ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「HUNGER/ハンガー 静かなる抵抗」、捕えられた北アイルランド抵抗囚のハンガーストライキ

2014-10-31 17:17:24 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆

世界の真実を知りたい方、エキセントリックな映画好き、北アイルランドの抵抗運動に関心ある方  ☆☆☆☆

2008年の作品。いまやっとDVD化された。

アカデミー賞作品「それでも夜が明ける」の監督スティーヴ・マックィーンと、マイケル・ファスベンダーがタッグを組んだ人間ドラマ。

1981年、サッチャー政権下、弾圧された北アイルランドのIRA.そのメンバーでとらえられた囚人が、ハンガーストライキで死に至るまでを描いた作品。

殆どが刑務所内の撮影。

男たちは、囚人服を着ることを拒否したため、全裸、毛布一枚で生活することに。

同時に、糞尿を壁になすり付ける、尿を床にばらまくなどの抵抗運動で、看守たちとの争いになる。

このように、前半は、男たちの全裸姿と拷問の数々、糞尿に塗りたくられた部屋、糞尿と食事の残りが混ざった蛆虫の混合物、廊下にまかれた尿が流れ出す。

それを掃除する刑務官。

まあ、サディストでもちょっと引くのではないかというこの描写に、アゼンとしか言いようがない。

実話に基づく本作の背景を理解し、このひどい現実を直視すべきではあるが、あまりに現代の日本の環境からすると、隔たりがあって、もろ手を上げてこの映画を推薦することははばかられる。

真ん中へんで、囚人の一人(ボビーサンズ)と牧師との延々、10分に及ぶ会話。意味深なのだがキリスト教に疎い私にとっては哲学的としか言いようがない。

自らの死を賭して行う自傷行為にちょっと引いてしまう。それは、現代のテロに通じるのか?

後半は、ボビーサンズのハンガーストライキの模様を延々と描く。

これを演じるマイケルファスベンダー、自ら絶食して挑んだという役者魂!に頭が下がるが、日々、痩せこけていき、最後は骨皮。ラスト死に至るまできっちり描かれる。

このリアリティは何なのか。スティーブマックイーンのすごさに感服。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする