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気ままに

大船での気ままな生活日誌

篠山紀信展 写真力

2012-10-23 17:13:51 | Weblog
初台の東京オペラシティアートギャラリーで開催されている篠山紀信展を観てきた。

はじめの展示室に入ったとたん、いきなり先制パンチ。巨大な写真がどか---ん♪胸の鼓動がどきどき 目先はくらくら負けそう 負けそう♪
部屋の表札は”GOD:鬼籍に入られた人々

ひばりさんが微笑んでいる。大きい仏壇がうしろに。花も飾られている。1989年作というから、ひばりさんが亡くなった年だ。三島由紀夫のモノクロの大写真は、壮絶だ。毛むくじゃらの筋肉質の裸体に矢が二本撃ち込まれ、木に吊るされている。1970年作で、これも三島が亡くなった年の作品だ。まるでその後の自死を予言するような写真。そういえば、看板に使われた、ジョンレノンとオノヨーコの写真も、この3か月後にジョンが射殺されたとのこと。篠山紀信は言う、”写真家は「時の死」の立会人だ”。たまたま、その”時の死”が、本人の死の直前の輝きを捉えた。

三島の向かいには、にっこり笑った寅さんが。”結構毛だらけ、猫灰だらけ、尻の回りは・・・”なんて口上が今にも聞こえてきそう。そして、まだ、アラフォーの女盛りの大原麗子にもみつめられてしまう。すこし愛して、ながく愛して。スター達の一番輝いている”時の死”の瞬間も、見事にとらえている。

次の部屋は”STAR:すべての人々に知られる有名人
おっ、小百合ちゃん(汗)。1985年だから、アラフォー。夢千代あたりかな。そして、向こう側には百恵ちゃんの水着姿。昭和のスターがずらりずらりのずらりんこん。岸恵子、聖子ちゃん、ピンクレディー、学生服姿の、28歳の舟木一夫、岩下志麻、そして王、長嶋。ここで、挿入歌♪背番号1のすごい奴が相手 フラミンゴみたいひょいと一本足で スーパースターのお出ましに♪ 平成のスターももちろん。AKB48、なでしこジャパンの澤さんも。篠山紀信に撮られなきゃ、スターとは云えない、そんな感じで勢ぞろい。観客も自分史と重ね合わせながら、にこにこ堂。

そしてぼくらは”虚構の世界”へ連れて行かれる。第3室は、SPECTACLE:私たちを異次元に連れ出す夢の世界
隈取した歌舞伎役者の顔のアップがずらり。仁左衛門、獅童、橋之助、海老蔵、勘九郎等など。一瞬をとらえた表情が写楽のよう。玉三郎のいろんな場面も。歌舞伎役者は絵になるなあ。デェズニーランドの人々の勢ぞろいなんてのもある。草間弥生さまも、水玉模様の何か(忘れてしまった)の横にちょこんと立っていたっけ(笑)。

そして、次の部屋はに入ると、これまでのにこにこ顔は、がらりと変わる。挿入歌。♪さっと駈けぬけるサスペンス スリルの瞬間よ 熱い視線がからみ合ったら 白い火花がパチパチ 心はメラメラ 燃えそう 燃えそう 私ピンクのサウスポー♪ 第3室は”BODY:裸の肉体、美とエロスと闘い” おっ!裸の男どもが何十人もずらりと大画面で。ひとつは、全身刺青のヤーさんが背中の芸術作品を披露。健さんの唐獅子牡丹はなかったが(汗)、壮観だ。そして、まわし姿のお相撲さんが横綱から序の口まで、大集合。このときの横綱は、貴乃花と曙だった。これも壮観だったよーん。稀勢の里時代が来たら、またお願いしま~す。男のダンサーの裸体にもびっくりしたが、18才の宮沢りえちゃんのヌードにはほっこり。

そして、最終章は、”ACCIDENTS:2011年3月11日、東日本大震災で被災された人々の肖像”。ぼかした被災地を背景に、地元の人々の顔が10組ほど。稀代の肖像写真家の眼はどこまでもやさしい。写真をみればわかる。

50年間にわたり撮った写真の中から、”写真力”抜群の選りすぐりがここに来ている。巨大な写真の迫力もあり、これまで観た写真展とは一味違う、心に残る写真展であった。
・・・・・
巨大な写真。百恵ちゃんの写真の前に立つ篠山紀信 (芸術新潮から)


お相撲さん大集合


獅童と海老蔵


全盛期の王と引退直前の長嶋 長嶋のさびしい気持ちが表れている。長嶋はこの写真が気に入って、自宅に飾っているそうだ。


小百合と岸恵子










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