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【cinema】『Short Shorts Film Festival Asia 2010』

2010-06-27 23:27:00 | cinema
'10.06.19 『Short Shorts Film Festival Asia 2010』@Brillia Short Shorts Theater

migさんの弟さん片岡翔監督のショートフィルムがエントリーしているということで、rose_chocolatさんと見に行ってきた。

Wikipediaによりますと、Short Shorts Film Festivalとは、1999年別所哲也らが発起人となり、『American,Short Shorts Film Festival』としてスタート。25分以内の短編映画を対象としており、短編映画際としてはアジア最大級。『Short Shorts Film Festival Asia 』はアジア地域の作品を対象に、東京都と共催で2004年より開催している。米アカデミー賞の公認映画祭として認定されており、グランプリ受賞作品は、翌年のアカデミー賞短編部門の候補作品になるのだそう。スゴイ映画祭なんですね!

今回見たのは『Short Shorts Film Festival Asia 2010』 アジアインターナショナル&ジャパン部門 A&J-Gプロブラムの5作品。上映順にご紹介。


Brillia Short Shorts Theater

『焼肉』(上映時間 1:41) 「誰かの部屋で焼肉をする人々」 画面には上から映し出されたホットプレート。次々乗せられていくお肉の形に秘密がある。2枚目のお肉が乗せられた時点でもしやと思い、3枚目で確信。なるほどとニヤリ。最終的には焦げてしまうというオチもニヤリ。2分

『Mr.バブルガム』(上映時間 13:16) 「リストラされ借金を抱えた宇佐美は公園で遺書を書き始める。そこに不思議な少女ヒノコた現れて・・・ 」 リストラ、自殺、宇佐美のヒノコに対する欲情など、結構重くてドロドロした部分を、ポップな映像でサラリと描いている。この描き方は好き。小物がアメリカン・ポップな感じで、タイトルにあるバブルガムも、かなり大きくてショッキングピンクや、スカイブルーみたいな色。アメリカっぽい。体に悪いものしか入ってない感じ(笑) バブルガムで風船が膨らませない宇佐美。最終的に膨らませたのは・・・ というのも、シュールで好き。音楽の使い方も好き。導入部の「アルハンブラの想い出」はピアノの発表会で弾いたことがあるけど、哀愁たっぷりな曲。そして、2人が夢中になって遺書を書くシーンでは「ボレロ」 ラストのショパンの「別れの曲」にはニヤリ。舞台となっている公園もカワイイ! ブタの・・・ なんだろう? オブジェ? が、いい感じで配置されてる。2人がずっと座っているベンチも舟の形になっている。上映後、監督にうかがったところによると、このこの公園実際にあるのだそう。行ってみたい♪

*片岡翔監督&主演女優さんの舞台挨拶*

★作品について:リストラや自殺などの暗い題材を、ポップに描きたかったのだそう。
★撮影時間について:朝から日没まで
★演出について:舞台のような演技をして欲しかったので、主演女優さんは映像のお仕事は初めてだったけれど、舞台の経験があったのでよかったとのこと。
★バブルガムについて:撮影で使用した直径2cmくらいあるバブルガムは1個50円するそうで、かなりかみごたえがあるらしく、主演女優さんはアゴが痛くなってしまったのだそう(笑)
★観客からの質問に対して:ラストシーンで死にゆく男が、今まで1度もできなかった風船を、最後に少し膨らませたのは、生きているということですか? ⇒最期の一呼吸で膨らんだということですとの回答。このシーンの皮肉な感じはすごく好きだった。力を抜けば、もう少し生きやすかったのかも。

片岡翔監督にはロビーで裏話など聞かせて頂き、特製バブルガムをいただいた。 ありがとうございました!

そして! 今作品『Mr.バブルガム』が観客賞を受賞! おめでとうございます


特製バブルガム ピンボケ

『撮影禁止!』(上映時間15:07) 許可なく写真撮影したとして逮捕された女性。見張り役の警官もカメラ好きで… イランの作品。これも好きだった。若干尋問シーンが長いかなという気はした。結局、彼女が何を撮影してしまったのかは不明のまま。命じられて化粧を落とすと、目の下にアザ。何故、化粧を落とすように言われたのか、どうしてアザができたのかも謎。でも、彼女はいわゆる"進歩的"なのでしょう。殴ったのはおそらく父親。きっと彼女が進歩的だから。でも、そう感じるのは、彼女がスカーフのようなもので髪を隠しているイスラム教徒だから。尋問にも気丈に答える彼女が日本人なら、せいぜい気が強いなくらいの印象でしょう。そういう効果もあるかなと… この写真好きな若い警官が繊細な感じでいい。彼が撮ったのは逮捕された人々なのだけど、みなそれぞれの個性が現れている。あまりよく見えなかったのが残念だけど… でも、この写真は彼の人柄も表している。勝ち気で進歩的な彼女の気持ちをほぐす。一度は隙を見て逃げた彼女が、戻ってくるラストは想像がついたけど、2人の間に何かが始まる予感を感じさせて終わるのはいい感じ。

『ミッドナイトバー』(上映時間16:25) 行きつけのバーで飲む売れない俳優。いつもと違う様子を不思議がる店員に、末期ガンの宣告を受けたと告げる… 実は意外なオチがあって、そのオチ自体は特別新しくはなかったけれど、そこに向かって行く独特の緊迫感があった。ガン告知されたと嘆く俳優に、命の期限が分かったのだから、残された人生を充実させたらいいじゃないかと語る客の女性。ずいぶんだなと思うけれど、確かにそういう側面はあるなと思ったりする。ただ、自分が俳優の立場だったら、言われている瞬間はとても素直に聞ける状態じゃないと思うけど。この女性のビックリ発言は、彼女の辛い体験によるもの。それは辛いとは思うけど、もう少し言いようもあるだろうにと、思ったりする。ただ、もう一人の女性客の存在や、店員の感じなどに何となく違和感がある。店員の反応は正しいんだけど、どこか舞台のお芝居的で大袈裟で違和感。この違和感はオチの伏線。そのオチのためにあえて舞台っぽい演出なんだとは思うんだけど、何となく乗りきれない。オチもなるほどとは思うものの、スカッするには至らず。二重オチになっているけど、そんなにいらなかったかも。

『宿題(Familyship)』(上映時間 3:44) 悲壮な顔で宿題をする少年。彼には銃口が向けられている。銃を握っているのは母親… これはおもしろかった! 緊迫感がスゴイ。いきなり少年のアップから始まって、手元には計算問題。母親いわく、この前のテストで前回と同じようにミスしたとのこと。もう同じミスは許さないということで、銃口を向けているらしい。素晴らしいのはこのありえない状況にリアリティがあること。この母親はヒステリーのような感じで、もはやまともとは思えない。だから今にも引き金を引きそうな緊迫感がある。短いながらも、この母親の狂気からくる緊張感をしっかり描いているから、急展開して、意外なオチのエンディングにもリアリティがある。モノクロでアップ多様なのも緊迫感と狂気が増長されて良かった。ビックリしたのは、これ女性監督の作品だった。カッコイイ

*監督舞台挨拶*

★作品について:家族は温かいもの、愛し合い支え合うものとして描かれることが多いけれど、家族は残酷な面もあるということを描いているとのこと。
★上映時間と撮影時間について:上映時間は3分で撮って欲しいと言われたそうで、撮影時間は12時間。
★タイトルについて:韓国語のタイトルは『ホロジャシ』だけれど、『ホロビッチのために』という、ハートフルなファミリー映画をもじったものになっているとのこと。
★観客の質問に対して:コメディーが続いていたが? ⇒どんなジャンルであっても、自分らしさを出していきたいとの回答。カッコイイ

『変わりゆく地、プーケット』(上映時間32:00) バカンスでプーケットを訪れた韓国のスター女優。誰にも煩わされず静かに過ごしたいのに、ホテルにはファンがつめかけ、コーディネーターの女性はキリキリムード。そんな時、運転手の初老の男性と心が通い始め… と、あらすじを書いてしまうと、2人がまるで恋に落ちるみたいだけど、そうではない。これは限りなく親子に近い友情の話。2人の適度な距離感と、普段イメージする南国リゾートとは違う、少し淋しいプーケットの風景が、とっても切なくてよかった。最初は女優のけだるく、何を考えているのか分からない感じに、イライラまではしないけど、入り込めずにいた。たぶん、この時点ではコーディネーター目線なんだと思う。このコーディネーターも、仕事をきちんとしたいのだとは思うけど、多分スター達は扱いにくい方が多いのでしょう。全く感情を見せない女優を、高飛車で気まぐれだと思ってキリキリしている。誰もいないビーチに行きたいという、女優のリクエストに応えたのは運転手。このビーチ、女優が5歳の時、家族と来た場所だった。予定外の展開にイライラするコーディネーターをよそに、控えめながら誠実に対応するこの初老の運転手に女優は心を開く。翌日、こっそりホテルを抜け出した2人は、のんびり話をしながら観光する。その翌日には、運転手プロデュースで地元漁師の漁船に乗り込む。リゾート旅行では味わえない体験。彼女は抱えていた心配事を運転手に打ち明ける。そして、1人になった時、静かに流す涙が印象的。その悩みは、人気女優としてのものではなく、1人の女性としてのもの。ある年齢になると、自分だけの幸せを考えてばかりはいられない。それは女優もフツーのOLちゃんも同じ。その感じは良かった。この女優役のイム・スジョンの透明感があって、どこか悲しげな雰囲気も良かったけど、やっぱり運転手役のソーラポン・チャートリーの穏やかな佇まいが素晴らしい。若い頃はいろいろあったみたいだけど、今では運転手だとおどけるけれど、その1歩引いたスタンスがいい。大人の余裕を感じる。そして、それが女優の心をリラックスさせていく感じがすごく伝わった。タイトルにもあるとおり、運転手ポンは"変わりゆくプーケット"を寂しく思っている。いかにも南国のリゾートという感じに撮っていないのがいい。少し曇っているような色調で映し出される景色からは、暑さを感じなくて、ゆったりとした時間の流れが、女優だけでなく見ている側も癒していく。でも、どこか悲しげなのが、人の別れを感じさせる。とてもゆったりと美しい作品だった。

*監督舞台挨拶*

★作品について:プーケットの宣伝映画を撮ってほしいという依頼があったのだそう。
★撮影時間:8日間
★キャストについて:ポン役のソーラポン・チャートリーはタイの国民的俳優で、若い頃は王様役を演じることが多かったそう。女優役のイム・スジョンは友人のプロデューサーに英語が得意な女優とリクエストして探してもらった。女優はあまり英語が得意じゃない設定なので、上手な人でないと下手には演じられないという理由だそう。
★観客からの質問について:1)何故韓国人女優を起用すたのか? ⇒タイでは今、韓国の映画、ドラマ、音楽が人気で、プーケットからの依頼で撮った作品なので、タイの人に受け入れやすいようにとのこと。
2)船で女優が泣いているシーンがあったけれどその意図は?(rose_chocolatさんの質問!) ⇒ 泣いていること自体には直接の理由も意図もないけれど、エンディングで読まれるポン宛ての手紙を書くことにつながり、エンディングが美しくなると思ったのだそう。映画を撮っていると、脚本を書いている時には、あまり意味がないように思っても、美しいシーンになるということがあるとのこと。なんだかとっても納得。

アディットヤ・アサラット監督には、ロビーでサイン&握手していただいた。とっても気さくで、エネルギッシュな方だった。

というわけで、どの作品も良くて、とっても楽しかった♪ アンケートに答えると、読み応え満点の公式パンフがもらえる。PJ(ピーター・ジャクソン監督)のインタビューも載っててうれしい


パンフ&チラシ&バブルガム


『Short Shorts Film Festival Asia 2010』Official site

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【Googleのロゴ】はやぶさ帰還

2010-06-13 16:03:26 | Google's logo
またまたGoogleのロゴがこんなことに!



小惑星探査機「はやぶさ」が7年間旅を終え、
本日(2010/6/13)の夜、帰還するのだそう。
無事、帰還するといいですね!
無人探査機とはいえ、無残な帰還は悲しいですから

7年間お疲れ様でした


JAXA|小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)

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【cinema】『FLOWERS -フラワーズ-』(試写会)

2010-06-13 02:36:02 | cinema
'10.06.01 『FLOWERS -フラワーズ-』(試写会)@東宝試写室

これは見たかった! migさんから試写状いただいて、楽しみにしてた。人気だから早めに行こうと、定時上がりを目指していたのに、1時間経ってもデータが来ない! 何とか処理して、東宝試写室に辿り着いたのが18:00少し前。かなり並んでいたけどなんとか入れた。この試写室の椅子座りやすい。ちょっと普通の椅子より広い気がする。

*ネタバレありです! そして長文!

「昭和11年女学校を出たばかりの凛は、親の決めた会ったことのない相手との結婚に戸惑い、花嫁衣装のまま飛び出してしまう。昭和39年、凛の長女薫は、熱海へ新婚旅行に出かける。穏やかな夫との楽しい旅行中、時折淋しげな表情を見せる。昭和44年、次女の翠は男性ばかりの出版社で、孤軍奮闘していた。そんな中、恋人の菊池からプロポーズされる。昭和52年、生れつき体が弱い三女の慧は、2人目の子の妊娠を知り、反対する夫を説得し、産むことを決める。平成21年、凛が亡くなった。慧の長女奏と、次女佳も通夜に出るため戻ってくる…」という話。これは良かった。1人1人のエピソードはちゃんとあって、それぞれ悩んだりしているけど、基本は凛から始まる母娘3代の話なので、それぞれ少しずつリンクしている。だから、一気に見てしまった感じ。



じんわり感動して、気づいたら涙が溢れて止まらなくなってた。鈴木京香演じる奏と同世代だと思われるので、たぶん祖母、母親とも世代が被っていると思う。だから、実際知っているかは別として、話を聞いたりした部分も含めて、記憶が近いんだと思う。そういう背景もそうだけど、そもそも時代は違っても"女性の悩み"という部分では、今とそう変わりはないし。女性の悩みというか、個の部分というか… 要するにアイデンティティ。自立というより自己確立。それは何も男社会で認められることだけじゃない。分かりやすく翠にその役割を振ってはいるけれど。登場人物達は、それぞれ大なり小なり人生の中での節目を迎え、悩みながら乗り越えて、心に秘めていた思いや、重しが少し軽くなって、しなやかに節目を乗り越えていく。その"しなやか"な感じが、女性らしくていい。

3代に渡る物語は、平成21年凛が亡くなったところから始まる。お通夜の席で、そつなく親戚の相手をする佳に対し、硬い表情で所在なげに座る奏。この感じ分かる(笑) 長女って割と生真面目というか、堅物になっちゃうんだよね… 生まれてから大人ばかりに囲まれている期間が下の子達より長いせいか、あまり人との垣根をとり払うことが苦手というか… 仲良くなってしまえば全然そんなこともないんだけど、人見知りしてしまうというか、人の輪に入って行くのが苦手。もちろん、そうではない人もたくさんいると思うので、長女だからって決めてしまうのは違うと思うけど。でも、このお通夜の席で親戚のおじさんにお酌をするというシーンだけで、奏と佳の違いがきちんと伝わってくる。性格なので、どちらか正しくて、どちらか間違っているわけではないけど、佳の方が得なのは確か。得っていうのは違うかもしれないけど、いい言葉が見つからないので… 奏の年齢や性格、そして境遇が一番近かったのと、鈴木京香の演技が良かったので、彼女に一番感情移入してしまった(笑)

一人一人のエピソード自体は、映画の主人公達が抱える問題としては、特別目新しいこともなく。今まで散々見てきたと思う。でも、王道ゆえに染みてくる。当blogでも何度も書いているけど、だからこそ王道なんだと思うし。各エピソードの持ち時間が短いので、丁寧に描いているけど、細かく描いてはいない。さっき書いた奏と佳のお葬式のシーンのように、見ている側が意味や背景を読み取っていく感じ。その感じがすごくいい。余白というのともまた違うけど、それが家族ってことを表している。例えば、奏と佳の実家はどうやら凛の嫁ぎ先っぽい。それは凛と同居してたってことで、晩年は逆転していたかもしれないけれど、早くに母親である慧を亡くしている奏と佳は、祖母である凛に育てられたのかもしれないとか、細かく説明はされないけれど、ちょっとしたセリフとか、何気ない映像とかで3世代の繋がりとか、その人の性格とかちゃんと伝わってくる。そういうのがすごく上手い。

女性らしいしなやかな強さを持つ姉薫と、優しくて明るいけれど体の弱い妹慧に挟まれた翠は、当時のウーマンリブの流れに乗って、男社会で認められようと懸命。個人的には特別キャリア志向でもないけれど、長いOLちゃん生活の中では、女性だからとか、女性なのにという思いをしたことはある。だから、翠が憤る気持ちは分かる。男性社員のセクハラ発言には頭に来たし。でも、平手打ちをしてしまうところや、彼女のことをからかってはいるものの、決してバカにしてはいない作家先生に対して、失礼な発言をしてしまうところを見れば、あまりに勝ち気な部分が前面に出てしまうので、同僚のセクハラ発言を引き出してしまうのかと思ったりもする。もちろん、セクハラ発言はダメだと思うけど… 上司にも姉にもトーンこそ違えど面倒臭い子だと言われちゃうのは、自分の中の"こうしたい"があって、その工程が1本しかないから。イレギュラー事象に対して柔軟に対応出来ずにパニックになってしまう。すごく分かる(笑) でも、若いうちはそれでいいんだと思う。里帰りした翠が、一足先に帰っていた薫が庭の草木に水をやっている姿に見入ってしまうのが印象的。このシーンの竹内結子はキレイ。花火見物の夜、縁側で浴衣姿の2人が並んでビールを飲むシーンがいい。さりげなく恋人からプロポーズされたことを話すと、「うれしかったんでしょ」と言われて、泣き出してしまう。さんざん彼をコケにしていたけれど、うれしい気持ちを認めてしまうと、今まで目指していた自分像を否定してしまうことになるから、必死で認めないようにしていたことに、翠とともに見ている側も気づくことになる。自分のホントの気持ちは、自分ではなかなか気づかないのかも。

姉の薫が翠の気持ちに気づいたのは、辛い別れを経験しているから。このエピソードは実は仕掛けがあって、知らずに見た方がいいと思うので、あえてネタバレは書かないでおく。手法としては特に新しくないので、勘のいい人は分かってしまうかも。このエピソードは翠との縁側の後に描かれるので、あのしなやかな強さは、辛い体験を乗り越えて、悲しみを生きる糧に変えたからなんだと分かる。この後から分かる感じが、日本女性の奥ゆかしさを感じさせていい。熱海旅行の昭和な感じもイイ。実際は知らない風景なのに、懐かしい。三女の慧のエピソードがこの映画の一番伝えたいことの核となっているのかなと思う。凛から続く命の連鎖。この映画に登場する6人の女性は皆ある決断をするけれど、慧は女性にしかできない命懸けの選択をする。自分だったらどうするだろう。やっぱり慧と同じ選択をすると思う。残された家族達の気持ちを考えれば、それはもしかしたら自己満足なのかもしれない。でも、やっぱりそうせずにはいられないと思う。この選択が正しいのかは誰にも分からない。でも、1つの命が繋がったのは間違いない。

慧の娘奏と佳。幼い頃からピアノが得意で、ピアニストとして東京で暮らす奏。田舎ではスゴイ人でも、各地から才能ある人が集まる東京では埋没してしまう。それは仕方のないこと。奏は自分の才能に限界を感じ、さらに自分の元を去った年下の恋人の子を宿している。未婚で彼氏なし、仕事にも行き詰まりを感じている奏は子供を産む決心がつかない。それは当然。これが10代だったらいい加減にしろと言ってるところ。でもねぇ、同じ無茶でもアラフォーの奏の気持ちはよく分かる。早くに母を亡くした奏は、お姉ちゃんだからしっかりしなきゃと思っていたのかもしれない。だから弱みを人に見せられない。でも、何も言わない彼女の秘密を、佳は直ぐに見抜く。美しく才能ある、少し年の離れた姉は、近寄りがたい人だったのかも。佳には負い目もあった。自分が母を殺してしまったのではないか… 始めは何故自分には母親がいないんだろうという疑問だっただろうけれど、真実を知ってからは苦しんだに違いない。その苦悩は後に父親との会話で明かされる。このシーンから涙が止まらなくなってた。いつも笑顔を絶やさない、よき母で妻である佳を、少しいい子ぶり過ぎるんじゃないかと思っていたけど、この父との会話で、彼女が自分の存在を自問自答して、自分なりの答えを見つけて、それを支えに生きていることが分かる。「生きてるだけで幸せなんだよ。お母さんに感謝だよ。」というセリフには、自分の母親の顔が浮かんでしまって泣けた。だから彼女は明るく生きようとしているし、家族を大切にしているのでしょう。このシーンと、姉妹が枕を並べて眠るシーンが良かった。あまり感情を表さない奏が、妹の前で弱さを見せる。子を持つ不安、でも子を産むにはリミットがあるという思いが、ズッシリ響いて涙が止まらない。

そして、全ての始まり凛。女学校を出て、進歩的な考え方を持つ彼女は、保守的で絶対君主として振る舞う父に、献身的に仕える母のような人生を歩みたくないと考えていた。でも、父が見込んだという会ったことのない相手と、明日結婚しなければならない。時々、これは自分の望んだことではないと主張してみるものの、父の逆鱗に触れるだけ。よく見ればこの父も彼なりに子供達を愛していることが分かる。父とはこうあるべきという姿を必死に追っている気もする。でも実際、会ったこともない相手と結婚するなんて考えられない! 確かに"結婚"は出来るけれど… 結婚式当日、花嫁姿で逃げ出してしまった凛を、母が先回りして待っていた。そのシーンでの母子の会話が良かった。母の言葉からは、大正時代の女性のしなやかな強さが感じられる。凛から始まる物語ではあるけど、凛はこの母から生まれたわけだから、実は彼女も含めて4代の話でもある。凛がちょっと子供っぽい気がしたけれど、たぶん10代とかなんだよね… この後、無事に戻った凛から挨拶された父が感極まって取る行動はベタだけど、これは小津安二郎とか、成瀬巳喜男とかの古い日本映画の感じを出しているのかな。この日、初めて会った花婿はぽそりと「大切にします」と言う。ちょっとグッときてしまった(笑) イヤ! いくら時代の流れとともに、結婚の形が違ってきているとはいえ、両親から大切に育てられた娘さんを頂くわけだから、やっぱり男性は大切にしなきゃいけないんだよ! もちろん、女性も旦那さんを大切にしなきゃダメだけど(笑) と、女性目線で書いてきたけど、このお父さん始め、作家先生、奏と佳の父親など素敵だった。悪い人や嫌な人は出てこない。男性は彼らに感情移入出来るんじゃないかと思う。



役者さん達はみんな良かった。凛の蒼井優ちゃんはちょっと子供っぽ過ぎるかなと思わないでもないけど、3人姉妹の母となり、勝手な想像だけど孫も育て、90歳過ぎまで生きる、肝っ玉母さんになっていくんだなと思うと、ちょっとおもしろい。翠の田中麗奈ちゃんはコメディー担当。鼻っ柱は強いけど、ホントは女の子な感じが良かった。キャラに合ってた。竹内結子の出演作って実はほとんど見たことなかったんだけど、これは良かった。薫自体のエピソードよりもむしろ、翠のエピソードとの繋ぎの部分、縁側のシーンが良かった。ちょっとした仕草がすごくきれいで、昭和の女性のきちんとした色気を感じた。例えばビールを飲む仕草とか、現代の女性はもう少しテンポが速い気がする。ガサツというのとも違うんだけど… ちょっとゆったり動くだけで、こんなに女性らしくなるんだと感心。仲間由紀恵はいつものサラサラストレートではなく、いわゆる聖子ちゃんカット。意外に新鮮。ちょっと作りすぎな感のあるキャラだけど、彼女の決意が後の感動シーンや、命懸けで産んだ娘なんだから旦那さんは大切にしろ!と思ったのは、旦那さん(いのっち→平田満)を穏やかに、でも強い決意を話す感じに説得力があったから。広末涼子のベタっとした喋り方や笑顔が苦手なのだけど、今回の演技は良かったと思う。何となく作った自然体を感じていたんだけど、佳はそうすることで生きていこうとしている役だし。鈴木京香が良かった。6人の中では多分一番年長の役だと思うけど、実は一番強がっている役かもしれない。あまり感情を表さないのは、東京で1人で生きているという部分もあるのかも。誰にも見せられない弱さを、母親としては先輩である佳に見せる演技は泣けた。井ノ原快彦はそんなに演技は上手くはなかったけど、いい人であるという部分が感じられたし、鈴木京香のお父さん役では平田満さんかわいそうじゃないかしらと思っていたけど、画面にいのっちが登場して納得。似てる(笑) 慧を失った悲しみと辛い体験から、奏を心配するあまり、佳を傷つける発言をしてしまうお父さんの平田満も良かった。特に佳との病院のシーンは感動。凛の昭和な父親塩見三省がイイ! 不器用な感じがすごくいい。そして凛の母親役の真野響子がすごくイイ! 亭主関白をあえてさせてる感じがいい(笑) 6人じゃなくて7人にしてあげて欲しい。作家先生の長門裕之の飄々としながら、翠のことをおもしろく見守る感じも良かった。大沢たかおがちょっと野暮ったいけど、いい旦那さんな感じで出演してたけど、最初は誰だか分からなかった(笑) 菊池の河本準一はキャラ勝ちかな(笑)

とにかく映像が良かった。それぞれの時代に合わせた色になっている。凛の時代は白黒。薫と翠の時代は無理矢理着色したみたいなカラーという感じ。両親の若い頃の写真色。父親が車と写真撮っちゃうみたいな。予告やCMでも流れてる薫ポーズの母親写真もあるハズ(笑) 服のデザインのレトロさもさることながら、当時は今みたいに淡い微妙な配色ってなかったんだね。でも、その感じもいい。翠の濃緑のパンツスーツとか着てみたい。薫の光沢のあるコートも好き。昭和な風景も好き。やっぱりレトロな凛や薫&翠の時代の風景に惹かれる。確実に日本の風景なのに、もうあの風景はないんだよね… 翠が菊池にプロポーズされる喫茶店は、実際にあるお店でロケしたそうで、今もあのレトロな感じで営業されているそう。あと、翠が作家先生と行くお寺は円覚寺のお庭じゃないかと思うんだけど違うかな・・・

すごく丁寧に作られてるなと思ったのは、凛の部屋の襖の引き手の周りが汚れていたことと、アイライン&マスカラバッチリの翠が泣いて、黒い涙が流れちゃうとこ。引き手の周りって汚れるし、襖紙破れたりするんだよね。マスカラもウォータープルーフじゃないし(笑) すごくちゃんと作ってるなと思って、すごく好きになった。エンドロールの写真も好き。写真が変わる度、子供が増えてる凛。でも、写真を撮ったのは顔も知らずに結婚した旦那さんなんだよね。あの旦那さん大切にしたんだなと思ってちょっと感動(笑) ラストはもうまさにTSUBAKIって感じで

女性の視点から見た女性の映画なので、男性にはどうなのかな。でも、男性ちゃんと出てくるし。監督も男性だし(笑) 女性の特に30~40代にはグッとくるんじゃないかと思う。

書きたいことがいっぱいあって、感想UPするの遅くなった。そしてスゴイ長文(笑) 最後まで読んでくださってありがとうございました!


『FLOWERS -フラワーズ-』Official site

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【Googleのロゴ】デニス・ガーボル生誕110周年

2010-06-05 03:14:36 | Google's logo
毎度のGoogleロゴがまたまたこんなことに!




デニス・ガーボル生誕110周年!

すみません どなたでしょう?

毎度のWikipedeiaによりますと・・・

ガーボル・デーネシュ(Gábor Dénes)はハンガリー系イギリス人の電気工学者・物理学者。
有名な業績としてホログラフィーの発明があり、
それにより1971年のノーベル物理学賞を受賞した。

Gábor(洪: ガーボル, 英: ガボール)が姓、Dénes(洪: デーネシュ, 英: デニス)が名。
名前の表記については英語圏の慣習に従って、」
名姓順に倒置した上で英語読みしたデニス・ガボールも一般的。

とのことで、詳しくはWikipediaで!

まぁ、そんなわけで3Dっぽいロゴになっているわけですね!

Boldog születésnapot!!


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【cinema】『アイアンマン2』(ジャパンプレミア)

2010-06-05 00:35:36 | cinema
'10.05.26 『アイアンマン2』(ジャパンプレミア試写会)

yaplogで当選! 前作『アイアンマン』は未見。前作がけっこう評判がよかったのと、スカーレット・ヨハンソンが出ているってことで見に行く。ジャパンプレミアってことで、当たるか心配だったけど、見事当選! いつもありがとうございます!

TOHOシネマズでの上映。プレミアイベントあり。全席指定で9:30から劇場窓口で引換え。またまたrose_chocolatさんにお世話になってしまい、会社まで試写状を取りに来て、席を取っておいて下さった。お蔭でやや前の方ながら良い席で見ることが出来ました。ありがとうございました!

マスコミ取材の数は多かったけど、監督始めキャストの来日はなし。スクリーン上でワールドプレミアの模様が映し出され、メッセージをくれただけ。諸事情あるのでしょうが、ちょっと淋しい(涙) 代わりに登場したのはタキシード姿の中村獅童。今回、和製アイアンマンとして宣伝活動を行っているのだそう。軽くトークした後、和製アイアンマンとしての活動風景を上映。アイアンマンが始球式をしたり、メイドカフェに行ったりする姿を見ている間に、パワードスーツを着用した中村獅童氏登場。なんか顔がマスク中いっぱいいっぱいなのは何故? 獅童仕様じゃないのかな(笑) 露出度の高い衣装で激しく踊るアイアンマン・ガールズ(だったかな?)をボーッと見ているうちに、後方扉にウィップラッシュ登場。誰? 蝶野だ! スゴイ似てる(笑) アイアンマンを探しているって設定で「アイアンマン」とつぶやきながら、客いじり。お客さんを立たせて、感電(?) させてしまうのだけど、多分仕込みだな(笑) ステージ上で軽くバトル。改めてご紹介。蝶野ウィップラッシュはお客さんの反応が薄くて悲しかったらしい(笑) 途中、アイアンマンのマスクの上げていた部分が下りてきてしまうという、カット希望シーンもありつつ、報道陣による撮影会も「みんな早く見たいからさっさと済まそう」という和製アイアンマンの気配り発言でサクッと終わり、和やかに終了。ということで本題へ。

*ネタバレしてます!

「アイアンマンであることを公表したトニー・スタークは、社長の座を恋人ペッパーに譲り、パラジウムに変わる元素を探していた。彼をヒーローとして持ち上げていたマスコミも、彼の無軌道な行動を問題視し始める。そんな時、トニーの前に両手にムチのような武器を付けたウィップラッシュが現れて…」という話。前作は未見なので、ペッパーとトニーの関係や、トニーの会社のこと、胸に内蔵されているパラジウムは何なのか、なにより何故トニー・スタークがアイアンマンになったのかが謎だったけど、楽しめた。前作を見てたらもっと楽しめたとは思うけど…

冒頭、アメコミ画像がフラッシュバック的に映し出され、MARVELの文字がどーんと出てきたのはニヤリ。大好きな『スパイダーマン』シリーズと同じ始まり。そういえば、Spideyは監督とキャストを一新してシリーズ再開らしいけど、どうかな… あの全員どこかイケてないキャストだからいいのであって、MJがフツーに美女になっちゃったら違うかな。って失礼か(笑) 話が逸れましたが… とにかく、このオープニングは好き。直後、薄暗く寒々としたロシアの、ボロアパートに1人の男が帰ってくる。歩いてくる姿も映ってたし、戸口に立つ姿を見てもミッキー・ロークとは気づかなかった! もっと若い俳優さんだと思ってた。姿若いな。まぁ、顔を見たら完全なオッサンでしたが(笑) この男の父親は以前スターク社で、トニーの父親と共に開発に携わっていた人物。金儲けを優先し、トニーの父親と意見が分かれ、解雇されてしまった。ロシアに戻ったものの、強制労働を強いられるなど不遇の人生を送った。そんな父の復讐を果たすべく、父から受け継いだ技術と知識を生かし、ウィップラッシュとなるわけなんだけど、完全に逆恨み(笑) まぁ、アメコミヒーローものの悪役の生い立ちや動機としては王道(笑) このウィップラッシュのデザインはバカ。基本上半身裸で、金属製の装置を着用すると、腕の部分から何やら発光するムチ状のものが出ており、それをブンブン振り回す。これがスゴイ破壊力で、F1カーなど真っ二つ(笑) この姿でモナコGPに現れ、参戦していたトニー・スタークの前に立ちはだかるわけだけど、着ていた服が、装置を起動するとメラメラと燃えて、上半身裸になるんだけど、火傷は大丈夫なのか?というツッコミはなしで(笑) このバカデザインは気に入ったけれど、登場シーンはこのシーンのみなのが残念。そして、デザイン的には中の人も込みで『スパイダーマン2』のドク・オクにはかなわないかな(笑) トニーの元へアイアンマン・スーツを届けに来たペッパーとホーガンのちょっとした活躍も笑える。個人的にエアバックが膨らんでいたのがツボ(笑)

前作を見ていないので、よく分からないのだけど、トニー・スタークは胸に装置を埋め込んでいる。装置は着脱可能で、その中にパラジウムのチップがセットされている。そのチップはかなりの頻度で交換しないと、血液中に毒素が溜まってしまうらしく、血中毒素が70%超えると、ふらふらになってしまう。パラジウムに代わる元素発見に専念するため、社長の座をペッパーに譲るわけだけど、真相を話せないため、ペッパーや周りの人を呆れさせてしまうのも王道ではある。そこにアイパッチ装着のサミュエル・L・ジャクソンが登場してヒントを与えるのだけど、ヒントを貰ってモヤモヤ考えながら、ペッパーのいる社長室に行くと、以前父が構想を練ったEXPOの模型が見つかる。ここから急に閃いて、この模型をスキャンして画像データに変換。余分なデータを削除したり、並べ変えたりするうち巨大な球体に包まれる。スッキリした様子のトニー。急にスゴイ勢いで装置を作り出し、広い室内にダクトみたいのを円形に繋げて、何か光るモノをガーッと通したら、ヒュッと三角形に光るモノができた(笑) どうやら新しい元素らしいけど、サッパリ分からない… その新元素をテストする間もなく、ライバル会社のバカ社長のおかげで出動しなきゃならなくなるけど、特別パワーアップしたとは言っていなかったので、これはあくまでパラジウムの代わりってことなのかな。って、多分きちきち考えちゃダメなんだな。

今回の見所は、トニーの秘書として登場するスカーレット・ヨハンソン! 色っぽい! 体のラインピッタリのタイトスカートはもちろん、黒のシンプルなパンツスーツですら色っぽい! 何アレ(笑) 超有能な秘書として登場するけど、何かあるねと思わせるのも、さすが。事前にブラックウィドーとして登場するとは聞いていたけど、なんのことか分からなかった。きっとアメコミ詳しい人はこの時点で分かるのでしょう。後半、正体が明かされるけど、それでも分からなかった(笑) 思ってたより登場シーンは少ない気がするけど、スカちゃんファンには後半たっぷり見せ場があるのでお楽しみに! しかし、露出少なめのきちんとした服着て色っぽいってすごいな。前作から出演のペッパー役グウィネス・パルトロウは完全に食われてた。彼女のキャリア・スーツもシンプルなのに女性的で素敵。モデル並のスタイルで着こなしているし、やっぱりキレイだけど、スカちゃんの役自体がカッコイイだけにちょっと不利かな。スカちゃんの役は実はアイパッチのサミュエル・L・ジャクソンと繋がっていて、これはまた別のアメコミキャラらしいので、詳しい人はニヤリでしょう。でも、分からなくても十分楽しめる。

話自体は全然難しくない。動機も分かりやすい敵役がいて、自分の利益ばかりを考えて、彼を利用しようとして逆に利用されるバカ男が、話をちょっとややこしくするけど、主人公と友達が力を合わせてやっつけましたということ。そこに新元素発見と、そこにたどり着くまでのトニーの苦悩を盛り込んでるわけなんだけど、例えば『スパイダーマン2』のピーター・パーカーみたいな貧乏学生としての自分と、ヒーローとしての自分との苦悩ほど分かりやすくもない。だって、トニー・スタークはオッサンだから(笑) しかも社長だからお金もあるし、自身天才科学者でもある。もちろん葛藤はあるし、スターク社を築いた父に愛されなかったと思っていたというエピソードがあるけど、これは前作でもあったのかな? 今回わりとアッサリと解決する。でも、オッサンだからOK! もちろんオッサンだって悩むし、様々問題も抱えているだろうけど、そんなに前面に押し出されても困るし(笑) 前述の新元素発見のシーンにしても、ウィップラッシュ登場シーンにしても、ラストの戦いにしても、すごいスピード感。アッサリしてると言えば言えるけど、深く考えてるヒマがないのは逆にいいかも。元素のことは深く考えても分からないし(笑) いろいろツッコミどころはあるけれど、気にしてるヒマないし(笑)

アイアンマンのデザインは特別グッとこなかったけど、ライバルが量産したパワードスーツはちょっとガンダムのザクみたいで好きだった。ザクみたいにどんどんやられてしまうけど(笑) ラスボスとして登場したミッキー・ロークがずっと作ってたのは、ザクの改良型みたいのだった気がするけど、シャー専用みたいに赤いわけじゃないので覚えてない(笑) 次々現れるザクを、新元素が見つからず自暴自棄になって、美女達とはしゃぎ過ぎたトニーを止めるため、パワードスーツを着用し、そのまま奪っていたドン・チードルと共に、友情ビームでやっつけるのが笑えた。バカでイイ! だって中身オッサンだから(笑) すごいスピード感で空中戦を繰り広げた後、ラスボスが結構引っ張って登場したわりにアッサリやられちゃうのも、気にならない。このスピード感で押し切る感じは、随所に見られるけど、丁寧に描こうとしているらしい部分が、若干間延びしてる感じがあったりもするので、押し切り型はよかったんではないかと思う。

キャスト実はかなり豪華。すでに名前がほとんど書いちゃったので、いちいち紹介もしないし、全員さすがの存在感だなとは思うけど、正直演技にグッときた感じはなかったかな。ロバダニはシャーロック・ホームズよりも合ってるかも。かなりキャラ被ってるけど(笑) ドン・チードルがいい味出している。エリートなのにどこか残念な感じも、友人としてトニーを心配しつつも板挟み、みたいな役が合ってる。困り顔似合うし(笑) スカちゃんの役はスカちゃんじゃなきゃダメだと思うし、登場シーンは少ないながらも、インパクト過多なアイパッチはサミュエル・L・ジャクソンで大正解でしょう。ウィップラッシュのミッキー・ロークは良かった。もう少し彼を生かして欲しかった気がするけど、趣旨違っちゃうからいいか(笑) 何もかも失った男の哀愁が感じられた。ロシア人という設定なので、ロシア語もしくはロシア訛りの英語を使うけど、自然だった。監督にキャスティングされた理由を聞いたら『レスラー』みたいなイメージの悪役が欲しかったと言われて納得したらしい。なるほど(笑)

この日、ご一緒させていただいた映画ブロガーさん達は、みなさん前作鑑賞済。前作の方がおもしろいというのが、共通した感想。豪華キャストのわりに内容が薄いかなという気もするけれど、個人的にはおもしろかった。ラスト、アメコミ・ファンならニヤリなシーンあり。これもサッパリ分からなかったけど、調べてみたら納得! これはすごいことになってる。続編ありだと思うので、3に期待。ブロガーさん達オススメの前作も見てみよう!

そうそう! アイアンマンは手の平の丸い穴から、光線のようなものを出し、敵と戦ったり、飛んだりするんだけど、個人的にこの飛び方がツボ! 両足を揃えて、両腕をピッタリ体につけて、手の平を下に向けて飛ぶ。クリオネみたいだなと思いながら見てたんだけど、KLYさんは"マスオさん飛び"と呼んでいるのだそう(笑) マスオさんが驚いた時のポーズにそっくりらしい。確かに!(笑) 要チェックです!


プレミア試写会のポスター


『アイアンマン2』Official site

コメント (11)
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