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【art】「クリムト展 ウィーンと日本1900」鑑賞@東京都美術館

2019-07-02 00:02:21 | art

🎨【art】「クリムト展 ウィーンと日本1900」鑑賞@東京都美術館🎨

 

 

 

 

開催を知ってから絶対見たいと思ってた展覧会。大人気でかなり混雑していると聞いていたので覚悟していたけど、入場まで10分待ちだった。とはいえ、実際はそこまで待ってないかも。 

 

 

 

 

まずは鑑賞ポイントから記載。東京都美術館は地下1階が入り口となっていて2階までの3階分が展示スペース。地下1階から2階まで鑑賞しつつ登っていき、2階出口外に物販があり、エスカレーターで下って地下1階に戻るという順路。当然ながら順路にしたがって見ていく前提で展示されているわけだから、地下1階から見た方が絶対にいい。とはいえ混んでるからね😅

 

金曜日は20時まで夜間開館しているけれど、それでも仕事終わりで行くと物販含めて2時間程度しか時間がない。混んでるのに順番待ちしたりじっくり見ていては、時間が足らずに最後は駆け足鑑賞になってしまう可能性がある。それは避けたいので、混雑が予想される企画展の場合はお目当ての作品から鑑賞するようにしている。特に都美術館は各フロアのスペースが狭いので、混んでると他に逃げ場がなかったりするので😌

 

見たい作品はたくさんあったのだけど、個人的には「ユディトⅠ」と「ヌーダ・ヴェリタス」そして「ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)」が絶対見たかった。これは"Cahpter5.ウィーン分離派"にあって1階の展示。ということで、エレベーターで1階へ。いわゆるクリムト作品と聞いて浮かぶ黄金の作品たちはこの1階にあった。「ユディトⅠ」はやはり人だかりができていたので、少し待って鑑賞。それでもそんなに待たずに見れた。「ヌーダ・ヴェリタス」はほぼ待ち時間なし。「ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)」も正面の(敵対する勢力)は少し人が多かったけど、ほぼほぼノンストレスで見れた。

 

2階には「オイゲニア・プリマフェージの肖像」や「亡き息子オットー・ツィンマーマンの肖像」、そして「女の三世代」があるけど、ここもそんなに混んでなかった。有名な作品はそれなりに人だかりがあったけど、それも少し待てば真正面で見れる感じだった。物販もそれなりに混んでいたけど、会計待ちも数人程度だった。

 

物販も購入してから地下1階に戻るとかなりの混雑。お目当ての「ヘレーネ・クリムトの肖像」は入って直ぐにあって、それほど混雑していなかったのでじっくり見ることが出来た。初期の作品があまり大きくないのでじっくり見るためかずっと混雑。"Chapter2.修行時代と劇場装飾"の頃の作品は興味深かったのだけど、あまりの混雑に根負け💦 列から外れて後ろから単眼鏡で見る形でガマン。次の"Chapter3.私生活"もやや流し見で、今回のサブタイトルとなっている"Chapter4.ウィーンと日本 1900"に時間をかけた。ここには「女ともだちⅠ(姉妹たち)」や「赤子(ゆりかご)」がある。

 

この後、1階に上がって「ユディトⅠ」など再度見ようと思ったら激混み💦 「ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)」はラッシュなみ。これでは逆にストレスってことで諦め。結局、1階2階ともほぼ素通り。物販もすり抜けてエスカレーターに乗った時点で19:40。自分がB1に戻った時点で、B1を鑑賞していた人たちは閉館時間に間に合わないのでは?

 

と、長々書いてしまったけど、少しでも鑑賞の参考になれば😌

 

作品の解説などは、先日見た「ぶらぶら美術博物館」の記事(コチラ)に書いておいたので、そちらを参考にしつつ鑑賞。感想をTweetしておいたので、それに追記する形で感想記事とする。

 

 

グスタフ・クリムト「ユディトⅠ」

 

今回一番見たかったのはこの「ユディトⅠ」 もう全部が好きという感じなんだけど、金箔の使い方、装飾品の美しさ、そしてなんと言ってもユディトの恍惚とした表情。アッシリアの侵攻を防ぐため司令官ホロフェルネスを誘惑し首を切り落とたユディトの姿は、他の画家も画題としているけれど、首を切り落とした直後を恍惚の表情として表現しているのが素晴らしい。高揚感。生首も描かれているのに、彼女に目を奪われて目に入らない。これは本当に素晴らしい。

 

グスタフ・クリムト「ヌーダ・ヴェリタス」

 

こちらも見たかった「ヌーダ・ヴェリタス」 女性の裸体を描いた作品は古くからあるけれど、このドーンと立っている構図は迫力がある。フワフワした赤毛に花があしらってあるのも素敵だけど、足元には蛇がまとわりついているのも印象的。なによりこの女性スタイルはいいのだけど、とても腰骨のあたりが張っていて、太腿にかけてのラインも滑らかではない。ここをもう少し丸みを帯びて描くこともできるだろうし、すらっと描くこともできるだろうけど、あえて美化しないのが逆にエロティック。でも、写実的というのとも違っていて、とても絵画的だと思う。この縦長の構図もミュシャのポスターを思わせる感じで好き。思ったよりも大きな作品で迫力があった。

 

 

「ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)」は、1902年に開催された第14回ウィーン分離派のテーマがベートーヴェンであったことから、ウィーン分離派会館の壁に描いたものだそう。壁画なので持ち運びは無理ということで、これは1984年に同じ材料を使用して原寸大で複製したもの。当然ながら同じ配置となっている。

 

「ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)」(黄金の騎士)

 

左の壁に描かれているのは(黄金の騎士)このシーン自体にタイトルがついているかもしれないけれど、調べてもよく分からなかった💦 この騎士の装飾が素晴らしく、剣の持ち手の部分に宝石? ガラス?が埋め込まれている。彼の姿を浮き立たせるため、彼に望みを託す人々は裸体で色彩を極力抑えらている。

 

「ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)」(敵対する勢力)

 

正面壁に描かれているのは(敵対する勢力) クリムト展公式サイトによれば(敵意に満ちた力)となっているけど、どちらが正しいんだろう? これはやっぱり真ん中のテュフォンに目が行く。これはスゴイ迫力。イヤフォンガイド借りなかったし、あまり詳しい解説が書かれていなかったのだけど、テュフォンの目は螺鈿かな? そんな感じに見えたのだけど。左のゴルゴン三姉妹も妖艶だし、こちらもヒップラインの腰骨がごつごつしている感じも美化せず描いているところがいい。真ん中に描かれた太った女性の装飾がとても豪華✨ これは金持ちたちを皮肉っているのかしら? とにかくスゴイ迫力。

 

 「ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)」(幸福への憧れ)

 

(敵対する勢力)と対峙した後は(幸福への憧れ)に場面が移る。ここで描かれている黄金の衣装の女性は詩の女神なのだそう。シンプルな場面ではあるけれど、金箔を効果的に使っている。詩の女神の衣装の柄も日本美術の影響かな?

 

「ベートーヴェン・フリーズ(原寸大複製)」(歓喜の歌)

 

そして(歓喜の歌) ! こうして一連の流れで見て来ると、この(歓喜の歌)で見ている側の気持ちも沸き立つ。この抱き合う男女ももちろんなのだけど、背景化している女性たち。この浮いてる感じがホントにかわいらしくて。画像だと茶色っぽくなっているけど、展示ではもコーラルピンクっぽい感じ。これがカワイイ😍 衣装の装飾が連続しているので境目があいまいで、彼女たち自身も装飾のようになってしまっているのもおもしろい。そして、この男女の周りの装飾がもう一体何だか分からない😅 この頭の上のメラメラしている部分もおもしろかった。この接吻を全世界にという思いが伝わって来る。

 

本物はどんな感じで公開されているのか分からないけど、これらの作品に囲まれて第九を聴きながら鑑賞したら歓喜の涙を流してしまいそう。これは本物が見たい!

 

 

グスタフ・クリムト「ヘレーネ・クリムトの肖像」

 

「ヘレーネ・クリムトの肖像」もお目当ての1つだった。超絶美少女😍 髪型もいいし、あいまいだけど衣装も素敵。なによりこのヘレーネの顔がホントに美しい。この時6歳だったそうだけれど、ちょっと大人っぽく描いたのかな? ヘレーネは弟エルンストの娘。エルンストは若くして亡くなってしまうけれど、その後クリムトはヘレーネの後見をしたそうなので、とてもかわいがっていた姪っ子なのかも。その辺りも感じられて、とても温かい気持ちになった。衣装から背景まで白というのも、彼女の無垢さが感じられて好き。

 

グスタフ・クリムト「赤子(ゆりかご)」

 

「赤子(ゆりかご)」も見たかった作品。これテレビの画面や画像で見ていたよりも全然色鮮やかだった。かなり大きなサイズの絵で、本当に色彩や柄で目がチカチカするくらいギッシリ。でも、その上に目線を向けると赤ちゃん。この笑っているわけでも、泣いているわけでもない表情がまたいい。赤ちゃんこういう顔する時ある😅 歌川豊国の影響があるのではないかとのこと。

 

グスタフ・クリムト「亡き息子オットー・ツィンマーマンの肖像」

 

「亡き息子オットー・ツィンマーマンの肖像」も見たかった作品。母親はモデルのマリー・ミッフィー・ツィマーマンだそうだけれど、この息子の名前がツィマーマンなのは籍は入れてないってこと? 19世紀オーストリアの戸籍ぐあいがサッパリ分からないけど😅 1902年6月に生まれたオットーはわずか81日で亡くなってしまったのだそう。クリムトは大変に悲しみ、チョークで紙にオットーの絵を描いた。タイトルがなければ寝顔かと思うくらいに愛らしい。息子の死さえも作品にするのか?という意見もあるかもしれない。でも、そいう業も含めて自分の感情のはけ口としても芸術があるというのは、芸術家の所以なのかなと思う。

 

1892年に父親と弟を亡くし、1902年にオットーを亡くしたクリムトは死について向き合うことになったのだそう。その辺りのことがテーマとなっているのが"Chapter8.生命の円環"で、「亡き息子オットー・ツィンマーマンの肖像」と今回の目玉の1つである「女の三世代」もある。

 

 

グスタフ・クリムト「オイゲニア・プリマフェージの肖像」

 

感想Tweet順に追記しているので、展示の順番が前後してしまっているけど、この「オイゲニア・プリマフェージの肖像」最終章の1つ前、"Chapter7.肖像画"にある。クリムトは「自分には関心がない。それよりも他人、女性に関心がある。」と語ったそうで、男性の肖像画は少な目で自画像はないのだそう。

 

「オイゲニア・プリマフェージの肖像」はパトロンであった銀行家オットー・プリマフェージの妻。個人的な感想としてはクリムトの肖像画は写実的というわけではないれど、顔に関してはデフォルメしたりはしていないのかなと思う。デフォルメというと語弊があるな💦 クリムト調で描いてはいるけど、おそらく顔は似ていると思う。なので、このいわゆる美女ではないふくよかなオイゲニアさんは、おそらくこういう方だったのでしょう。その分、衣装や背景で個性を爆発させている。とにかく背景の黄色が印象的。黄金時代を経て、色彩を散りばめる画風になり、細かく描いていた文様が抽象的になっているのが印象的。これは興味深い作品だった。

 

グスタフ・クリムト「女の三世代」

 

「女の三世代」は展示の最後。これは大きな作品。赤ん坊を抱いた女性と老婆が描かれていて、これは誕生から死を図解したものなのだそう。背景は日本美術からの影響が見られるそうで、銀が散りばめられている。このドット柄みたいになっているのが銀ということかな? 上3分の1ぐらいに黒が塗ってあるのは何を意味しているんだろう? 老婆の背景は着物の柄のように見える。

 

とにかくこの赤ちゃんとお母さんがかわいくて、赤ちゃんの表情が本当に安心しきっていて、その子の頭に愛おしそうに頬をよせる若い母親の優しい美しさ。この母親の体のラインが曖昧になっちゃってるのは何か意味があるのかな? 対して、乳房が垂れて下腹の出た老婆の体がリアル。老婆は顔を覆っていて表情が見えないのもきっと意味があるのでしょう。この老婆から赤ちゃんまで頭をつなぐとだんだん低くなる構図も狙っているのだと思う。この三世代が輪廻していくってことかな? イヤ、輪廻というのは仏教的な思想かな? これは本当に良かった! クリムトここに極まれりという気がした。 

 

 

展示点数は120点。もちろんクリムト以外の作品も多数あったけれど、半分くらいはクリムトの作品。習作や素描などもあったけれど、これだけの作品が揃う企画展はなかなかないんじゃないかな。しかも今、国立新美術館で「ウィーン・モダン展」をやっていて、こちらにもクリムトの作品が来ている。これだけ東京に揃う機会もなかなかないと思う。クリムトのデビューから晩年までの遍歴がよく分かる展示だった。

 

 

 

 

 

 

ワインとか気になったのだけど、いろいろ買ってるときりがないのでポストカード4種のみ。物販外にピンバッチのガシャポンがあったけど500円だったので諦め😞 でも、ミュージアムショップの缶バッチのガシャポンが200円だったのでやってしまった😅

 

ということで、大満足の企画展だった!😃 興味があるけど迷っている人は是非見た方がいいと思う。Tweetにも書いてるけど、見れる機会があるなら本物を見るべき! テレビや画像で見るように細かい部分までズームして見ることは出来ないけど、本物の放つオーラは実物を見ないと得られない。本物は絶対オーラが違うから! と熱く語っておく😅

 

🎨クリムト展 ウィーンと日本1900:2019年4月23日~7月10日 @東京都美術館

公式】クリムト展 ウィーンと日本1900

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