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臨時快速「ぶらり高尾散策号」に乗車~乗り得列車である事に加えて…

2013-11-25 | 鉄道[北関東]

今月は不定期で「ぶらり高尾散策号」と称する臨時快速列車が、日立~高尾間(武蔵野線経由)で運行されています。

常磐線をよく利用される方や、時刻表を愛読されている方などは、ご存知の方も多いかと思いますが、先日MAKIKYUはこの「ぶらり高尾散策号」に乗車する機会がありました。

この列車は日頃多摩地区へ直通運行する公共交通機関が乏しい茨城県内の常磐線沿線各地などから、丁度紅葉が見頃の高尾山散策などに足を運ぶ利便を図る目的で運行設定されているかと思いますが、多摩地区では発着駅の高尾以外に八王子と立川にも停車しますので、高尾山以外の多摩地区各地を観光する際などにも活用できるかと思います。

充当車両は少し前まで常磐線特急「フレッシュひたち」で活躍しており、現在は新潟地区の特急「いなほ」への転用が進むE653系電車を用いており、全車指定席ながらも特別料金を要しない「快速」の普通車扱いとなっています。


そのため割安な青春18きっぷは設定期間外で利用できないものの、多摩地区~常磐線沿線をこの列車の運行日・運行時刻に移動する用途があれば、非常に乗り得な列車と言え、通常運行では乗り入れない中央線沿線で、E653系を目撃・乗車できるという点でも注目の列車と言えます。

E653系は基本編成の7両と、増結編成の4両が存在しており、「いなほ」への転用改造が進む前者は、東京のカラフル路線として知られる京王井の頭線(7色+α)には叶わないものの、4通りのカラーバリエーション(増結編成も合わせると、「いなほ」転用改造車を除いても5通り)が存在するカラフルな車両としても知られています。

「ぶらり高尾散策号」は7両編成での運行=このカラフルな装いのどれかが出没という事になり、そう遠くない内に「いなほ」への転用改造完了→カラフルな装いも見納めとなってしまうのですが、どの装いの編成が充当されるのかも、乗車前から気になっていたものでした。


MAKIKYUが乗車した際に充当されたのは、ブルーの装いを纏った編成、それも夏に房総~高崎線方面(武蔵野線経由)で運行設定され、MAKIKYUも乗車機会があった臨時快速「マリンブルー南房総号」で充当された時と同じK308編成でした。


LEDによる側面行先表示も「マリンブルー南房総号」では「快速」表示でしたが、今回は「臨時」表示となっており、どちらの列車も臨時快速故に「快速」「臨時」どちらの表示でも…という気がしますが、敢えて両者で異なる案内を表示している辺りも興味深いものです。
(「MAKIKYUのページ」では過去に、臨時快速「マリンブルー南房総号」に関して取り上げた事もあり、該当記事に興味のある方はこちらをクリックして下さい)

臨時列車故に武蔵野線内などでは、前を走る定期列車の影響でノロノロ運転となる事もありましたが、それでも立川~柏間はノンストップ運行、同区間をおよそ1時間で運行というダイヤは、日頃同区間を乗り継いで移動する事を考えると「早い」と感じたものです。

その後の常磐線内主要駅停車時刻などを見ても、設備面だけでなく運行ダイヤ面でも「優等列車並み」と感じ、その上この手の臨時列車にしては珍しく、車内販売も車内を巡回(近年では在来線特急や新幹線でも、車内販売が乗務していない列車が数多く存在しますので…)していたのは予想外でした。
(MAKIKYUが夏に乗車したE653系充当の臨時快速「マリンブルー南房総号」も結構足の長い列車ながら、車内販売の巡回は目撃していません)

そのためまるで特急列車に乗車しているのかと錯覚してしまう程で、同系使用の臨時列車が「急行」で運行される事が多いのも当然と感じたものでした。

また「ぶらり高尾散策号」は、設備や運行ダイヤ面などで破格の「乗り得列車」という事や、日頃E653系が運行しない線区を運行する点に加え、E653系基本編成自体が「フレッシュひたち」の姿で走る機会も限られるかと思いますので、様々な点で夏に運行された「マリンブルー南房総」と同様に注目すべき存在ですが、これに加えて武蔵野線への連絡線(国立~新小平・南流山~北小金)を経由して運行するというのも注目点です。

前者も定期列車は、運行本数が僅少の「むさしの号」のみで、かなり乗り難い区間(乗り継ぎの手間を別とすれば、移動手段として見れば西国分寺経由でも大きな差し支えはありませんが…)となっています。

後者に至っては定期旅客列車の運行がなく、貨物列車を除くと臨時列車でしか乗車機会が存在しない区間ですので、この区間に乗車できるという点でも、非常に貴重な列車と言えます。

MAKIKYUはJR定期旅客列車運行区間に関しては、連絡線などの類を除くとほぼ全区間乗車、私鉄なども大半の区間に乗車しており、そして韓国鉄道の大半の区間や、中国(香港を含む)の鉄道の一部にも乗車していますので、日本の鉄道における全営業区間距離を遥かに凌ぐ区間に乗車している事になりますが、それでもこの連絡線への乗車は初めてでした。

「乗り得」というだけでなく、乗車機会の限られる連絡線乗車という意味でも、非常に乗車価値の高い列車だったと感じたものでした。
(MAKIKYUが過去に乗車した日本国内の乗り難い鉄道路線としては、他には有名な「高熱隧道」を通る黒部峡谷鉄道の上部軌道などもあり、これに比べれば容易に乗車できる路線と感じる方も多いかと思いますが…)

ちなみに連絡線乗車の際に感じた印象は、あっという間ながらも、余り列車が走らない区間故にロングレール化対象から外されているのか、「コトンコトン」と車輪がレールの継ぎ目を通る時に発する走行音が随分目立った気がしたものでした。

連絡線の類などは、特に定期旅客列車が走らない区間に関しては、国内鉄道完乗を目指している方でも「ノーカウント」とする方が多いかと思いますし、MAKIKYUもその一員ですが、カウントの是非は別としても、機会があれば今後もこの様な線区を通る列車に色々乗車したいと感じたものです。

また夏に運行された臨時快速「マリンブルー南房総号」とは、同一編成充当ながらも、様々な点での差異が見受けられたのも興味深いと感じたものです。

新潟地区「いなほ号」への転用改造に伴い、あとどれだけ臨時快速としてE653系基本編成の出番があるのかも気になる所で、また臨時快速としてどこかでイレギュラーな運行が設定される機会があれば、再び乗車しても…と感じたものでした。


(お断り)臨時快速「ぶらり高尾散策号」の運行区間は高尾(東京都→首都圏)~日立(茨城県→北関東)の複数カテゴリーに跨り、MAKIKYUが降車した土浦(茨城県)も同様ですが、この記事は車両所属先(勝田)や主な利用対象層(常磐線沿線)などを踏まえ、「北関東」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。