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【art】「国宝燕子花図屏風展」鑑賞@根津美術館

2010-05-30 16:41:31 | art
'10.05.16 「国宝燕子花図屏風展」@根津美術館

最近いろいろ忙しくて、なかなか美術館に行けない。企画展はもちろんだけど美術館のあの落ち着いた雰囲気と、スペシャルな感じが好き。アートに触れるのは心が豊かになって幸せになる。今回は尾形光琳の「国宝燕子花図屏風展」を中心とした琳派のコレクションを一挙公開するという企画展。表参道にある根津美術館は東武鉄道創始者の根津嘉一郎氏が設立した美術館。日本・東洋の古美術を約7,000点所有。平成18年から3年半かけて新創工事を行った。その新創記念特別展 第5部。


入口のポスター

【展示室3 仏教彫刻の魅力】展示室は1、2階で6室。それぞれそんなに広くない。入口入ってすぐのホールも展示室の1つで、ここでは主に中国の仏像を中心に展示。気になったのはクシャーン時代の弥勒菩薩立像。このお顔は完全に男性。仏像を作る際にはたしか33の決まりごとがあって、その中に両性具有であるという項目があった気がする・・・ なので、仏像はどこか中世的なお姿なのかなと思っているのだけど。クシャーン時代(クシャーナ朝)は、ガンダーラ仏教美術が栄えた。このガンダーラ美術はギリシャ美術の影響を受けているとのことで、このお顔も彫りが深くギリシャ彫刻っぽい。平安時代に作られた地蔵菩薩のお顔と比べると興味深い。やっぱり人は自分達に近い姿に親しみを感じるのかも。

もちろんメインは展示室1、2の企画展だけど、2Fのコレクション展も見たので、先に軽くご紹介。2Fには3つの展示室がある。それぞれそんなに広くなく、3方の壁にそって展示ケースがあるので、並んで順番に見る感じ。【展示室4 古代中国の青銅器】は紀元前13世紀のものなど、スゴイとは思うけれど、あんまりグッとくるものはなかったので流し見。

【展示室5 花模様の器】 は名前のとおり花モチーフの器が並ぶ。肥前が多い。肥前の「色絵梅文変形皿」は形が変わっててかわいい。青い小さな花模様。古清水の「色絵秋草文三段蓋物」は青と緑の色合いがイイ。ここでの見ものは野々村仁清作「御深井釉菊透文鉢」と「百合形鉢」 仁清といえば淡い色合いの透明感のある絵付けが思い浮かぶけれど「御深井釉菊透文鉢」は淡色。といっても釉などで微妙な変化を起こしている。直径25~30cmくらいのどんぶり型の器は大胆に菊の型抜きしてある。この花型がポップ。これは今でもぜんぜん古くない。江戸時代の作品とは思えない。「百合形鉢」は文字とおり百合モチーフ。百合は情緒に欠けるとされており、江戸後期にならないとモチーフとして使われなかったのだそう。仁清が最初に使ったというわけではないだろうけれど、モチーフとして新しく斬新だったであろう百合を使うというのはさすがという感じ。

【展示室6 燕子花図屏風の茶】昭和6年に「燕子花図屏風」を披露するために催したお茶会を再現。展示室奥に茶室を展示。お茶のことはあまりよく分からないのだけど、茶室というのは本当に空間に無駄がない。この展示室で良かったものを2点ご紹介。「芽張柳蒔絵棗」 棗(なつめ)とはお抹茶を入れる茶器。芽張柳とは芽生えようとしている柳。たぶんその柳の芽の細かい模様が、ちょっと赤みのある棗にビッシリと描かれている。これはかわいい。箱には表千家六代覚々斎が”大出来”と書いたとのことで、この棗の出来栄えの素晴らしさを裏付けている。さらにこれ”織部所持”との記載もあるそう。あの古田織部が持っていたのかと思うと感慨もひとしお。そしてもう1点が小堀遠州作「茶杓 共筒 銘 五月雨」 茶杓とはお抹茶をすくう木製のお匙のようなもの。10~15cmくらいの耳かきの大きい版みたいな形。やや飴色でスッキリした姿が美しい。ふしの部分に小さな虫食いを見つけた遠州がこれを星に見立てて「五月雨 星ひとつ見つけたる夜のうれしさは 月にもまさるさみたれのそら」という古歌を銀粉字形で筒書としている。その独特の書体もおもしろい。さすが茶人ビッグネーム小堀遠州。

【展示室1、2 国宝燕子花図屏風】さて前置きが長くなったけど、いよいよ本日メイン「国宝 燕子花図屏風」のある展示室1、2のご紹介。ここは琳派とその時代のビッグネームの作品が並ぶ。野々村仁清「色絵山寺図茶壷」 本阿弥光悦の「和歌色紙」など、さすがの存在感。光琳の弟緒形乾山の「銹絵梅図角皿」の四角いお皿の外側に梅の花をデザイン化した模様を描くなど、斬新で遊び心ある器はさすがという感じだけど、彼の絵「ぶりぶり毬杖図」がかわいい。毬杖というのは先端に円柱状もしくは多角形の道具をつけた杖で毬を打ち合うポロのような球技で、ぶりぶりというのはそれを紐につけたもの。薄い茶色などの暖色系で描かれた毬がかわいい。その他おもしろかったのは酒井抱一の「七夕図」 これは乞巧奠という、吉凶を占う際に用いられるもの。角盥に水をはり、その上に麻の糸を張り、五色の糸を掛けるというもの。これ以前「皇室の名宝展」で、葛飾北斎がスイカを角盥、スイカの皮を糸に見立てて描いたものを見たことがある。その正解版とでも言いますか・・・。酒井抱一の絵は個人的に大好きな伊藤若冲や光琳などの大胆みたいなものはない気がするけれど、その繊細さと品の良さが好き。この展示の最後の方に鈴木其一の「夏秋渓流図屏風」がある。これ以前見たことがある気がするのだけど、これは斬新。なんという鮮やかな色彩。右隻に夏、左隻に秋を描いていて、右から左へ水の流れを表現している。その色の濃さ。ランダムに見えて、きちんと計算されて配置された木々。その鮮明な色に圧倒される。そして、それぞれの中央に配された山百合の花の白と、紅葉した葉の赤が効果的。これは今見てもぜんぜん古くない。デザイン化された笹の葉もいい。これはスゴイ。其一は好き。

さていよいよ「国宝燕子花図屏風」について。でも、その前にもう1点(笑) 「誰が袖図屏風」は光琳が活躍する少し前、彼が子供だった時代に描かれた作品。呉服屋なのか、単純に干しているのか分からないけれど、たくさんの着物の柄が大胆で繊細。尾形光琳の実家は、京都の呉服商雁金屋。このような色や柄の様々な着物を毎日見ていたことになる。光琳は初めは狩野派の絵を学んだそうだけど、俵屋宗達や本阿弥光悦に傾倒していったとのこと。この2人のコラボで好きな作品は「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」(今回展示なし) これは右から左に向かって羽ばたく鶴を描いた宗達の絵の上に、光悦が書を書いたもの。この宗達の鶴がいわゆるパターン化ということなのかなと思う。幼い頃から親しんだ着物の図案もパターン。そしてそれが本日の1枚「国宝燕子花図屏風」へとつながっていく。これは伊勢物語 第9段 八橋を描いたもの。金地に右隻から左隻に波打つように連続して描かれる燕子花は、実はパターン化されていて、同じパターンを組み合わせて描かれている。それは作業の効率化もあると思うけれど、均整とういうことなんだと思う。一見ランダムに見えても均整がとれたものは、見ていて安心するし落ち着く。大胆かつ繊細。そしてこれグラフィックアートだと思う。この作品の銘は法橋光琳となっており、法橋とは絵師や医師に与えられる官位で、光琳は元禄14(1701)年に法橋になったのだそう。なるほど納得。この作品、何度か見ている気がするけれど、いつ見ても新鮮。さすがだなと思う。


お庭から見た美術館

というわけで、いろいろ楽しめておもしろかった。そして、この美術館はお庭が素晴らしい。表参道とは思えない静けさと、落ち着いた雰囲気。やや終わりかけだけど、燕子花が咲き乱れる池がスゴイ。是非、散策を。


チケもかわいい


★「国宝燕子花図屏風展」:2010年4月24日~5月23日
根津美術館

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【cinema】『第9地区』

2010-05-16 01:32:52 | cinema
'10.05.01 『第9地区』@TOHOシネマズ六本木

これは見たかった! 歯医者さんの後、15:30から恵比寿で予定があったので、空き時間どうしようかなと思って調べてみたら、12:20からの回にまだ空席あり! これは見ないとってことでオンライン予約したけど、取れた席は最前列の左端(涙) 映画の日だということを忘れていた… 最前列でエイリアンに耐えられるのか、若干不安だったけど、行ってきた!

*ネタバレしてます! そして熱弁(笑)

「28年前、ヨハネスブルク上空に突如現れた巨大な宇宙船。政府に保護されたエイリアン達は、第9地区に隔離された。2009年現在、彼等の居住区はスラム化し、治安や環境の悪化が問題となっていた。政府は彼らを郊外へ移すことを決定。超国家機関MNU職員のヴィカスはその責任者に抜擢されるが…」という話。これはおもしろい! 何より人種差別や、環境問題、治安悪化などに対する政府の姿勢を痛烈に批判しつつも、エイリアン映画としての娯楽性もしっかりあって、何よりラストが切ない。ほぼ斜め左から見る感じで、だいぶ辛かったけど、一気に見てしまったという感じ。

主人公ヴィカスのキャラがいい。超国家機関というのが、いまひとつピンとこないんだけど、その機関のプロジェクトの責任者となれば、それなりにエリートだと思う。でも、最初に画面に登場するヴィカスは横分けであんまりイケてない 大抜擢にはしゃいでいる感じもイケてない(笑) テレビの取材なのか、デスクで妻の写真を見せながら語る姿も… しかも、この抜擢どうやら上司が妻の父親だからという感じ。でも、この導入部分でヴィカスのイケてなさを描いているから、彼の衝撃の運命の悲しさや、それに必死で抗う姿が際立つ。どんどん変身して行くのは、姿だけではない。彼自身も変化していく。

いまさらな感じもあるけど、この作品のおもしろさは、エイリアンの描き方とドキュメンタリー手法。エイリアン映画はそんなに好んで見るジャンルではないけど、今まで見てきたエイリアンの中で一番ヒドイ(笑) 『スラムドッグ$ミリオネア』のスラムみたいな、俯瞰の第9地区の画。これ、オマージュかな? ボロボロの小屋に住んでいて、しかも主食がキャットフード! キャットフードを巡って闇市のようなものも出来ている。汚くて、下品。映画史上、こんなヒドイ扱いを受けたエイリアンもないと思う(笑) でも、この設定がないと作品の言いたいことが生きてこない。

そんな彼らの中に、この作品のもう一人(?)の主役、クリストファーがいる。他のエイリアン達とはハッキリ違って、落ち着いて知性がある。彼がエリートなのか、他のエイリアンが長い年月の間に堕落してしまったのか… 発見された時、飢餓状態だったというエイリアン達が、さらに長い屈辱の中、こんなことになってしまうのは分かる気がする。これはやっぱり、舞台が南アフリカであることを考えると、人種差別を示唆しているのでしょう。ナイジェリア人組織も、第9地区で暮らしていて、こちらはもっとヒドイ描かれ方。力を得るのだとエイリアンを食べるわ、異種間売春も行われているという。これ、ナイジェリアから抗議がこないのだろうか?(笑) とにかく"自分達と違う"という理由で、およそ"人間"の生活とはいえない状況に、長い年月放置されれば、"人間らしさ"なんてなくしてしまうということを描いているんだと思う。



と、ここまではエイリアンの現状=人種差別、貧困の現状として描いているであろう側面。逆に、ヨハネスブルク市民側からすれば、難民問題という側面もある。たしかに、突然やって来て、難民化されて、盗みなどやりたい放題やられれば、立入禁止区域などを設けて廃除したくなる気持ちも分かる。それは安易だと、第3者としては思うけれど、市民を守るには強制的に行わなくてはならない部分もある。でも、その結果、追い詰められたエビ達は、より暴徒化してしまうのだけど。そして、ヴィカスが責任者として進める移住作戦となるわけだけど、この作戦がまた行政を皮肉っているのだと思う。どう考えても"人間"の住む環境とは思えない場所に隔離し、話し合いもなく移住を決めたわりに、後々面倒だと思ったのか、同意書にサインをもらうという(笑) そんな話が通じないから、そもそもこんなことになっているのでは? エイリアンなんて殺してしまえばいいくらいに思っている隊員と、足並みのそろわないまま作戦開始。反抗的なエビをすぐに撃とうとする隊員達を止めるヴィカスも、エイリアン達に対する優しさだけではないと思う。もちろん倫理感だけど、自分の任務をとどこおりなく終えたいという気持ちもあるはず。人として立派とは言えないだろうけど、社会人なら業務をまっとうするのは当たり前なので、彼が特別嫌な人というわけではない。この辺りは、現代人を示唆しているのかな。悪戦苦闘しながら同意書にサインをもらおうとする姿をコミカルに描いているので、見ている時にはそんなに深く考えてたわけじゃないけど(笑)

この作戦中、ヴィカスはクリストファーの住居で、ある液体を顔にかぶってしまい、どんどんエイリアンに変身していく。この液体が何なのかは結局明かされない。でも、たしか28年かけて、30cmくらいのシリンダー1本分くらいだったと思うので、かなり貴重もしくは入手困難なものなんだと思う。クリストファーはこれを使って、ヨハネスブルク上空の母船に戻り、母星に帰るつもりだった。ボロボロの小屋の地下に作られた装置が面白い。これ後に『トランスフォーマー』みたいな感じになったりする。見てないので適当だけど(笑) 変身が進むヴィカスを元に戻すためにも、クリストファーが母星に帰るためにも、ヴィカスが浴びてしまった液体が必要ってことで、2人(?)は協力してMNUに乗り込むことになる。この辺りからは相方がエイリアンなだけで、割とよくあるアクション・シーンで、最後第9地区での戦闘シーンまでも、そんなに目新しいことはない。同じ目的を持って共に行動した2人に友情が芽生えるのも、さんざん見てきた気がする。でも、やっぱり感動しちゃったりするのは、王道だからでもあり、相方が斬新だからでもある。

エイリアンとの友情モノも特別新しいわけじゃない。ただ、このビジュアルでというのはあまりないかもしれない(笑) このデザインはスゴイ! さすがWETA。グロでもあるけど、ロックで、ポップ(笑) エビといわれるとおり猫背で、口の部分が『パイレーツ・オブ・カリビアン』のアイツみたいにびらびらしている。イイ(笑) 体の色も基本は緑だけど、油絵のようにぶちぶちといろんな色が混ざっていておもしろい。こんな奇怪な姿をしていれば、確かに恐怖も感じるし、行動が野蛮であれば卑下してしまう気持ちもわかる。でも、28年も前に宇宙の彼方から巨大な宇宙空母に乗ってやって来た彼らは、明らかに高度な文明と頭脳を持っているはずなんだけど、そこはまるっきり無視されているのが象徴的。彼らと上手く共生して、その高度な技術を得る道だってあったはず。でも、そうしなかったことは愚かなのか、そうではないのか… なかなか難しいところだけど、クリストファーに関してならば前者。

多分、人はやっぱり外見で判断してしまうことが多く、そして一度抱いてしまったイメージは、そう簡単に払拭できないということや、差別意識を持った相手には残酷なことも平気でできるのだということを言いたいんだと思う。それはエビ達に対してもそうだけど、変身し始めたヴィカスに対しての方がより分かりやすい。さっきまで仲間だったのに、今では研究対象として、麻酔なしで手術をすると言う。しかも本人の目の前で、本人のことは一切無視して。そういう、もう遥か昔から言われ続けてきた人類の最大の欠点を、人種差別問題や、例えばナチスがユダヤ人に対して行った人体実験として描けばズッシリ重量級な作品にもなるけど、こんな風にサブリミナル式な感じで刷り込むのもありかなと思う。ズッシリ重量級ももちろんいいのだけど、そういう作品って映画好きじゃないとなかなか見ない気がする。でも、SF映画なら普段そんなに映画を見ない人の目にも止まるかもしれない。アカデミー賞候補にもなったし(笑) そういう人達が、ホントに言いたいことや、示唆してることに、見ている時には気づかなかったとしても、クリストファー達の扱いや、ヴィカスがされたことに対して違和感を持てば、ほんの少しでも何かが代わるかもしれない。何より押し付けがましくないのがいい。



低予算で作られたので、役者さん達はほとんど無名。シャルト・コブリーは36歳で初主演。でも、この無名さも良かったんじゃないかと思う。とにかく冒頭の"普通のサラリーマン"感が良かった。液体を浴びて、どんどん具合が悪くなって、お腹壊してるのに、サプライズ・パーティー、トイレに行きたいとは言えず冷汗みたいな(笑) その普通の人の感じが笑える。命からがら逃げたものの、どうしたらいいのか分からなくて、お腹が空いたのでバーガーショップに行っちゃう感じとかも、笑えるけれど悲しい。だって、急に対応できるわけないし。でも、だんだん追い込まれて、アクション満載になっても違和感はなかった。かなり変身が進んで、片目がエイリアンになってしまった頃にはカッコイイと思っちゃってたし(笑) クリストファーのジェイソン・コープは声のみなのかな? お得意のモーションキャプチャーなのかな? でも予算的に? でも、息子(カワイイ)を愛し、母星を愛し、仲間の無惨な姿を悲しむ彼は、とっても紳士。多分、クリストファーは何年かかっても戻って来るはず! だからこそ、ヴィカスは戻ったんだし。結局、2人は最後まで"人間"っぽいのもいい。

いろいろ、熱弁をふるったけど、そんなにいろいろ考えなくてもSFモノとしても楽しめた。もしかすると、ホントのSFファンの方からすると違うのかも? 個人的にはエイリアンが難民として存在してる感じも、集団心理の恐ろしさも、すんなり受け入れられて違和感がなかったのが良かった。想像してたよりもグロくなかったし。爪はかなり痛かったけど… 隣のおねえさんは顔背けてた。でも、手があんなことになっちゃうのは好き! 手から変身が始まったことにも意味がある。それが伏線になっているのもニヤリ

ところで、クリストファー達がヨハネスブルクにやって来たのは28年前。この"28"って『28日後…』や『28週後…』とかもあるし、何か意味があるのかな? 28日といえば月だけど… 謎。

監督はニール・ブロムカンプだけど、製作はピーター・ジャクソン。壮大なスケール感の話であったりもするのに、意外にこじんまりとした世界観だったり、いい意味でのチープ感や、ラストの希望はあるけれど切ない感じは、ピーター・ジャクソンっぽいなと思ったりする。エビ達のデザインがバカっぽいのも(笑)

テンポもいいし、画もいい。"人間とは"ってことも考えさせられた。オススメ!


『第9地区』Official site

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【Googleのロゴ】母の日

2010-05-09 04:35:48 | Google's logo
毎度のGoogleのロゴがこんなことに!



母の日!

もちろん知ってるけど、毎度のWikipediaで調べてみた!

母の日(ははのひ)は、日頃の母の苦労を労り、
母への感謝を表す日。日本やアメリカでは5月の第2日曜日に祝うが、
その起源は世界中で様々であり日付も異なる。
例えばスペインでは5月第1日曜日、
北欧スウェーデンでは5月の最後の日曜日に当たる。

とのことで、詳細はWikipediaで!

あれ? 母の日ってカーネーションでは?

よい母の日を~


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【Googleのロゴ】こどもの日

2010-05-05 02:56:22 | Google's logo
毎度のGoogleのロゴがこんなことに!



こどもの日!

もちろん知ってるけど、毎度のWikipediaで調べてみた!

こどもの日(こどものひ)とは、日本における国民の祝日の一つ。
日付は5月5日である。

祝日法2条によれば、
「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことが趣旨。
1948年に制定。

ゴールデンウィークを構成する日の一つである。

とのこと! 詳細はWikipediaで!

よい子供の日を~


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【cinema】『書道ガールズ!! ~わたしたちの甲子園~』(試写会)

2010-05-05 01:45:14 | cinema
'10.04.27 『書道ガールズ!! ~わたしたちの甲子園~』(試写会)@九段会館

yaplog!で当選。いつもありがとうございます。女子高生が書道をするということと、実話ベースであるということに惹かれて応募。見事当選した。試写状が届いた翌日、rose_chocolatさんのお誘いでレセプションにご一緒させていただいたたので、お声掛けした。

*ネタバレありです!

「"紙の町"四国中央市。四国中央高校書道部では部員のやる気が低下。部員の香奈は、なんとか盛り上げようとするが、書道は真剣にするものであると考えている部長の里子は、部員に辛くあたってしまう。そんな時里子は、臨時教師の池澤に、自分の書をつまらないと言われ、書道に対する気持ちを見つめ直すことになる…」という話で、これは青春映画。すごくベタで、漫画的ではあるけれど、なんだかとっても清々しい気持ちになった。それは、少女達の一生懸命さもあるし、やっぱり"書道"という要素が大きいのかと思う。日本人なので"~道"といわれると、一本筋が通って、ピシッとしたものを感じたりする。

なんというか、青春だなぁという感じがしたし、自分も高校生だった頃に感じていた悩みとか、視野の狭さゆえに人も自分も傷つけちゃう感じとかがグッときた。特に成海璃子ちゃん演じる主人公の里子の生真面目さとか、自分に厳しいから他人にも厳しくしちゃう感じとか。嫉妬とか憧れとかがゴチャゴチャになって、自分の中で上手く処理できなくて、強く言い過ぎてしまう感じが、とってもよく分かる。なんだか似てるなと思ったし。でも、この感じって里子が強めに出ちゃうだけで、外に出すか出さないかの違いで、多少なりとも誰もが思い当たるんじゃないだろうか。人との違いに悩まないのは子供だったからで、視野が狭いのは若くて経験が乏しいから、でも「こうしたい」とか「こうあるべき」と思うのは自我が芽生えたから。でも、自分の思うとおりに行かないのが人間関係。それは相手にも自我や事情があるから。その折り合いを上手くつけられなくて悩む時期こそが思春期なんだと思う。まぁ、この辺りのことはおばちゃんだって今でも悩んでいるのだけど(笑) でも、この時期苦しんだ分、後で絶対役に立つし、折り合いを少しだけ楽につけられると思う。

冒頭、ぽっちゃり女子高生を香奈が追いかけているところから始まる。特に説明もなくしばらく教室や廊下での追いかけっこが続く。ぽっちゃり女子高生の鼻が鳴ってしまったりコミカルなので楽しいけど、やや長いかも。一体なんだろうと思っていると、2人の会話からぽっちゃり女子高生は書道部を辞めようとしていて、香奈はそれを止めようとしていることが分かる。現在部員は部長の里子を初め、やたらと仲のいい男子3人組(書道ボーイズ)、KY(セリフそのまま)な清美、常にヘッドホンで音楽を聴いてる小春と、香奈の7人。それぞれがそれぞれのやり方で書を書いていて、バラバラで楽しくないというのがぽっちゃり女子高生の退部理由。それは香奈がいつも感じていることでもある。里子と並ぶ実力者美央が、部活に来なくなってから、部活が楽しくなくなったという。この辺りは、香奈の言葉だけなので見ている側には、真偽のほどは分からないけど、それは特に問題じゃない。要するに、バラバラだった部員が一つになって、書道パフォーマンス甲子園に出場する話であるということ。そして、語り口としてはこのドタバタ感であるということ。その感じが気にならないでもないし、KYはまだしも、香奈が度々使う「感動した!」(元ネタ:小泉元首相)は、いくらなんでも古いだろうと思うけど、嫌ではなかった。クレジットされてたのか覚えてないけど、その当時の話だったのかもしれないし(笑)

もう一人キーマンとなる人物が登場。書道部顧問となる池澤は、自身も書道家として道を見失っている。自信を失った池澤は、里子達を指導する資格はないと思っている。だから、彼女達にも素っ気ない態度を取ってしまう。でも、気になるので、陰ながら見守っている。という、もうこれは少女マンガのコーチや先生、もしくは先輩の典型的なパターン。正直、池澤自体の感動エピソードみたいのはいらなかった気もするけど、この作品自体が対象といているのは、やっぱり主人公達と同世代の少女達なのだと思うので、そういう意味でそもそも"少女マンガ"であるという作り方なのかなと思う。それは分かりやすくて良かったんじゃないかと思う。

書道パフォーマンス甲子園の四国中央高校チームのテーマは「再生」 そしてそれは、この映画のテーマでもある。東京で働いていると、毎日のように新しいお店がオープンしてるし、再開発も進んでいるから、不況と言われてもあまりピンと来ない。せいぜいデパートが空いてるなということくらい。でも、地方は大変なことになっている… 地方でも都市部ならばここまでじゃないのかもしれないけれど、この作品で描かれる四国中央市の様子はなかなかキビシイものがある。失礼ながら、四国中央市について全く知識がなかったので、どのくらいの規模で、県中心地方からどのくらい離れているのか分からない。製紙工場の煙突が並ぶ海沿いの街には、不況の波が押し寄せ、商店街では店をたたむ店舗が増え、活気を失っている。この映画のモデルとなった愛媛県立三島高校が、パフォーマンスを始めたきっかけも、地元を活気づけたいとの思いから。

この映画の中では、里子の彼氏(未満)の祖父の製紙工場が倒産し、清美の家が祖父の代から続く文房具店をたたむ決意をする。池澤の書道部勧誘パフォーマンスに触発された清美は、閉店セールでの書道パフォーマンスを計画する。思い込んだら周りが見えなくなる清美の姿を、里子は受け入れられない。ワーグナーの「ワルキューレ」に乗せて描かれる池澤のパフォーマンス・シーンから、衝撃を受けた清美が暴走して、里子に怒鳴られるまで、スロー映像などを駆使して、コミカルに描かれるので、イライラし過ぎたり、里子の怒りにビックリしたりすることもない。たしかに墨を撒き散らし、大音量で「王将」をかけて巨大な書を書かれては迷惑だし(笑) ただ、このドタバタ+スロー駆使で墨撒き散らし、周囲の人の顔真っ黒シーンが何度も繰り返されるので、やや飽きるかなという気もする。それは、書道パフォーマンス甲子園開催に協力を頼むため、市役所の敷地内で書道パフォーマンスをするのは、ベタだなと思いつつも感動したりしていたんだけど、こちらも後にもう一度繰り返してしまうのは、ちょっとくどいかなと思ったりもする。でも、自分の気持ちを素直に表現できない気持ちを、書道で表すというのは分かりやすいし、潔いかも。ベタだけど感動してしまったし。

それはやっぱり、彼女達の狭かった世界が、ほんの少しだけど広がって、自分とは違う人の意見や考え方を受け入れられるようになる感じや、そのことによって、違う見方が出来るようになって、書道の本当の面白さを知って、どんどんキラキラしてくる感じが、ベタな語り口ながらきちんと伝わってくるから。成海璃子ちゃん初め、若い役者さんたちは、全ての書道シーンを吹き替えなしで演じたのだそう。だからこれは彼女たちの成長物語でもあるんだと思う。その辺りを狙ったのかは不明だけど、登場人物達と同世代の彼女達が演じることが、上手くリンクしたことは間違いないと思う。

実話がベースとなっている。四国中央市にある愛媛県立三島高校がモデル。平成15、16年に国際高校生選抜書展で連続優勝している実力校。地元の商店街を盛り上げようと、書道パフォーマンスを披露している姿を、南海放送がドキュメンタリー番組として放送。これがきっかけとなって、2008年7月に"紙まつり"の一貫として、書道パフォーマンス甲子園が開催された。これが"ズームインSUPER"に取り上げられて、話題となり今作へと繋がったのだそう。多分、コンセプトや背景などを使っただけで、それぞれのエピソードはオリジナルなんだと思うけど… ちなみに、三島高校、埼玉県立松山高校、埼玉県立川口高校の書道部員は書道パフォーマンス甲子園のシーンに出演している。このシーンも役者さん達は吹き替えなし。墨を含ませると20kgになる太筆を使って描く文字は迫力がある。他の高校がチアガールみたいに派手なパフォーマンスをする中、袴姿の里子達が新鮮。アンジェラ・アキは全然聴いたことなくて、正直個人的には劇中で曲を聴いてもグッと来なかったけど、袴姿の彼女達のたたずまいと「手紙~拝啓 十五の君へ~」は合ってたと思う。ただ、とんでもなくベタなシーンにも使われてしまうのだけど… まぁその後、これまたベタな展開ながら、人に弱みを見せることや、醜態を曝すことをひどく嫌っていた里子の成長を表すシーンもあるのだけど。

若い役者さん達は正直演技は特別上手くはない。でも、その未熟だけど一生懸命な感じが、登場人物達と重なってすごく良かった。清美役の高畑充希の演技が上手いけど、そつのなさが逆に新鮮さが薄まってしまったかなと思ってしまうのは、演技的には拙いところはあるけれど、一生懸命な姿が胸打つ成海璃子ちゃんの存在感にある。この里子役がすごく合ってたと思う。書道教室を営む父の厳格な指導のもと、素晴らしい字は自分と向き合って苦しまなければ、書けないと思っていた。それはもちろんそうだけど、いい書を書くために苦しもうとするのは違う。その感じがすごくよく伝わってきた。自分はこんなに苦しんでいるのに、楽しそうに書く美央の書の方がいいのは何故なのか理解できずに悩む。この辺りの感じをとっても素直に演じていたと思う。そのイライラを上手く消化できないでいる感じは、もしかしたら彼女自身感じていることなのかもしれない。生真面目な感じや、潔さや清々しさが良かった。香奈役の桜庭ななみも演技は正直、特別上手いと思わなかったけど、一生懸命さが伝わってきたし、かわいかったのでよし(笑) みんなより少し早く大人になる美央役の山下リオは、その辺りを自然に演じていたと思う。美少女だけど薄幸な感じも合ってた。里子とは違う生真面目さもいい。

池澤役の金子ノブアキの出演作を見るのは初めて。名前は知ってたけどRIZEの人だったんだね。RIZEのことはCHARの息子しか知らなかったから(笑) 正直、演技は… だったけど、池澤のキャラ自体がコーチ役のパロディという感じなので、まぁいいかなと思った。清美のパフォーマンス・シーンで、電柱の陰で墨だらけになっていたのはおもしろかった。書道ボーイズもおもしろかった。特に書道パフォーマンス甲子園の変なダンスが最高です(笑) 3人のうちの1人中野卓也役は『色即ぜねれいしょん』の森岡龍くんだったんだね! 全然気づかなかった(笑)

質にこだわって良いものを作っているのに、売れないため倒産してしまう彼氏(未満)の祖父の製紙工場、店をたたみ広島へ引っ越して行く清美一家、母が倒れてしまい夢を諦めようとしている母子家庭の美央、中学時代いじめに合い、心を閉ざしてしまった小春、厳格な父と里子との関係、そして地方の現実など、重いテーマをサラリとコミカルに描いている。だから、重くならずに見ることが出来る。それでも、毎日煙りが立ち上る製紙工場の煙突が象徴的。寂れてはいるけれど、地方の風景が美しい。先日見た『RAILWAYS』とはまた違った地方の美しさ。

とにかく、何度も書くけどかなりベタ。アンジェラ・アキ大合唱にはこちらが恥ずかしくなってしまうほどのベタさ(笑) でも、成海璃子ちゃんはじめ、高校生役の役者たちの今しか出来ない、拙いけれど真っすぐな演技を見る価値はあると思う。作品風に言えば「感動した!」ということはないけれど、清々しい気持ちになれる。

おばちゃんとしては、こういう青春を過ごして欲しいなぁ。派手なメイクや、喫煙なんて、大人になったら普通にできる。でも、不器用に傷つきながら、自分の中の葛藤と向き合って、好きなことを好きだというだけで突き進むなんてことは、若い内に経験しておいて欲しいと思ったりする。同世代の人に見て欲しい。


『書道ガールズ!!』Official site

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