ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「偽りなき者」、性的変質者の烙印を押された男の物語です

2013-10-09 17:53:39 | 映画
おススメ度 ☆☆☆☆
   考えさせられる映画の嫌いな方 ☆☆

「光のほうへ」などで知られるトマス・ヴィンターベア監督作品。デンマーク映画です。

ちょっとデンマークのことがわからないので、首をかしげる部分もありますが、サスペンス映画でないのに、追い詰められていく主人公ルーカスの身になって、痛ーい思いをしてしまう。

トップシーンは、川べりに立つ中年男たち、中の一人が突然全裸になり泳ぎ出す。この全裸男がこの映画の一つのキーです。彼を服を着たまま助けに川に入るルーカス。

妻との離婚にもきりがつき、幼稚園に就職して再出発の主人公。

近くに住む友人の娘は、幼稚園児だ。家庭で遊んでもらえない彼女は、ルーカスとその犬になついている。

その彼女がほほを寄せてきたとき、ルーカスは優しく諭す、だが、少女は女園長に、「ルーカスの立っているいちもつをみた」と報告、がぜん園長は、性的嫌がらせと判断、専門医の診察も経て、このことを公表する。

これがもとで、ルーカスは性的変質者として、周りからボイコットされる。

この園での下りや、町の人の反応が、ちょっと日本では考えにくい対応なので、いささかひいてしまう。

それは執拗なまでのいじめであり、ルーカスの家にやってきた彼の息子にまで及ぶ。

日本でもマスコミによる被害が論じられるが、こちらは噂話の伝播だ。

その、いじめが見ているものをいたぶり、ハラハラさせられる。

当然ルーカスも無実を訴えるが、「子供は嘘をつかない」と取り合ってもらえない。

後半一端和解したかに見えたのが、ラストのどんでん返し。

冤罪の怖さが見事に描かれる。

偽りなきものは邦題で、原題は「狩り」。
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