ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「悪童日記」、大戦前後の東欧、双子兄弟の熾烈な人生

2014-10-28 17:47:29 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

大戦前後の東欧に興味ある方、文学作品好き ☆☆☆☆

ドイツ・ハンガリー合作映画

世界に衝撃を与えたハンガリー出身の亡命作家アゴタ・クリストフの「悪童日記」。映画化がむつかしいとされてきた。

今回、ハンガリーの監督により、映画化された。

都会に住んでいた双子の少年。戦争が激しくなり、田舎町へ疎開することになる。

だが、そこにいた祖母は、母親をメス豚呼ばわりし、働かざるもの食うべからずと、家にも入れてくれない。

そこで、2人協力し働く一方、強くなければ生きていけないと悟り、2人で殴り合いっこをし、後には、食べなくても生きていけるようにと断食をしたりする。

そんな二人が父からいわれたのが、勉強することと、日記をつけること。その日記が「悪童日記」だ。

日記の形式をとるため、物語は淡々と進む。登場人物も名前がない。ただ、映像が綺麗で救われる。

時代も場所も特定されていないが、東欧の一国で、ドイツに占領され、ユダヤ人弾圧があり、戦後は、ソ連に占領される。(画面から想像される)

戦争が身近に起こるが、直接的な戦争描写はない。だが、人を殺すのが平気な時代であり、女は性的に犯される。

そういう死と暴力の中で生き抜く少年の成長物語でもある。

離れがたかった両親とも異常な形で再会することとなり、シリアスな展開だ。

戦争を描いた映画であるが、エロ、グロを廃した地味な作りになっている。

この映画の一番の特徴は、双子を演じた少年の目にある。(双子の兄弟は、この映画のためハンガリー中を探したとか)。

生き抜く少年の意志は強い。
コメント (1)
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