ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「アルゲリッチ 私こそ音楽」、アルゲリッチの娘が撮ったファミリーヒストリー

2014-10-14 16:56:52 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

アルゲリッチの素顔を知りたい方 ☆☆☆☆

例によって予備知識のないまま見た私にとっては、非常に興味ある映画だった。

アルゲリッチは、知る人ぞ知る世界的にトップを行くピアニスト。

日本でも、別府にアルゲリッチ音楽祭を催すなど有名だが、音楽音痴の私には初耳。

ただ、演奏される音楽は、ショパンだったり、モーツアルトだったり、シューベルトだったり、ベートーベンだったりとかで、耳慣れた曲がほとんど。

アルゲリッチのもう一つの特徴は、恋多き女であることだ。もともと芸術家肌であり、情熱をうかがわせるが、音楽生活が主体となると、実生活は難しいものだ。

本映画は、映像関係の仕事を望む三女が監督を務めており、もともと映像露出の嫌いなアルゲリッチの素の部分に迫った貴重な映画となっている。

三人の娘が、違った環境にあり、それが語られるのも、天才の娘の不思議な家族ということで実に興味深い。

中国人指揮者との間に生まれた、長女。22歳の子ゆえ、育てられず、乳幼児園で育つことになる。だが、天才の血をひき、音楽家として活躍。

スイス人指揮者との間に生まれた次女。アメリカ生まれのピアニストとの間に生まれた三女。二人は、アルゲリッチの元で暮らすが、演奏旅行で忙しい母には、学校に行かせてもらえず、普通の子供とは違った環境で育つ。次女は、文化面で活躍、大学の教授だ。三女は本作品が長編初監督。

そんな三人とアルゲリッチ、父親との関係などが紹介されていく。また、ユダヤ人の血を引く彼女のダンスシーンでは、アラブの踊りを踊る。

国際的な、天才の素顔は、やはり独特なものがあった。それでも演奏前の苦悩が明らかに映される現実。それなりに、恐怖を抱えているのだった。

日本のシーンも多く親しみが感じられる。

音楽は、沢山挿入されるが、力強い情熱的な音楽だが、これが、全編を覆うものではない。音楽面では少し寂しかも。
コメント
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