先日「MAKIKYUのページ」では、大韓民国(韓国)を走る観光列車の一つ、中部内陸観光列車「O-train」に関して取り上げましたが、今日はその続編で車内の様子を取り上げたいと思います。
「O-train」は、ヌリロ号用に製造されたアルミ合金製新型電動車(4両編成)の内、2編成を観光列車用に内外を改装した編成を用いての運行でしたが、先月の事故で1編成(写真・先日の記事で使用した画像の再掲です)が使用不能となっています。
現在は残る1編成のみでの運行となっており、急遽運転取り止めとなる列車も発生している状況ですが、MAKIKYUが6月に「O-train」に乗車した際には、先月の事故で使用不能となった編成に当たっており、以下に取り上げる車内の画像は全て事故で使用不能となった編成内で撮影したものとなります。
(現在運行しているもう1編成も、改造内容は同一の様ですので、今後「O-train」への乗車を検討している方は、参考にして頂けると幸いです)
「O-train」は先日の記事で取り上げた通り、外観は観光列車らしく華やかな姿に改装されており、ビジネス列車的色彩が強い「ヌリロ」とは同形状の車両ながらも、雰囲気は随分変わっていますが、ホームから一歩車内に足を踏み入れ、デッキを見渡しただけでもその違いは歴然としています。
車両デッキはカッティングシートによって、4両編成の各車両に1箇所ずつ設けられている各デッキ全てが異なる装いで仕上げられており、如何にも観光列車らしいと感じるものです。
最近KORAIL(韓国鉄道公社)が次々と登場させている新型電動車は、設備面や居住性こそそこそこと感じる反面、内装に関しては通勤電車の如く、全般的に簡素な雰囲気の車両が多くなっていますので、観光列車でなくても柄入り化粧版やカッティングシートなどにより、内装の雰囲気向上を図っても…と感じる所です。
客室は4両の内、両先頭車は概ね既存の「ヌリロ」号用リクライニングシートが並ぶ設備を踏襲しており、比較的変化が少ない部類に入るのですが、それでも緑を基調とした座席モケットや、カッティングシートによって木目調に改められた壁面などは、既存「ヌリロ」号車両に比べると、見栄えは随分向上していると感じます。
「ヌリロ」号用車両自体がまだ比較的新しい車両と言う事もあってか、座席自体はモケット交換程度で再用しているものの、各座席脇にはコンセント(韓国用のCタイプ・220V専用で、日本の電化製品を使う場合には変換プラグなどが必要です)も追設されており、これは既存の定期列車用車両でも設置を進めてほしいと感じるものです。
比較的変化が少ない両先頭車も、車端部分には木製ベンチなどを設置したフリースペースが用意されており、この様な区画は日本の観光列車でもよくありますが、前面展望を映し出すモニターが設置されているとは言えども、直接前面展望が楽しめない状況になっているのは残念な限りです。
(韓国では観光列車に限らず、定期旅客列車に充当される車両でも、先頭車両の乗務員室背後は窓が設けられていないか、窓があっても目張りされて見渡せない車両が大半を占めています)
ただMAKIKYUが「O-train」に乗車した際には、途中堤川(Jecheon)駅停車中に客室~乗務員室間の扉が開いており、係員の方に断りを入れて客室側から運転席を撮影させて頂きましたが、運転席の座席モケットは「ヌリロ」用そのもので、さすがに観光列車とは言えども、乗務員室を見渡せない車両という事もあってか、ここまでは改装されていない状況でした。
(日本では一部の優等車両などで、乗務員室も含めてデザイナーが「魅せる」ものとしてデザインしている車両も存在するのですが…)
ちなみに「ヌリロ」号用車両は、MAKIKYUがソウル駅で同駅始発となる「O-train」に乗車する際、他ホームに停車している姿も見かけ、この編成の車両内外も撮影していますので、興味のある方は観光列車への改装でどれだけ変化しているかを比較頂ければと思います。
(写真の編成は「ヌリロ」号用新型電動車の中でも、特別塗装編成ですので、車内も天井などが様変わりしており、これだけでも観光列車と感じる方も居られるかもしれませんが…)
また「O-train」は観光列車だけあり、中間2両は車内設備なども大きく変化しており、この2両は両先頭車以上に観光列車ならでは…と感じる特徴が幾つも見受けられたものでしたが、こちらに関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。