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小田急4000形・JR乗り入れ対応へ~JR東日本側も小田急乗り入れ対応化

2013-03-30 | 小田急グループ

 
先日小田急電鉄と東日本旅客鉄道(JR東日本)の両社HPなどで、現在東京メトロ千代田線に直通運転を行っている小田急4000形電車とJR東日本E233系電車(2000番台)を、それぞれJR・小田急へ直通対応改造を行う旨が発表され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、既にこの情報をご存知の方も多いかと思います。
(写真の小田急4000形は、千代田線直通ではなく小田急線内運用に充当されている画像です)

近年の首都圏における地下鉄を介した相互直通運転線区では、都心を縦断し、3者以上に跨る相互直通運転運転も多くなっており、最近相互直通運転を開始した(みなとみらい線~)東急東横線と東京メトロ副都心線(~西武池袋線or東武東上線)などはその代表例と言えます。

しかしながら首都圏の相互直通運転開始の歴史が長い路線では、都心を跨いで郊外相互間を結ぶ需要が少ない事なども影響してか、郊外側の私鉄などは地下鉄への乗り入れこそ行うものの、両端で他線と相互直通運転を行っていても、地下鉄を介した3者以上の相互直通運転は行っていない事例が大半を占めています。
(中には都営浅草線絡みで、高速運転で定評あるものの、近隣他社よりやや割高な運賃もあってか、一部では「快特料金込み」なのでは…と言われ、「ブカブカ」した異様な感触の座席が増殖している標準軌某大手私鉄や、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走り、余りに高額過ぎる運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の様な事例も存在しますが…)

最近東急東横線との相互直通運転を中止した東京メトロ日比谷線などは代表例で、この手の路線は地下鉄車両だけ両側の事業者乗り入れ対応となっている事が多いのですが、これだと3者跨ぎとなる列車を設定する場合、その列車に充当できる車両が地下鉄所属車両に限定され、輸送障害発生時の車両繰りなどに苦労する事になります。

相互直通運転列車の本数が限られている路線では、輸送障害等が発生した際には相互直通運転を中止する対応を取る事も多く、東京メトロ千代田線~小田急線の相互直通運転などは、その典型例と言えます。

しかし小田急線は現在線路容量が限られ、増発の余地が少ないとはいえ、現在下北沢駅周辺で行われている複々線化工事が完了すれば、状況は一変する事がほぼ確実な状況です。

小田急線は沿線開発が進んでいる上に、比較的足の長い路線と言う事もあり、首都圏私鉄各線の中でも輸送密度が高く、慢性的に混雑している路線ですので、現在も工事が続く複々線化事業(代々木上原~向ヶ丘遊園:一部3線)の完工が待ち遠しいものです。

しかしながら新宿~代々木上原間は複線のままとなると、都心方面への列車を増発するには、相互直通運転を実施している東京メトロ千代田線への直通列車増発に頼る他に…というのが現状です。

また現在千代田線直通に充当している小田急4000形は、JR東日本の標準型車両をベースにしており、簡素であまり小田急らしさを感じられない車両という印象がありますが、導入当初からJR直通に対応可能な車両と言われており、わざわざJR東日本の標準型車両をベースにした以上、MAKIKYUとしてはJR常磐線直通を是非実現させて、利便性を向上させて欲しいと感じていました。

そのため先日の小田急・JR東日本の発表は、ある程度予想できた事とはいえ、遂に公式発表が来た…と感じたものです。

個人的には過去(20世紀末の話ですが…)に我孫子駅や柏駅をよく利用しており、その際に唐木田行きなどの電車を見ると、いつか小田急の電車も姿を現さないものか…と思っていました。

千代田線直通車両が世代交代し、小田急らしさが薄れた車両に様変わりしたとはいえ、今後我孫子駅などで小田急の車両が見られる様になるのか…と思うと、感銘深いものがあり、小田急の車両が東葛地区を走る姿を早く見てみたいものです。

ただその一方でJR東日本車両が小田急線に乗り入れるとなると、千代田線直通車両は直通運転開始当時の国鉄103系1000番台から、3世代目となる今日の主力車・E233系2000番台までずっと、営団~東京メトロの同世代車両に比べて見劣りが否めない車両ばかりを走らせていますので、車両面での質的低下が…と感じてしまう面もあり、手放しには喜べない部分もあります。
(それどころか国鉄~JR第2世代の203系電車が全面退役した今日でも、JRはまだ203系によって千代田線直通の座を追われた車両の一部を、様々な改造を繰り返して未だに走らせており、MAKIKYUは今年に入ってからこの車両に乗車する機会もありましたが、この車両はそろそろ退役させて欲しいものです)

とはいえJR東日本も、千代田線直通用に2編成だけ「劣悪」と言わざるを得ない車両が残存しており、千代田線を利用する際には、この車両の去就も気になる所ですが、他は割合新しい改良型だけあって、デザインはともかく、居住性や内装などは大分マシになったと感じる車両です。

東京~神奈川方面の私鉄他線では、もっと質の悪い車両が乗り入れる事例が幾つも存在する事などを踏まえると、2編成だけ存在する「劣悪」と言わざるを得ない車両が小田急線に入る事さえなければ、許容範囲のレベルと感じます。


また現段階でも東京メトロ車両は、小田急・JR東日本双方への直通に対応しており、唐木田~(代々木上原・綾瀬経由)~我孫子といった列車も存在していますが、こちらには現行首都圏通勤型電車では個人的に最高峰と感じている16000系が充当される事も多い状況です。

首都圏他社も単にコストダウンばかりに走り、見るからに安物といった印象の車両ばかりではなく、シンプルながらもデザイン性をもっと考慮した車両を…と感じる所で、この16000系などに触発されて追随する事例が出て来ることを願いたいものです。

現行各社車両を用いるとすれば、千代田線相互直通運転線区3者の車両が3社直通対応になり、各社の車両が各線で走る事になっても、これによって今までより良い車両に乗れる機会が…という事にはならなそうなのは少々残念な気もしますが、3社直通列車が多数走る様になれば、小田急線の都心側線路容量対策や、利便性向上という点では大いに期待できると感じます。

そしてその暁には、現行昼間12分間隔、23区内にしては不便過ぎる事で悪評名高い亀有・金町両駅をはじめとするJR常磐線各駅停車の利便性向上にも期待したいものです。
(昼間時間帯の常磐線各駅停車運行間隔短縮(最低でも10分間隔化)は、小田急線複々線化完工を待たずにすぐ実行しても…という所なのですが…)