おすすめ度 ☆☆★
好事家向け ☆☆☆★
ポルトガル・フランス合作
2007年作品 やっとDVD化
2015年、106歳にして亡くなったマノエル・デ・オリベイラ監督作品。98歳での作品。
難解だが、好事家には、絶賛を浴びている本作。
コロンブスがポルトガル人だったとするマヌエル・ルシアーノ・シルバを追った作品である。
1946年、ポルトガルの青年が、海洋航海をした先人たちを思いアメリカへ渡り、医者となる。ポルトガルへ帰り結婚もしコロンブスの生誕地とされるアレンテージョ州クーバを訪れる。
1970年、アメリカ。老人となった夫婦は、ニューヨークのコロンブスの記念碑を訪ね、ポルトガルのポルトサント島(コロンブスが航海に出るまで滞在した島)を訪ねる。そして愛を確かめ合う。
コロンブスのゆかりの地を訪ね歩くロードムービー風なのだが、
景色の美しさと、きれいな音楽で描かれるまさに芸術と呼ばれる映像と、ややクラシカルな韻を踏んだ語りに引き込まれる。
一方で、こういう歴史や淡々とした語りに乗れない人は苦痛に他ならない。
それにしても、100歳にして、哲学的な語りと愛の賛歌を、自ら演じることで国に対する愛を表現する。