東京からの帰り、久しぶりに丸善で単行本を買った。単行本は買わないと決めているのに。別に丸善でなくともいいのだが、東京駅近辺に大きな本屋があると便利だ。時間つぶしに、立ち読みはできるし、文房具をつらつら眺めることもできるし、気になる本はチェックできるし・・・
で、買った本は中野翠著『小津ごのみ』
小津安二郎の映画に関しては、私は『東京物語』しか見ていないといっていい。
他のも2,3本見るには見た。けれども東京物語ほど心惹かれなかったので、映画そのものは、きっと興味がなかったのだと思う。
それなのに、小津さん墓参りを2回もしたり、小津安二郎展に出かけたり、小津安二郎に関するいろいろな人の著作はかなり読んでいて知った気になったりで。(中味を語ってみよと言われると困る)だから、私はきっと小津安二郎その人に興味を持っていたのだと思う。
中野嬢、サンデー毎日の連載のエッセイが単行本になると、飛ばし読みながら楽しんでいた。こだわりの強い女性だなと思いつつ、その視点が好きで、新作本には注目していた。(一時といえどよくぞ林真理子と交流があったな、と別な意味で感心する。)
中野翠さんが書くエッセイが好き、小津安二郎さんも好き、すきが好きを書いたらどうなるか、そこらあたりが興味津々で。
目次を見ただけで全て。(章は略なし、項は略ありです。わたしが、そうか!と目から鱗状態になった度合いが強いもの)
1章 ファッション、インテリア
ドンゴロスと女たちの着もの
無地ファッションの女たち
縞の唐紙、格子のカーテン、そして障子
2章 女たち、男たち
おじさまごっこ
大人顔の女たち
むずかしい女たち
3章 セリフ、しぐさ
いわゆる「原節子風」
なぜホームドラマなのか
4章 今見られる小津映画三十七本
やはりこのような視点は、中野翠のこだわりがもたらしたもので、私にはとても面白かった。男性諸氏にはうーーん?と感じる部分もあるかもしれない。こだわる視点はやはり女性目線だなと思ったので・・・
気楽に読めるので、眠れない夜などつらつらめくってみてはどうでしょう。