鎌倉文学館で開催されている”吉田秀和/音楽と言葉に”を観てきました。吉田秀和さんは著名な音楽評論家で、ボクも若いときに、いくつかの評論を読んだことがありますし、朝日新聞に年4回程度ずつ連載している”音楽展望”は必ず目を通しています。彼の文章は、素人には難しい音楽について語るときでも、たくみな比喩を用いて分りやすいですし、それに文章そのものがリズミカルでついついひきこまれてしまうのです。
今回の展覧会で初めて知ったことがたくさんあります。
彼が鎌倉にお住まいだったことは知りませんでした。雪の下にお住まいのようです。中目黒に住んでいたそうですが、晩年は静かなところと、ここを選ばれたそうです。家を探しているとき、夜は鎌倉駅前のタクシーがなかなかつかまらないことを知り、駅近にしたそうです(笑)。大正2年生まれで、今もお元気におすごしです。
奥様がドイツ人の方であったことも初めて知りました。昭和39年、バルバラさんと京都で結婚式をあげました。ずっと仲良く暮らしていましたが、4年ほど前、奥さんがお亡くなりになり、2年間はさびしくて仕事をする気がなくなり、朝日の連載”音楽展望”もしばらく途絶えました。どの音楽も耳障りになってしまいましたが、バッハだけはやさしく、心に染みわったたそうです。このバッハとモーツアルト、そしてベートーベンがとくにお好きなようです。
中原中也と友達だったことも初めて知りました。成城高校時代の恩師、ドイツ文学者阿部六郎のところに訪ねてきた中也と知り合いとなり、彼にフランス語をならったそうです。再開した”音楽展望”にも、この春”中原中也の目”と題したエッセイを書いています。そのコピーが展示されていました。当時の様子がほうふつとされる、若々しい文体の、感動的な文章でした。吉田秀和さんも”詩人”ですね。
中也といえば小林秀雄。小林秀雄との交流もありました。小林秀雄というと、ボクにとっては”モーツアルト”。一番好きな著作です。”モーツアルト”といえば、やはり、吉田秀和さんです。たしかこれで有名になりました。”音楽展望”復活の第一報は、やはりモーツアルトでした。”長らくお待たせしました。やっとまた身体に暖かいものが流れだし、音楽がきこえてきた感じ。でもこれまでとちょっと違う、今日はそんなことからぼつぼつ書いてみましょう”の書き出しで始まる”モーツアルトってだれ?”です。
大相撲がお好きだったことも初めて知りました。若いときから好きだったようですが、昭和35年当時の柏鵬時代の頃はとくに熱中していたそうです。勝負のポイントを一言で言い表わす相撲解説者に感心し、音楽評論もこうありたいと思ったそうです。今の贔屓力士は、ボクと同じ稀勢の里関だそうです(本気にしないでくださいね)。でも可能性はありますよ。吉田さんは水戸の芸術館の館長さんをされていますので、水戸出身の雅山や牛久出身の稀勢の里には特別の視線を向けていると思います。
鎌倉文学館は秋の薔薇でいっぱいでした。
赤い薔薇、白い薔薇のツーショット。ヒデカズ&バルバラ
庭には巨木スタジー。椎の実がたくさん落ちていました。巨人ヒデカズ。
リズミカルな光と影。
モーツアルトが流れくるような館
今回の展覧会で初めて知ったことがたくさんあります。
彼が鎌倉にお住まいだったことは知りませんでした。雪の下にお住まいのようです。中目黒に住んでいたそうですが、晩年は静かなところと、ここを選ばれたそうです。家を探しているとき、夜は鎌倉駅前のタクシーがなかなかつかまらないことを知り、駅近にしたそうです(笑)。大正2年生まれで、今もお元気におすごしです。
奥様がドイツ人の方であったことも初めて知りました。昭和39年、バルバラさんと京都で結婚式をあげました。ずっと仲良く暮らしていましたが、4年ほど前、奥さんがお亡くなりになり、2年間はさびしくて仕事をする気がなくなり、朝日の連載”音楽展望”もしばらく途絶えました。どの音楽も耳障りになってしまいましたが、バッハだけはやさしく、心に染みわったたそうです。このバッハとモーツアルト、そしてベートーベンがとくにお好きなようです。
中原中也と友達だったことも初めて知りました。成城高校時代の恩師、ドイツ文学者阿部六郎のところに訪ねてきた中也と知り合いとなり、彼にフランス語をならったそうです。再開した”音楽展望”にも、この春”中原中也の目”と題したエッセイを書いています。そのコピーが展示されていました。当時の様子がほうふつとされる、若々しい文体の、感動的な文章でした。吉田秀和さんも”詩人”ですね。
中也といえば小林秀雄。小林秀雄との交流もありました。小林秀雄というと、ボクにとっては”モーツアルト”。一番好きな著作です。”モーツアルト”といえば、やはり、吉田秀和さんです。たしかこれで有名になりました。”音楽展望”復活の第一報は、やはりモーツアルトでした。”長らくお待たせしました。やっとまた身体に暖かいものが流れだし、音楽がきこえてきた感じ。でもこれまでとちょっと違う、今日はそんなことからぼつぼつ書いてみましょう”の書き出しで始まる”モーツアルトってだれ?”です。
大相撲がお好きだったことも初めて知りました。若いときから好きだったようですが、昭和35年当時の柏鵬時代の頃はとくに熱中していたそうです。勝負のポイントを一言で言い表わす相撲解説者に感心し、音楽評論もこうありたいと思ったそうです。今の贔屓力士は、ボクと同じ稀勢の里関だそうです(本気にしないでくださいね)。でも可能性はありますよ。吉田さんは水戸の芸術館の館長さんをされていますので、水戸出身の雅山や牛久出身の稀勢の里には特別の視線を向けていると思います。
鎌倉文学館は秋の薔薇でいっぱいでした。
赤い薔薇、白い薔薇のツーショット。ヒデカズ&バルバラ
庭には巨木スタジー。椎の実がたくさん落ちていました。巨人ヒデカズ。
リズミカルな光と影。
モーツアルトが流れくるような館