2月に東京国立近代美術館工芸館へ行ったときに、次の
東京国立近代美術館の展示が「ピーター・ドイグ」という画家で
日本ではお初の方だと知りました。
飾ってあったポスターの絵はたしかこの絵。
美しく幻想的な絵を観てみたい気持ちと、自分より少しだけ年上の画家の作品って新鮮な
気がして(笑)、前売りペアチケットを購入し、会期を楽しみに待っていました。
一時は外出自粛期間に会期が終了してしまうのでは?と諦めていましたが、その後
会期も10月まで延長され、「新しい日常習慣」のもと、無事昨日観ることができました。
一日早く観に行った娘情報で、館内の作品は撮影自由だと知り、↑の画像も
館内で撮影したものです。
そして、娘曰く(3つに分かれている展示の中で)最初のところが一番よかった。
なるほど~と、行ってすぐにわかりました。
「第1章 森の奥へ1986年~2002年」では、ポスターになった↑のような
幻想的だったり、抒情的だったり、あるいは色使いがとても美しい作品ばかりなのです。
たとえば、「天の川」
「ブロッター」
中でも私のお気に入りは、この2枚と‥その下の三分割されたような絵。
どの絵もとても大きいのです。2メートル×3メートルとか。
なので、少し離れたところから観ていると、美しいだけではなく、分割されている
構成がとても不思議な感じで見えてきて‥。
解説にもありましたが、水面に写っているのならば、そっくり同じ風景が水面に
写し取られているはずなのに、それは微妙に違っていて。
合わせ鏡の中に別のものが写っているような怖さがあり、そのちょっと怖いところが
違和感となり、怖いけど見たい、というような気持ちに繋がっていくのかなと
思いました。
「スキージャケット」
この作品の解説でも、真ん中であえてキャンバスを繋ぐことで、合わせ鏡のような
効果を生んでいると‥そうやって観ると別のセカイが同時進行しているようで
怖くて不思議な気持ちになります。(元のモチーフはニセコの広告だったようですが)
「第2章 海辺で2002年~」
ロンドンからトリニダード・トバコへ、活動の拠点を移してからの作品です。
いいなあと思ったのは、こちらの絵かな。
「ポート・オブ・スペインの雨(ホワイトオーク)」というタイトルです。
色使いは明るくてきれいだけど、壁があまりにもきっぱりしているのに、描かれている
人は影のような、幽霊のような感じで、かなり不穏ですよね。黄色い壁によって
分断されているこちら側とあちら側のようにも見えるし、ライオンが自由に歩き回って
いることが人間の不自由さを強調しているようにも見えますね。
とても興味深かったのは、カヌーのモチーフがこのエリアの絵の中にもあり‥。
こんな大きく描かれているものから、言われなければわからない程、
小さなものまで。
(カヌーのモチーフのもとは、映画13日の金曜日のシーンからだそうです。
が、私は映画を知らないのでそうなんだーと思うのみ)
1枚の絵の中の構成として観るのではなく、カヌーに主体を置いて観ると
あらゆる画面の中に、「カヌーが入りこんでいる」ようにも見え、もはや
画面は自由に行き来するカヌーの「舞台」とも言えるのではないかーと
最後の方に書かれていたのがとても面白いと思いました。なるほどねー。
そうなると、今後「灯台」も気が付くとあらゆる絵の中に?!となるかも
しれず、それを新たに発見していくという楽しみ方もできるかもしれません。
「第3章 スタジオの中でーコミュニティとしてのスタジオフィルムクラブ2003年~」
タイトル通りのクラブを画家は主催していて、今日はこの映画ですよ、と
知らせるためのポスターがたくさんありました。
たとえば気狂いピエロとか、
ストレンジャーザンパラダイスとか。
会期は10月11日まで。公式サイトには3DVR画像があって、
ぐいーんと近づいて絵を観ることもできます。
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