「勝手に生えてきた。」と次男が旧宅の水鉢の花を見せてくれました。
これは?
チョウジタデかなぁ?
ヒレタゴボウに似ているけれど、葉が太い気がします。
寝屋川市に長く住んでいましたが、この前母の用事で市役所に行くと はちかづき姫のゆるキャラが迎えてくれました。
長谷川武次郎出版 明治20年ジェイムズ婦人訳
なぜ鉢かづき姫かというと、お伽草子という、室町、鎌倉時代に出来た物語集の中の一篇。
鉢かづき姫の父は、河内国交野郡の寝屋備中守藤原実高で寝屋の長者と呼ばれていました。
あれ?交野郡と言えば
寝屋川市、交野市、枚方市に渡っています。
交野は織物神社があるので織姫ちゃん、枚方市は天の川があるのでひこぼしくん。
で好きな人は織姫ちゃんなのでいいのだ。
藤原実高は1279年頃に実在した人物で1658年にお伽草子が出された時には屋敷跡が残っていたそうです。
現在は寝屋川市の公園になっています。
ここはちゃんと寝屋川市です。
鉢かづき姫のお話しは、藤原実高の娘 初瀬の母が長谷観音に娘の幸福をお参りすると、観音様が夢に出てきて鉢をさします。目覚めると鉢が残されていました。
この母が亡くなるときに、あろうことか娘の頭に鉢をかぶせます。
すると頭が抜けなくなってしまいました。
実高はその後、後妻を迎えますが、この継母 初瀬をいじめぬきます。
もう生きているのも嫌だと初瀬は川に身を投げます。
ところが鉢が川に浮かんで沈みません。
山陰の中将という公家に助けられ風呂焚きとして働きます。
よく働き気立ての良い初瀬に公家の四男宰相殿御曹司が見初め、結婚しようと中将に打ち明けます。
親族一同に反対され、兄たちの嫁と「嫁くらべ」して決めることになりました。
すると、鉢が転げ落ち、中から美しい姫が表れ、鉢の中から金銀財宝が出てきます。
不思議な幸運に一同喜びながらも、嫁くらべを行うと初瀬は学識、歌詠みなど非の打ち所がありません。
二人は結婚を赦され、子どももできて末長く幸せに暮らしました。
と、そこで終わりません。
長谷寺に行くと、お坊さんに出会います。その人は初瀬の父で、継母に追い出され、後悔して初瀬を探し回っていたというのです。
初瀬は父を引き取り、宰相は成人した息子の1人と父親に河内国交野を与えました。
さて、お伽草子は江戸初期まで、いろいろな版が存在します。
寝屋川市に伝わっている民話がHPに載っていました。
そこでは、「嫁くらべ」で、初瀬が琴を弾くシーンが詳しく出てきます。
六段の調べをみごとに弾き、兄嫁たちを圧倒した。と書いてありました。
作曲者の八橋検校は1614生-1685年没
1658年に初版だとすると六段の調べはかなり新しい。
流行の最先端?
八橋検校が活躍したのは摂津国だったので、不可能ではありません。
いや、1279年頃に存在していた藤原実高の娘の話しということならば、六段はいくらなんでも無理でしょう。
初版本には載っていません。
と言っても、お話しというのは、場所や時代によって尾ひれがつくのは当たり前。
これも鉢かづき姫。