気ままに

大船での気ままな生活日誌

巴里のアメリカ人

2012-10-08 18:50:45 | Weblog
午前中の記事も、シャガール、マチスと巴里が舞台だったが、夕方の記事も、また偶然、巴里になってしまった。イチローの活躍を途中まで観て、目指すは鎌倉の川喜多映画記念館。ミュージカル映画シリーズ、第5弾。”巴里のアメリカ人”。知っている人は知っている(笑)、名作。ぼくはよく知らない方なので、レジメからちょっと紹介。

1952年公開。アカデミー賞最優秀作品賞、音楽賞、美術館監督賞などあらゆる部門賞を独占。近代アメリカ音楽界が生んだ輝かしい作曲家、ジョージ・ガーシュウィンの名曲”パリのアメリカ人”のテーマを、眼と耳と感覚に訴えて心ゆくまで展開し、ハリウッドが生んだもっともイマジネーションに富む音楽作品。

いきなり、今年の4月、巴里に遊んだときに宿泊したホテルの前のジャンヌダルク像が現れてびっくり。そして画面はコンコルド広場、凱旋門、エッフェル塔、ルーブルと次々、名所を廻っていく。そして、モンマルトルのサクレクール寺院の前の広場で止まる。主人公ジーン・ケリーはそこに居た。アメリカからやってきた、売れない画家。そして、二人の女性をめぐる恋物語。もちろんハッピーエンド。音楽は主題曲のほか、ガーシュウィン作曲の11曲の歌が流れる。また踊りが圧巻。タップダンスや、バレーダンスのような踊りも。

そして、あれ、どこかで観たことのあるという、背景、登場人物、衣装、色彩などにドキリんこん。ロートレックのポスターの人物やユトリロのモンマルトルの小道が出てくる。ルノアール、ルソー、ゴッホの絵みたいな背景も。あれ、あの映画に似ている、そう”ミッドナイト・パリ”。ウッデイ・アレン監督がこの雰囲気をベースにしたのは間違いない。

楽しい映画だった。


あと、3本、ミュージカル映画が予定されている。そのあとは、高峰秀子シリーズに入る。ああ、楽しみだ。


・・・・・

八幡様はおめでたでいっぱいだった。


国際結婚も。おめでとうございます。


もう、七五三のお祝い。おめでとう、お兄ちゃん。


こちらも七五三かな。











コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シャガールとマティス、そしてテリアード展

2012-10-08 11:26:55 | Weblog
”シャガールとマティス、そしてテリアード/20世紀フランス版画と出版”が、鎌倉の神奈川近代美術館で開催されている。シャーガールとマティスの版画をこれほどまとまってみることはなかったし、そしてテリアードが出版した、シャガールとマティスらのオリジナルリトグラフ入りのうつくしい雑誌”VERVE”全38号26冊もはじめて観た。楽しい展示品ばかりで、まるでミュージカルを観ているようなひとときであった。

まず、今回のちらしの表紙を飾ったシャガールの絵が現れる。これが扉絵で、そのあと、”ダフニスとクロエ”の物語が42葉もつづく。一度、さらっと観たあと、物語の概要を各様ごとにまとめたプリントがあるのに、気づき、その案内に従って、もう一度回った。何でもそうだけど、物語が分かるのと、そうでないとでは面白みがぜんぜん違ってくる。

BC2~3世紀に詩人ロンゴスによって書かれたパストラル詩だが、18世紀に仏語に翻訳され、挿絵本になったり、バレーの演目にもなったそうだ。エーゲ海のレスボス島(テリアードの故郷)が舞台で、牧歌的な風景の中で、芽生えた少年と少女の恋の物語である。この物語が、シャガールの描く絵の雰囲気と実によく合っていると思った。No.42”結婚”でハッピーエンド。絵でもふたりは結ばれている。


次に、シャガールの”サーカス”全38葉のうち23葉が展示されている。依頼者は巴里の画商で、完成まで40年の月日が流れてしまったというものだ。それだけこの作品に力を込めたのか、それとも、生涯、2000点もの版画作品を残しているそうだから、次々、来る依頼者に応じているうち、後回しになったのか、それは知らない(笑)。さまざまなサーカスの場面が出てきて、子供の頃観た、広場のテントの楽しいサーカスを思い起こさせてくれるような絵ばかりであった。




そして、マティス。”ジャズ”の全20葉 。切り紙絵で原画を制作した”ジャズ”は、彼にとって新境地を開いた作品だそうだ。印刷技法をテリアードと試行しつづけ、最終的にテリアードが提案したステンシル版で出版するまでに3年の時間を要しているとのこと。”二十世紀でもっとも美しい本”のひとつと言われている。たしかに、うつくしい。


たしかにテリアードのつくる本はどれもうつくしい。自らが編集した雑誌”ヴェルヴ”がずらりと展示されている。ため息が出るほどうつくしい。だって、シャガール、マティス、ピカソ、ルオー、ブラック、ボナールなど、巨匠たちの絵が表紙を飾り、かつ、中だって、彼らの作品が高品質のリトグラフ図版で、ずらりなのだから。こんな贅沢な雑誌を取り寄せていた日本画家がいた。山口逢春である。さすが。今回の展示品も当美術館の山口逢春文庫そして仲田定之助文庫からのものである。




第二展示室では江口週展が開かれていた。木彫りの彫刻と、制作前のイメージするデッサンが同時に展示され、興味深い展覧会であった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする