちた内容なんですが‥
森に住んでいる熊のシーンは、すべて和田さんの手描きで、
テディベアのページは、デザインの仕事‥色を自分で塗るのではなく
色番号で指定していくやり方‥なのです。
なんか、とっても生意気ですが、和田誠さんのお仕事が集約されている
絵本かも、と思ってしまいました。
書物と映画の、映画の方‥。
シナリオや、絵コンテやたくさんの書き込みがされた台本など
興味深いものがたくさんありました。
なかでも、「麻雀放浪記」のときの、初心表明のような、原稿用紙に書かれた
文章に打たれました。
何かを作ろうと思うとき、それが、自分ひとりではなく、多くの人の協力のもとに
成り立つものづくりのときは、自分の考えをわかりやすく伝える、わかってもらう
という作業はとても大切だと、あらためて感じ入りました。
展示の最終コーナーは、和田誠事務所の書斎を再現したものだと読んでいたので
とても楽しみにしていました。
あーこんな本が、
あーこういう画集や写真集も、とじっくり眺めさせていただきました。
次回の、世田谷文学館は、萩原朔太郎展です。
サクタロウといえば、「月に吠える」ですよね?
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