今月初めに突如運転開始が発表され、発表開始から程なく運転開始となった小田急3000形「F-Train」ですが、MAKIKYUも数日前にこの電車に遭遇する機会がありましたので、今日はこの電車の外観に関して取り上げたいと思います。
「F-Train」は小田急沿線の川崎市多摩区内に、来月藤子・F・富士夫ミュージアムが開館する事に関連して、既存の小田急線通勤型電車1編成を、藤子・F・富士夫作品でラッピングしたもので、乗車した際は停車する各駅をはじめ、走行中の車内からも線路際でカメラを構える姿が目立ち、「F-Train」に向かって手を振る姿も目立つなど、相当な人気振りが伺えたものでした。
対象編成は今年に入ってから中間車4両を組み入れ、編成両数の変更と共に改番を行った3000形10両固定編成の3093Fとなっており、3000形のラッピング車両としては、以前80周年記念イベントの一環として、小学生などを対象にしたデザインコンテストの優秀作品をラッピングした『ぼくたち・わたしたちの「ゆめの列車」』(以下「ゆめの列車」と記します)以来となります。
(「ゆめの列車」に関しては以前取り上げた記事がありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい)
「ゆめの列車」は8両編成(3661F)が対象編成(現在は標準的な姿に戻っています)で、10両固定編成は今年に入ってから登場した新顔ですので、10両固定編成のラッピングは当然ながら今回が初めてとなります。
8両は専ら各駅停車(区間準急を含む)での運用となり、3000形は他に小田急全線の特急と多摩急行を除く各種別で用いられる多数派の6両編成もありますが、10両固定編成はホーム長の関係で概ね急行系の列車での運行となります。
そのため一応小田急線全区間で走行機会こそ存在するものの、「F-Train」が停車できない駅が多数存在するほか、江ノ島線末端や多摩線では走行機会が限られてしまうのは惜しい限りです。
列車の性質を考えると、個人的には各種別・区間をまんべんなく走らせた方が…と感じてしまう上に、3000形6両固定編成の中でも多数派の防音カバー試験編成(3263F)以降は、同じ様な編成がゴロゴロしており、機能的で快適な車両である反面、見た目は単調さが否めませんので、6両固定編成を対象にした方が良かったのではと感じるものです。
とはいえ3000形を「F-Train」の対象にしたのは、同形が多数派という事を除いても、以前の「ゆめの電車」と同様にストレートな断面に戸袋窓なしの車体形状などを踏まえると最善の選択で、1000形などだったら…と感じます。
ちなみにアニメのキャラクターをデザインした車両は、比較的最近乗車したJR仙石線「マンガッタンライナー」をはじめ、同業他社では全国各地で幾つか走っています。
その内幾つかは実際にMAKIKYUも乗車した事があり、「MAKIKYUのページ」でも幾つか取り上げた事がありますが、1~2両といった短い編成が多く、マンガッタンライナーでも4両編成です。
(以下の列車名をクリックすると、該当列車の記事へリンクしますので、興味のある方はご覧頂ければ幸いです)
JR仙石線205系「マンガッタンライナー」(取り上げているのはマンガッタンライナーⅡ)
JR境線キハ40形「鬼太郎列車」(取り上げているのは「ねこ娘」)
上信電鉄500形「銀河鉄道999号」
富士急行5000系「トーマスランド号」
比較的長い編成となると、西武池袋線で走っている3000系電車の「銀河鉄道999」ラッピング車両がありますが、「F-Train」はそれを凌ぐ10両固定編成で、私鉄では最長の部類に入りますので、これだけの長い編成は圧巻で、この長さを目的に敢えて10両固定編成を対象としているのであれば、この編成を選定したのも一理あるかもしれません。
この手の塗装やラッピングを施した車両は、単一作品を扱っている場合が多く、中にはその中でも単一のキャラクターのみを扱った事例もあるほどですが、「F-Train」では藤子・F・富士夫の様々な作品のキャラクターイラストが施されています。
様々な作品・キャラクターを扱った列車としては、MAKIKYUも先月乗車したJR仙石線「マンガッタンライナー」が代表格で、こちらは車両毎に作品を分けていますが、「F-Train」では10両もの長編成にも関わらず、車両毎に作品を分けておらず、各車両で藤子・F・富士夫作品の様々なキャラクターが共存しているのも大きな特徴です。
前面も窓下に藤子・F・富士夫作品の5つで登場する代表的なキャラクターが仲良く並び、様々なキャラクターが仲良くしている印象を与えるためなのか否かも気になりますが、このキャラクターのイラストが貼られているために、自慢の小田急グループブランドマークは隠れてしまう事もあってか、側面の乗務員室扉下部にブランドマークが描かれているのも大きな特徴と言えます。
また「F-Train」は車内の大規模な改装こそ行っていないものの、車内にも様々なキャラクターが溢れており、こちらの様子も近日中に別記事で取り上げたいと思います。