2月に読み終わった本は4冊でした。
『首折り男~』は1月の終り頃図書館で見つけて、
なんとなく借りた本で‥読み終わったのは2月の初め頃。
まだ2か月も経ってないのに、だいぶ前のことのように
思えます。
特に繋がっているわけでもない、7つの短編が
おさめられていて‥最初に掲載された雑誌もばらばらで
書き終ろし作品もなし。
「首折り男」がキーワードだが、ほんとにゆるくゆるく
繋がっているだけで、読み終わったあとも、いつもの
ような、あーそういうことだったのか!の、カタルシスは
少な目でした。でも、合コン会場のレストランにも
首折り男は出没していたし、クワガタの飼育箱を操作する
夜中の作家の「手」のような、「神さまのいたずら」?
あるいは「神さまのたわむれ」?のような出来事がちらほら
起こり、たしかに人生ってそんなものかも、と思い
楽しい気持ちにもなりました。おなじみの黒澤が随所に
現れるのもおもしろかった。
ずっと前から図書館に予約していてやっと順番が
まわってきた本。
表紙のイラストと、タイトルの付け方で、だいぶ
部数を伸ばしたのでは?と思いました。
ワインの仕事で、30年近くイタリアへ通っている
作者の実感を、うまくまとめたエッセイのような
読み物で、前半のビジネスの部分が私にはおもしろく
読めました(後半は食卓のマナーとか家族の場面とか
想像が付きやすかったので)。
そして作者の言いたかったことは、すべて「はじめに」
に要約されていたような。時間配分のこととか、分業の
こととか、譲れないなーと思った点もあったけど、今を
楽しむ型の人生を忘れてはならない、という点で見習い
たいと思った箇所を。
不測の事態はおこりうるのだから、解決策を見出すことに
全力を尽くすほうがよほど大切。そしてそうなったときも
あきらめずになんとかする能力がイタリア人にはある。
なぜならこどもの頃からそういう場面に慣れていて
対応力が高い‥
どんな状況でもしぶとく愉しみを見つける。
好き嫌い、美しいか醜いかで物事を判断する(実用性より
美しさ、直観をはたらかせる)。
地図なしで人生を進む勘を持つ。
時々、よしもとばななさんの本が読みたくなって。
薄いし、簡単に読めるだろうと、図書館の棚で見つけて
借りてみました。
見知らぬ人からのメールに、返事を書くことを仕事
(ボランティア)としてやっている、どん子とぐり子
という(ふざけた)名前の姉妹が主人公。
どんぐり姉妹宛に送られてくるメールの内容と、その
返信が、物語を作っていくのだと思っていたが、実際に
紹介されたメールは3通くらいで、しかもそれがストーリー
をひっぱっていくわけではなく。なかなかのシリアスな
展開は、やはり、ばななはただものではない、と
ページが進むほどに思わされました。
喪失感をかかえて生きてきた姉妹が、その喪失感を
自分の一部に抱えつつ、でも生きていくぞーって感じで
しょうか。ラストが近づくにつれ、もう誰も死んだり
しませんように、と祈るような気持ちでしたよ。
だれもが人々の心でできた大きな海のどこかに
確かにぽつんと存在している。その度合いもきっと同じ。
それでも私たちは人それぞれの個別の色を持った
悲しみをおぼえる。
これは妹、ぐり子の気持ち。
そうか、ずっといっしょにいられない人といるのは
中毒みたいなものなんだ。魔法がとけないまま
別れるのはなんて甘美なものだろう。好きじゃない
わけじゃない、ただ一番好きでいられる方法が
これなんだ。
これは姉どん子の恋愛を、ぐり子が考察してるところ。
2月12日に吉祥寺で出久根育さんの個展を観た後に
なんか、たかどのほうこさんとのコンビの本を
よみたくなって‥。
表紙に居る女の子の、ひとりの名前が「育ちゃん」
なので、読み始めから楽しくなりました。
画廊が入っているような、古いビルへの短期間の引っ越し。
部屋のクローゼットに残されていたパッチワークで作られた
帽子(表紙の女子がかぶってます)。ちょっとかわった
服を着た女の子とのビル内探検‥。
これはファンタジーなの? ありえない話なの??と
思いながら読み進めているうちに、淡くやさしい気持ちが
胸に満ちているのに気が付き‥よい物語だったなあと
思いました。
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