おすすめ度 ☆☆★
社会派ドラマ好き ☆☆☆★
ルーマニア・フランス・ベルギー合作
2016年・第69回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞。ルーマニアの俊英クリスティアン・ムンジウ監督による長編。
外科医というから、上級階級に属する主人公ロメオ。
カメラは執拗に、ロメオの跡をつけまとう。手持ちカメラの主人公目線。
朝、何者かの投石で窓ガラスが割られる。
高校に通う娘エリザを送るが、途中で下し、愛人の元へ。
だが、その日娘は、何者かに襲われる。
そのショックで落ち込むエリザ。
エリザは、英国留学を目指しており、学校の成績が進学を左右する。
ロメオは、コネを使って娘の成績を良くしようと努力する。
チャウシェスク独裁から、民主化されたルーマニア。
だが、まだ不安定な社会情勢。
娘をロンドンへ留学させるのも、何とかルーマニアから成長させたいからだ。
一方で、妻からも、不倫相手からも、そっぽを向かれる始末。
ラストにかけて、結局、娘が卒業する以外何等の発展もない。
だが、途中挟まれるエピソードは、ルーマニアの闇を描き、その改善の兆しを見つめる。
淡々とした描写だけに、こみ上げるものはないが考えさせられる映画だ。