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KORAIL・中部内陸観光列車「O-train」車内の様子(2)~中間車編

2014-08-10 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先日「MAKIKYUのページ」では、大韓民国(韓国)を走る観光列車の一つ、中部内陸観光列車「O-train」車内の様子に関して取り上げましたが、今日はその続編で中間車両の様子を取り上げたいと思います。

種車の「ヌリロ」号と同様に、現在4両編成での運行となっている「O-train」では、中間車は2両が連結され、2M2Tながらも韓国では珍しく両先頭車が電動車となっている「O-train」では、2両共に付随車となっています。
(韓国では近年続々と登場しているKORAILの列車線を運行している新型電動車をはじめ、広域電鉄や各都市の地下鉄で活躍している車両も、動力分散方式を採用している電動車(電車)の先頭車は、殆どがモーターなし車両となっています)

付随車となっているこの2両は、既存客席を改装した程度の両先頭車に比べ、客室内は大きく様変わりしており、一般の定期列車とは大きく異なる観光列車ならではの設備が随所に見受けられます。


1両は片側に「ヌリロ」号用の既存リクライニングシートを存置しながらも、リクライニングシートのモケットや、壁面カッティングシートの柄が変わるだけでも、両先頭車とは随分雰囲気が異なるものです。

反対側には窓側などに向けて方向を自在に動かせる1人がけ座席を設置した車両となっており、座席配置故に改造前よりも客室定員は大幅に減少しています。

MAKIKYUが2度「O-train」を利用した内の1回は、たまたま指定された座席がこの1人がけ座席だったのですが、この座席はリクライニング機能などもなく、背もたれの角度もきつめですので、長時間乗車には余り適さないと感じたものでした。

MAKIKYUの乗車日は閑散期の平日で、「O-train」の乗車率も低い状況でしたので、リクライニングシートの空席へ移動したものでしたが、比較的長時間乗車となる事も多い「O-train」では少々考え物と感じたこの座席も、乗車時間1時間程度の観光列車なら悪くない気もしたものでした。


この車両の車端部には、物販などを行うブースも設けられており、観光列車らしく乗車記念スタンプも設置されていましたが、このブースの天井は随分派手に改装されているのも特徴的と感じたものでした。


そして「O-train」で既存「ヌリロ」号とは最も大きく姿を変えたと感じたのは、もう1両の中間車で、こちらはグループ客向けのセミコンパートメントとも言える仕切り付きボックス席主体の座席配置に改められています。


この区画に設置された座席は、リクライニングなどもできず、グループ利用はともかく、個人客同士が向かい合わせで乗車するとなれば、余り感心できないものと感じたもので、各ボックスに設置された木製テーブルなども、如何にもグループ客向けと感じる設備ですが、テーブル形状を見ると、日本の某有名デザイナーが改装に関与した観光列車などに設置されているテーブルを連想させられたものでした。


この車両にはボックス席の他に、カップル向け区画なのでは…と感じる席も見受けられ、この区画は韓国らしいと感じる所です。

 
この区画と逆側の車端部分には、キッズスペースと思われる区画も存在しています。


このキッズスペースとセミコンパートメントの間にある仕切りには、世界の鉄道切手をデザインしたステッカーが貼られており、「O-train」車内には随分色々な仕掛けが…と感じたものでした。

先月の事故で1編成が使用不能となってしまったのは残念な限りですが、JR某社などで多数運行している某有名デザイナーが関与した観光列車の如く、車内の様々な設備などを見て廻るなど、「O-train」はただの移動手段ではなく「乗る事自体が楽しみ」となる列車と感じたものです。

渋い味わいを放つ古参車両による素朴な汽車旅を求める方には、「O-train」はやや不向きな存在かもしれませんが、日本国内で某有名デザイナーが関与した車両をはじめとする観光列車の旅などを楽しまれている方は、韓国へ足を運んだ際には「O-train」なども是非…と感じたものです。

MAKIKYUが6月に韓国へ足を運んだ際には、他にも近年運行開始した幾つかの観光列車にも乗車したものでしたが、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。