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【cinema】『トリスタンとイゾルデ』

2006-10-14 22:43:30 | cinema
'06.10.13 Mッスと『トリスタンとイゾルデ』試写会@科学技術館

またしてもMッスから試写会のお誘い。『トリスタンとイゾルデ』はワーグナーのオペラで有名。悲恋モノのオペラだということを知っている程度の知識だった。今回の映画のチラシで「ロミオとジュリエット」の元になった話であるということを知ったくらい。そもそもはケルトの伝説だった物語を12世紀頃フランスの宮廷詩人たちがまとめたものらしい。

「イングランドの騎士トリスタンは敵対するアイルランドとの戦闘で負傷し海岸に流れ着く。介抱してくれた女性と恋に落ちるが、彼女はアイルランド王の娘イゾルデだった。政略結婚によりイゾルデはトリスタンの育ての親であるマーク王の妻となり・・・」という話。まさに悲恋。イングランドやアイルランドの自然は暗い印象ではあるけど美しく、衣装もセットも美しい。でも・・・ なぜか全体的に重厚感がない。

冒頭部の戦闘シーンは迫力があり引き込まれたし、イングランドとアイルランドの関係や緊迫感もよく分かった。トリスタンとイゾルデが海岸の粗末な小屋で愛を育む姿も美しい。でも、この辺りからなんとなく物語りに入り込めなくなっていく・・・。何故だろう?

お互い愛する人が近くにいるのに傍にいることも出来ない。愛する女は他の男に抱かれる。愛する男も住む城で他の男に抱かれる。耐え難いことだと思う。主役2人もそのように演じているけどイマヒトツ苦悩が伝わってこない。2人は気持ちを抑えきれなくなり過ちを犯すけれど、それもただの身勝手な行為にしか見えない。別に運命を受け入れて自分の職務に徹しろと言うつもりは全然ない。時々自分の感情過多をもてあまし気味の身としては、感情を抑えるのがいかに大変なことかよく分かる。そもそも2人は王と会う前に愛し合っていたのだし、承知で禁断の恋に堕ちたのとも違う。でも何故か共感できない。

全体的に俳優に華がない。トリスタンのジェームズ・フランコもイゾルデのソフィア・マイルズも美男美女だと思うけど大悲恋の主役には華がないかなぁ・・・。トリスタンは繊細なところのある騎士なのでジェームズ・フランコの感じはあってる気もするんだけどただの駄々っ子に見える。イゾルデは少々はねっ返りな姫なので強そうなのはいいんだけど、ソフィア・マイルズに姫感がない。2人の実年齢は知らないけどソフィアの方が5~6個年上に見える。なので最初は駄々っ子とお姉ちゃん。後半は年増女に付きまとわれてる年下男に見えてしまう。と言ってしまったら厳しいかな?

製作総指揮がリドリー・スコットなので戦闘シーンは見ごたえがある。特に『グラディエーター』のような決闘シーンはニヤリ。でも基本的には恋愛悲劇だからなぁ・・・。それなりに見ごたえはあったのに肝心の恋愛部分に感情移入できず残念。


『トリスタンとイゾルデ』公式サイト

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【cinema】『レディ・イン・ザ・ウォーター』

2006-10-10 22:39:03 | cinema
'06.10.09 KTと『レディ・イン・ザ・ウォーター』

M・ナイト・シャマランの作品は何故か全て見ている(笑) ホントに面白かったのは『シックスセンス』くらいだけど。でも『サイン』とかは別の意味で面白かった。前作『ヴィレッジ』もクリーチャーなどがトホホな感じではあったけど、ラストのどんでん返しは面白かったし。

しかしこれ… これは一体何? 「辛い過去を持ち今はマンションの管理人をしているクリーブランド。見回り中のある夜プールで泳ぐ謎の人影を見つけて…」という話し。韓国の妖精伝説も絡んでくるけどファンタジーでもないし。クリーチャーは相変わらずトホホだけど、まぁそれは狙いなのかも。

B級映画も決して嫌いじゃないけど、それを目指して作ったわけでもないと思う。話が破綻してる部分もあるし…。そもそも何が撮りたいのだろ? お伽話なのかな? まぁシャマランなのでってことでしょか。

お得意のどんでん返しも今回は弱い。クリーブランドの役割はいいとしても、辛い過去を持ってる設定も、それと向き合えるようになったのかも不明で生かしきれてない感じ。そもそもキーパーソンを自ら演じてしまうのはどうなんだろ。毎回必ず出演してるけどカメオ出演にとどめた方がいいのでは?

謎の女性ストーリーはブライス・ダラス・ハワード。『ヴィレッジ』以上に浮世離れした役。これはピッタリ。もはや人間離れした雰囲気。演技力もそうだけどあの容姿は独特。彼女はよかった。『サイドウェイ』で話題のポール・ジアマッティはよかったけど、2人の好演も全体に漂うトホホな感じを払拭するには至らず。これもキーパーソンの韓国人女子大生の役がちとウザイ。何故アジア人女性はあんな感じに描かれるんだろ…。

ちょっと変わり者と思われていた人々が実は重要な意味がある人々だったとか、ストーリーの正体が何かとか、一体何しにやってきたのかとかが明らかになって、いわゆるどんでん返し的な部分に至っても、それまでの伏線が単なるご都合主義にしか見えない。そして「だから一体何?」という感じが・・・。だったらいっそのこときちんとファンタジーを描いたらいいのに。それかバカ映画を撮ればいいのに。中途半端。

いろんな映画のオマージュがあったように思うけど、ラストの鷲は『ロード・オブ・ザ・リング』??

ポール・ジアマッティ、ブライス・ダラス・ハワード、ジェフリー・ライトなどちゃんと演技のできる個性派俳優を使った割には残念な感じ。


『レディ・イン・ザ・ウォーター』公式サイト

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【music】THE POGUES LIVE @SHIBUYA-AX

2006-10-07 00:57:14 | music
'06.10.05 THE POGUES LIVE @ SHIBUYA-AX

決算処理の真っ只中にLIVEに行くという暴挙に出てみた。1日くらいなら大丈夫かと思ったんだけど甘かったね。処理に必要な書類が届いたのが18:40! 処理して会社を出たのが19:10。渋谷に着いたのが19:36。タクシーに乗り込み会場入りしたのはほとんど20:00近かった。

当然すでに演奏中。どうやらそんなに遅れなかった模様。かなり入ってる。全然見えない。PA脇ステージに向かって右側にいるというTの元にもたどり着けない。もともと前の方で見るタイプではないので諦めて後方へ。全体を見ることは不可能なので何とかシェインだけでも視界に入れる!すごい熱気。

かっこよかった~! ホントかっこよかった。タバコ吸いながらしゃがれた声で歌うシェーンは完璧にオッサンだけどカッコイイ! MC(と言っていいのか?)も呂律が回らず何を言っているのかサッパリ分からない。でもカッコイイ!

アイリッシュ音楽とパンクの融合。ケルト独特の旋律。どこか哀しい音色。カッコイイけどどこか哀しいのはケルト文化によるものなのかな?

アンコールの頃には超満員で私の前にもどんどん人が流れてきてほとんど見えなくなった(涙) でも盛り上がりも最高潮で楽しい。ドレス姿の女性がステージに現れてシェインと踊りだした。そして紙ふぶき。感動! 後で検索してみたところ彼女はバンジョーのジェム・フィナーの娘でエラ・フィナーだそう。

やっぱりLIVEいい。私はモッシュしたり踊ったりするタイプではないけど自然と体が動いていた。生きてるって感じがする。とにかく曲も演奏も佇まいもすべてカッコイイ! ボキャブラリー不足でカッコイイとしか言えないのが悔しいくらいかっこよかった。この日も雨で翌日は大雨。でもそんな天気も似合うようなかっこよさ。変な言い方だけどそんな感じ。


THE POGUES Warner Music Japan offocial site

SETLISTはコチラ

'06.10.05 THE POGUES LIVE @ SHIBUYA-AX

01.Srteams of Whiskey
02.If I Should Fall from Grace With God
03.The Broad Majestic Shannon
04.Turkish Song of the Damned
05.Young Ned of the Hill
06.A Pair of Brown Eyes
07.Boys from the County Hell
08.White City
09.Tuesday Morning
10.The Old Main Drag
11.Sayanara
12.Repeal of the Licensing Laws
13.The Sunnyside Of The Street
14.The Body Of An American
15.Lullaby of London
16.Thousands Are Sailing
17.Dirty Old Town
18.Bottle of Smoke
19.The Sickbed of Cuchulainn

[Encore 1]
20.Sally MacLennane
21.Rainy Night in Soho
22.The Irish Rover

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【art】「旧朝香宮邸のアール・デコ」@東京都庭園美術館

2006-10-05 23:57:31 | art
'06.10.01 KTと「旧朝香宮邸のアール・デコ」@東京都庭園美術館

旧朝香宮邸の現庭園美術館は大好きな美術館。企画もさることながら、建物全体がアールデコでとても素敵。今回は宮邸自体を見せる企画。

外観はとてもシンプルだけど計算されている。エントランスにはラリック! 中に入るといきなり大広間。いつもは作品の著作権のために撮影禁止だけど、今回は一部を除き撮影OK。初公開の小客間は大広間から行く。広さは8畳くらい。壁一面にアンリ・ラパンの絵。とてもシンプルだけど素敵。ここはエントランス脇に位置している。当時は窓から邸にやって来るお客様の豪華な車が見えたかも(笑)

大広間に戻り、大客室から食堂へ。大客間も食堂もシンプルですっきりとした印象。大客室のシャンデリアが素敵。アールデコの特徴を備えつつ古臭い感じが全くしない。アールデコは直線を意識した曲線との組み合わせで幾何学的な装飾が特徴的。大客室の扉や食堂の扉も幾何学的な模様が施されている。食堂の扉は銀色! 扉だけでなくその周りの装飾も素敵。斬新でありながら品のあるデザイン。デザインした方もすごいけど受け入れた宮様もスゴイと思う。当時としてもかなり斬新だったのでは?

2Fは宮家のプライベートエリア。大階段を上がったところが広間になっている。若宮居間などにボンボニエールが展示されていた。悠仁様ご誕生時に少し話題になったボンボニエールはボンボンなど砂糖菓子を入れる小箱のことで、皇室の慶事などで記念品とされたもの。四角や六角、丸型などの箱に細工がされているものから、鶴など箱そのものが細工されているものまで繊細で丁寧な仕事。ここは展示物があるので撮影禁止。2Fは私的スペースだったためかほぼ撮影禁止。

殿下書斎、バスルームなどは毎回見ているけれどやっぱり素敵。市松模様の大理石の廊下のベランダも素敵。いつもは見落としていたのか今回初めて見た北の間が面白かった。夏に涼を求めてご一家が過ごされた部屋で、天井が高く天窓がある。天窓の感じがとっても現代的。この部屋もデコだけど広間に面した部分のガラス窓の感じなどがどこか和洋折衷な感じで興味深い。

おそらく私的な階段の2F部分にある照明がとても可愛い。星型にステンドグラスで作られている。どの部屋の照明も素敵だけど、この照明と妃殿下居間の照明が一番好きかも。その脇が姫宮の居間と寝室。今回は1歩中に入って見ることができる。妃殿下のアドバイスを受けつつご自身で壁紙など選ばれたそうでとてもかわいらしい部屋。妃殿下はラジエーターカバーを自らデッサンされるなど芸術に精通されていたそう。

あいにくの雨で寒かったけどお庭に出てみる。中庭から邸を眺める感じも好き。正面2Fにはベランダ、階下には食堂の出窓が見える。奥に進むと池のある日本庭園。アールデコの洋館と日本庭園。この感じも悪くない。アールデコにも日本美術の影響がたくさん見られる。和と洋両方を愛する感じがいい。

大正から昭和初期にかけて白金台のこの辺りはどんな感じだったのだろう。その時代のデカダンスな感じがとても伝わる。もちろんそれは庶民の暮らしではないけど、妥協のない美意識はすごい。凛とした品格を感じる。


東京都庭園美術館HP

コメント (2)
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