2019.09.07 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』鑑賞@TOHOシネマズ日本橋
製作のニュース聞いてからずっと見たいと思ってた。試写会ってあったっけ? ディカプリオ来日ジャパンプレミアあったよね? いずれにしてもハズレです。ここ最近利用しているWOWOWで割引券購入→ムビチケ購入→TOHOサイトで予約の手順で1,200円で鑑賞。朝一の回で見てきた~
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「1969年ハリウッド。西部劇のスターだったリック・ダルトンは時代の流れに取り残されて、現在では端役ばかり。リックのスタントマンで親友のクリフ・ブースも仕事にあぶれている。リック宅の隣に、最近人気の監督ロマン・ポランスキーと新進女優のシャロン・テートが引っ越してきて・・・」あらすじというか導入部という感じかな。これはホント面白かった! ダルトンとブースにはぞれぞれモデルとなった人物がいるけれど架空の人物。でも、そこにロマン・ポランスキーなど実際の人物が関わってきて、虚実入り混じる。後に詳細を入れるけれど、今作には実際の事件が大きな役割を果たしており、それがハラハラさせる展開を演出し、さらにビックリなオチへと向かう。それがホントにおもしろかったし、最初に張られていた伏線が回収されるのも楽しい😍
クエンティン・タランティーノ監督作品。作品は『パルプ・フィクション』と『ジャッキー・ブラウン』以外は見ている。『ヘイフル・エイト』の感想はコチラ。『パルプ・フィクション』もHDDに入ってるから見なきゃ!( ←見ました!) そんなに詳しくはないけど好きな監督。新作出たら見ちゃう程度にはファン。
作品について毎度のWikipeidaより引用。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(原題:Once Upon a Time in Hollywood)は、2019年のアメリカ合衆国、イギリスのスリラー映画。 1969年にハリウッド女優シャロン・テートがカルト集団チャールズ・マンソン・ファミリーに殺害された事件を背景に、ハリウッド映画界を描いた作品。クエンティン・タランティーノが監督を務め、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピットの初共演作品。 英The Telegraph紙によると、リック・ダルトンのモデルがバート・レイノルズ、彼のスタントを務めていたハル・ニーダムがクリフ・ブースであると記されている。
2019年5月21日、第72回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映された。アメリカ合衆国では7月26日に公開された。日本では8月30日に公開された。 映画批評家レビュー集積サイト「Rotten Tomatoes」では、2019年8月31日現在、486件のレビューがあり、批評家支持率は85%、平均点は10点満点で7.81点となっている。「Metacritic」には、61件のレビューがあり加重平均値は83/100となっている。 第72回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、観客から6分間のスタンディングオベーションを受けた 。主要各賞の受賞はならなかったが、作中でクリフの飼い犬・ブランディを演じたアメリカン・ピット・ブル・テリアのサユリにパルム・ドッグ賞が与えられている。
本作は2019年7月26日に米国公開を迎え、28日までの3日間で興行収入4,035万ドルを記録した。タランティーノ監督作品としては『イングロリアス・バスターズ』(2009)の3,805万ドルをしのぎ、歴代最高のオープニング興収スタートとなった。 日本では8月30日より全国320スクリーンで公開した。土日2日間で動員17万人、興収2億2600万円をあげ、6位となった。これは2016年に公開された前作『ヘイトフル・エイト』の興収比476.6%と大きく上回る成績である。とのこと。
また、今回重要な要素となるシャロン・テートについてもWikipeidaから引用しておく。シャロン・マリー・テート(Sharon Marie Tate、1943年1月24日 - 1969年8月9日)は、アメリカ合衆国の女優。テキサス州ダラス出身。妊娠中に狂信的なカルト信者らに刺され、26歳で母子ともに亡くなった。
1960年代にテレビの人気シリーズに出演し、その後、映画に進出した。映画『吸血鬼』で共演したのが縁で1968年1月20日に映画監督のロマン・ポランスキーと結婚したが、翌1969年8月9日、狂信的カルト指導者チャールズ・マンソンの信奉者達の一人、スーザン・アトキンスら3人組によって、一緒にいた他の3名の友人達と、たまたま通りがかって犯行グループに声を掛けた1名と共にロサンゼルスの自宅で殺害された。
マンソンはシャロンの前にその家に住んでいたテリー・メルチャーが、マンソンの音楽をメジャーデビューさせられなかったことを恨みに思っていた。当時シャロンは妊娠8か月で、襲撃を受けた際に「子供だけでも助けて」と哀願したというが、それが仇となりアトキンスらにナイフで計16箇所を刺されて惨殺された。ポランスキーは、生まれることなく死んだわが子にテートと自らの父の名を取ってポール・リチャードと名付け、テートとともに埋葬した。とのこと。
えーと、大変長い作品でラストまでは特別大きな事件が起きるわけではなく、わりと淡々と主人公2人の関係とか、ハリウッドでの撮影風景などでつづられる。でも、一見関係なさそうなそれらの出来事が、終盤になってつながっていく。例えば、ヒッピーの少女たちが街を歩いて姿をダルトンとブースが見ていると、中の1人とブースの目が合う。そういうのが何度か出てくる。単純に男として彼女に興味があるという描写だと思っていると、実はこれが重要な伏線だったりする。なので、実はどのシーンも見逃せない。でも、それらを事細かく書くのは無理なので、適当に割愛します。毎度どうでもいいかと思うけれど、断り書きとして入れておく😌
えーと、冒頭はどんな感じで始まったかな。かなりかっこよかったように思うのだけど。自分の記憶にあるのは、リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)とクリフ・ブース(ブラット・ピット)の2人が車でどこかに向かっているシーン。結構この車内の映像がよく出てくる。後部座席から運転するブースと助手席に座るダルトン越しに、フロントガラスから景色を映したりするような。これは何か元ネタあったりするのかな? 車を止めてドアを開けるとタバコの吸い殻が零れ落ちてくる。導入部から軽快でとても好き。
2人がバーで飲んでいると、プロデューサーのマーヴィン・シュワーズ(アル・パチーノ)から声をかけられる。マーヴィンはダルトンのファンで、現状を考慮してイタリアの西部劇への出演をすすめられる。この時に、これまでダルトンが出演してきた作品やテレビ番組などの再現映像が流れるのだけど、もうホント一瞬しか映らないのにめちゃくちゃ作りこんである。こういうの嬉々としてやってるんだろうなと思って見ている側もニヤリ😁 うち1本のナチスの組織に入り込み、火炎放射器で皆殺しにするシーンは後の伏線。
2人がダルトンの家の駐車場に車を止めると、隣に最近人気の映画監督ロマン・ポランスキー(ラファル・ザビエルチャ)と、妻で女優のシャロン・テート(マーゴット・ロビー)の車が止まる。最近、隣に引っ越してきたのだった。事前にシャロン・テート事件がカギになっていることは知っていたので、ある程度調べていたこともあり、この後どう絡んでくるのかと考える。
ちょっと順番は忘れてしまったけれど、シャロンの登場は空港で、ヴィトンのトランクをたくさん重ねたカートをポーターに押してもらって車に乗り込むシーンから。ダルトンの隣人ではあるけれど、特に接点はない。なので、この後もダルトンたちとは別に、シャロンの行動を追うような映像がたびたび入る。シャロンが死んでしまうことは知っているわけだから、いつどんな形で襲われるのかとドキドキしてしまう。そして、シャロンを演じるマーゴット・ロビーがかわいい。衣装やメイクがいちいち素敵✨
ダルトンは独身でプール付きの豪邸に住んでいて、ブースはダルトンのスタントマン兼運転手のようなことをしているらしい。とはいえ、2人は親友という感じなので、運転手としてのお給料をもらっているのかは不明。ダルトンからアンテナの修理を頼まれるけど、日常的にこういうことがあるのかもしれない。この件についてもバイト代的なものが出ているのかも不明。そもそもスタントマンとしてダルトンが雇用しているのかどうかも分からない。全体的にダルトンがブースを頼っているという印象で、落ち込んだ時に慰めてもらったりと精神的にも支えてもらっている。
代わりにダルトンは馴染みの監督などにブースを使ってくれるよう頼んだりしている。ブースには今回の監督には頼めないから期待するな的なことを言っているけど、結局は頼んでくれる。そのあたりがダルトンの憎めないところで、そういう部分をディカプリオが的確に演じている。
ブースの家がなかなか面白かった。ダルトンの家から結構車を走らせると、ドライブシアターが見えてくる。そこに入っていくので、てっきり映画を見るのかと思ったら、その脇に止めてあるトレーラーハウスがブースの住まい。ブースはブランディという犬を飼っており、この犬に缶詰のドッグフードをあげるのだけど、お皿を洗ったことがあるのか?というくらい汚い。もちろん、中年男性の1人暮らしの感じを演出しているのは分かる。そして自分も缶詰を鍋にあけて温めてテレビを見ながら食べる。とても清潔な環境とは言えないけれど、それなりに楽しく暮らしている感じで悲惨な印象はない。そしてブースのキャラと合っていると思う。
ブースがダルトンの家のアンテナを直していると、一台の車がやって来る。車はポランスキー邸に入り、男が車を降りてくる。シャロンの元恋人のジェイ・セブリング(エミール・ハーシュ)が対応すると、男はテリーを探していると言う。セブリングがここはポランスキー邸であることを告げると男は帰っていく。この意味があまり分からなかったのだけど、これはマンソン・ファミリーが前の住人と間違えてシャロンを殺してしまったことの伏線なのかな?🤔
ダルトンはちゃんとブースの仕事を取ってくれたので撮影所に向かうと、人だかりができており中心にいたのはブルース・リー(マイク・モー)だった。内容は忘れちゃったけどブルース・リーはなにか得意げに語っていたんだよね。おそらく周りの人々もちょっと引き気味に見てたと思うけれど、ブースは馬鹿にしたように笑ってしまい、それが怒りを買いブルース・リーと対決することになる。ブルース・リーは自信満々だけどブースにボコボコにされてしまう。ブルース・リーってこんな人だったのかな?🤔
このケンカの際、コーディネーターのランディ(カート・ラッセル)の妻の車を傷つけてしまう。ランディはブースが妻を殺したという噂を信じていて、そもそも敬遠していたのをダルトンに頼まれて使うことにしたのに、こんな目にあったのでブースはクビになってしまう。
一方ダルトンはジェイムズ・ステイシー(ティモシー・オリファント)主演の『対決ランサー牧場』に悪役として出演することになる。前日からセリフの稽古に余念がなかったのに、緊張からかお酒を飲み過ぎてしまい、たびたびセリフを忘れてしまう。落ち込んだダルトンはオープンセットの玄関ポーチで、分厚い本を読む少女女優トルーディ・フレイザー(ジュリア・バターズ)と話をする。最初は面倒くさそうに対応していたトルーディだったけれど、自らの女優論を語ったりと熱が入り、ダルトンは思わず泣いてしまう。このシーンは面白かった。
この会話が功を奏したのかダルトンは素晴らしい演技を披露。トルーディにも絶賛される。これには監督のサム・ワナメイカー(ニコラス・ハモンド)も大満足。そうそう!この作品に出演するウェイン・マンダー役として、先日亡くなったルーク・ペリーが出演していて感慨深かった。今作が遺作なのだそう。「ビバリーヒルズ高校白書」のディラン好きだったよ😭 ご冥福をお祈りします🙏
その頃、シャロンは一人で街をブラブラしていた。この時の黒のタートルネックに白のミニスカート、そして白のブーツという姿がめちゃめちゃカワイイ😍 実際のシャロンは自宅で殺害されたわけだけど、1人で無防備に歩く彼女をストーキングするようなカメラワークで、なんだか自分が犯人の視点になっているような気分になり、とても不安。
シャロンは映画館で自分が出演している映画が上映されていることに気づき見てみることにする。最初はチケットを買おうとするけれど、思い直して自分は出演者だと言ってみる。チケットブースの女性は不審がり、マネージャーも登場したりするけれど、シャロンがポスターと同じポーズをとると納得。ポスター前でポーズする姿を写真に撮り、ただで入場させてくれる。この時のやり取りがカワイイ😘
スクリーン上で上演されていたのはマーゴット・ロビーの吹き替えではなくて、実際のシャロン・テートだったと思うのだけど違うかな? そうそう、実はブルース・リーはシャロン・テートにアクション演技の指導をしていたのだそう。この映画はコメディなのかな? シャロンの周りでは笑いも起きていてご満悦。そしてブーツを脱ぎ前の座席に足を乗せる。画面いっぱいにシャロンの(マーゴット・ロビーの)足裏が映し出される👣 これ個人的に気になったポイントだった。なぜ足裏を見せるのか?🤔
シャロンに不審者が近づくようなこともなく、彼女はご機嫌で帰って行く。シャロン・テート自身については全く知らなかったのだけど、どうやらとっても性格のいい方だったようで、天使のようだったと語った人がいると何かの記事で読んだ覚えがある。そのあたりが反映されているのか、行動がいちいちカワイイ😍
一方、ブースは車の運転中にヒッチハイクをしている例のヒッピーの少女を見かけ、車に乗せる。チラチラ見てた時にはかわいらしい少女だったのに、車に乗せたらやたらと大胆で、ブースを手玉に取ろうとするような態度。だけどブースは全く動じず、未成年には手を出さないとサラリ。これはカッコイイ。少女はプッシーキャット(マーガレット・クアリー)と名乗り、足を上げてフロントガラスに裸足の足裏👣を見せつけてくる。足裏をやたらと見せて来るのは何か意味があるのかとTwitterでつぶやいたら、タラファンのお友達のmigちゃんがタランティーノが足フェチだからで、他の作品でもよく足裏を見せていると教えてくれた。まさかの理由だった!😲
ブースはプッシーキャットがスパーン映画牧場で仲間と暮らしていると聞き興味を覚える。スパーン映画牧場には撮影で何度も行ったことがあり、管理をしているジョージ・スパーンとは知り合いだった。牧場に着くと不思議な雰囲気。みな何かを隠している様子。慌ててチャーリーという人物を呼びに行くように言う。実はこれがあのチャールズ・マンソン(デイモン・ヘリマン)なのだった。どうやら馬に乗って山道を歩くツアー的な商売をしているみたいなのだけど、実際のマンソンもやってたのかな? とりあえずWikipediaのリンクを貼っておく。
男と対決したりしてメンバーたちの敵意を一心に浴びつつ、スパーンの家に向かう。そこにはスクィーキー(ダコタ・ファニング)ら女性たちがいる。このスクィーキーたちが怠惰な感じで過ごしつつ、外の異変を感じている描写が度々差し込まれていて、どこにつながるのだろうと思っていたらここだった。家の中はどこも散らかっていて、キッチンなどではネズミが走り回っている。絶対に住みたくない😱 スクィーキーは嘘をついてブースを追い払おうとするけれど、結局はブースがスパーンと会うことを認める。
ジョージ・スパーン(ブルース・ダーン)は失明しており、汚部屋のベッドで寝ていた。ジョージ・スパーンは実在の人物だけど日本語版Wikipediaはないので英語版を読んでみたところ、確かにマンソンファミリーと共に暮らしていたようで、チャールズ・マンソンは盲目の老人であるスパーンとの性的関係をファミリーの女性に命じたという記載があったので、この辺りは本当の話なんだね。実際のスパーンがどういうきっかけでマンソンファミリーに乗っ取られてしまったのか不明だし、映画でもその辺りのことは語られないのだけど、とにかく現在のスパーンは生きる屍状態。会話もチグハグで成り立たない状態で、本人としてはここから離れる気持ちはないらしい。ブースとしてもなすすべもない。
実際のスパーンはシャロン・テート事件の後結婚したらしい。その後5年ほど生きて1974年に85歳で死亡している。なので、映画で描かれているほど悲惨な状態ではなかったのかもしれないけれど、タランティーノとしてはスパーンをあくまで被害者として描きたかったということなのかな。人間の尊厳を奪われたような状態のスパーンの姿に見ていてショックを受けたので、そう感じたのかもしれないけれど、本当のところは分からない。でも、この一連のシーンのブースがカッコよくて、スパーンのことを諦めて帰る姿まで哀愁があって素敵だった😳
シーン変わって数ヶ月後。どうやらダルトンとブースはイタリアで映画に出演していたらしい。さらにダルトンはイタリアで結婚したらしく妻のフランチェスカ・カブッチ(ロレンツァ・イッツォ)を連れて3人で帰国する。3人はレストランで食事をする。同じ頃、妊娠中のシャロンも友人たちとレストランで食事をしていた。ここからは、この2つの視点が交互に描かれてるのだけど、シャロン・テート事件のことを知っていると、シャロン側のシーンはまるでモンタージュというか、再現ドラマというか上手く言えないけど、とにかく事件までのカウントダウンが始まっているという感じで、ドキドキしてしまう。この作りはさすがだなと思った。
ブースは愛犬ブランディを散歩に連れて行き、フランチェスカは時差ボケで寝室にいた。ダルトンはキッチンでカクテルを作っていたが、自分の敷地内に見慣れぬ車が止まっていることに気付き、エンジン音がうるさいと彼らを追い払う。けっこう強めに追い払っていて少し気になったのだけど、これが引き金となる。
実はこの車に乗っていた男性1人女性3人の4人組はマンソンファミリーで、チャールズ・マンソンの指示でポランスキー邸の前の持ち主テリー・メルチャーとその家族を殺害に来たのだった。そんなこととは知らずシャロンは友人を自宅に招き楽しんでいた。言い方は悪いけれどメンツは揃った状態だったわけだけれど、その実行犯をダルトンが追い払った形に。
実行犯たちは自分たちを追い出したのがリック・ダルトンであることに気付き、自分たちに殺人を教えたのはダルトンのような俳優であるという謎の理論でダルトン殺害を決意する。しかし、中の1人の女性はこの考えを受け入れられなかったようで、屋敷に向かう3人を置いて車で去ってしまう。退路を断たれた3人はより決意を固めてダルトン宅へ向かう。
ここからはもう実際見ないと伝わらないのだけど、タランティーノお得意のバイオレンスでありながら、コミカルで笑ってしまう。ファミリーがダルトン宅に入ると家にいたのは散歩から戻ったブースとブランディ。銃を突きつけられるもブースは動じずブランディに合図をすると、ブランディが主犯格の男に襲い掛かる。一方ブースは女性だろうと手加減せずボコボコにやっつける😝
この間、図らずも標的となったダルトンはプールでゴムボートに浮かび、ヘッドホンで音楽を大音量で聴いていたので騒動に全く気付かず。この様子も切り替わり映像で見せられていて、その呑気な感じとブース無双感、そして意外に肝が据わって悪態をつくフランチェスカなどコミカル要素になっている。そして、今回自分が声出して笑っちゃったのが、ブースの攻撃から逃れてプールに飛び込んできた女性を、ダルトンが以前撮影で使った火炎放射器で焼き殺すシーン。イヤ、本来笑えることではないと思うけれど、それを笑えるシーンにしているところがタランティーノ節ってことなのかなと。ちなみにこの火炎放射器は、アル・パチーノとの会話で回想シーンとして出てきたナチスを焼き殺した火炎放射器。本物だったのか?!😲
シーン変わって警察と救急車が到着しており、ブースは手当てを受けている。派手に撃退したものの、正当防衛なので特別お咎めはないでしょう。ブースは病院に運ばれ、それを見送ったダルトンが家に入ろうとすると、シャロンたちが何があったのかと声をかけてくる。初めて自己紹介し合うと、シャロンはダルトンを家に招き、ダルトンはそれに応えてポランスキー宅へ向かう。映画はここで終了。
ラスト20分でダルトンとブースが奇跡を起こすと聞いていたのだけど、まさかこういう奇跡だとは思わなかった🤣 前述のWikipediaの抜粋にもあるけれど、ダルトンとブースのモデルとなっているのがバート・レイノルズとハル・ニーダムであるというのは事前に何かの記事で読んでいて、その記事に後にハル・ニーダム監督してバート・レイノルズ主演で『キャノンボール』を撮ったと書かれていたので、てっきりそのことが描かれるのかと思っていたら、まさかのシャロン・テート事件を未然に防ぐ役どころだったとは! 恐れ入りました🙇
タランティーノは1963年生まれだから、今作の舞台となる1969年は6歳だった。6歳の少年にはこの頃の印象は強烈だったのかな。あまり詳しくないけれど、ヒッピーとかカウンターカルチャーとかが流行って、古き良きアメリカが淘汰された時代だったのかな。その象徴が今は落ち目の役者であるという主人公2人。そして、シャロン・テート事件なのかなと思う。それをああいう形で終着させたことにはやっぱり意味があるのでしょう。
キャストはアル・パチーノやダコタ・ファニングが出ていたりとなかなか豪華で、かつブルース・リーなど実在の人物が大勢出て来るのだけど、長尺見てても3人芝居と思えるくらい、主役3人の存在感がスゴイ! マーゴット・ロビーは実はセリフはあまり多くなく、ただ歩いているシーンとかが多いのだけど、とにかくキュート。シャロン・テートは人違いで殺されてしまったわけだから、彼女自身に全く落ち度はないわけなのだけど、殺されてしまったことを知っているからなのか、ただ歩いているだけでも心配になってしまう危うさ。その無防備な感じがとても良かった。
前作で念願のアカデミー主演男優賞を獲得したレオナルド・ディカプリオ。今作はディカプリオの方が主役なのかしらね? 落ち目俳優の焦りとか、それでもどこかいい加減な感じとか、でもちゃんとブースのことを頼んでくれる感じとか、とても人間臭いダルトンを好演していたと思う。トレーラーの楽屋で前夜プレッシャーから飲み過ぎてしまったことや、それゆえ失敗してしまったことを悔やんで、自分に対して怒るシーンがスゴイ好き。分かる分かる。とっても親しみが持てた。ダメ男ではないのだけど、ほのかにダメ男の香りがする感じを、おそらく本人も楽しんで演じているっぽい。
そして今回とっても良かったのがブラット・ピット! ブラピ出演映画の感想を書くたびに書いていると思うけれど、そもそもは演技派ということで売り出したっぽいのに、見た目での人気が先行してしまった印象。海外ではどうなのか詳しくないけど、日本では"ブラピ様"というような売り方で、自分としては拒否反応があった。"イケメン医師"とか"美人過ぎるアスリート"とかそういう売り方好きだよね日本のマスコミ🤨 見た目がいいのもその人の武器だけど、なんだかそこだけが重要で軽く扱われている気がして好きじゃない。そんな売り方に反発してブラピをそんなにイケメンと思ったことがなかった。しかし今作! めちっちゃカッコイイです! ブースって別に理想の男というわけではないけど、大人の男の色気がプンプンしていてめちゃめちゃカッコよかった😍 つい熱く語っておりますがファンではないです😅
タランティーノお得意の時系列の入り繰りは今回そこまでじゃなかったかな。ただラストに向かってシャロン視点とダルトン視点とブース視点が入り繰る感じがドキドキしておもしろい! 今回ハリウッドが舞台ということで、映画マニアぶりを発揮しているけど、コチラの知識が不足していてついて行けていない気がするの残念😥 でも、例えばダルトンが『大脱走』のオーディションを受けてたって話が出ると、そのシーンが再現されたりするのだけど、それが本筋に関係あるかというと全然なくて、でもとってもしっかり作り込んである。そのオタクぶりがホント好きだし、きっと嬉々としてやってるんだろうなと思うとニヤニヤしながら見てしまう😀
60年代を再現したセットや衣装がとても素敵。特にマーゴット・ロビーが着こなす60年代ファッションが全部カワイイ。賛否両論というほどではないけど、イマヒトツと感じている方もいるっぽい? 個人的にはとっても好きだった。
タランティーノ作品としてはクセが少ない気がするので誰でも楽しめると思う。デートにもいいんじゃないかな? 全方向にオススメ。ブラット・ピット好きな方必見だと思う!
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』公式サイト