2016.03.05 『ヘイトフル・エイト』@ユナイテッドシネマ豊洲
これ見たくて爆音試写会応募したかったけど、立川だから泣く泣く諦めた 1人で見に行く計画してたら、友達からプレミアシートで見ない?とお誘いが ってことで喜んで行ってきた~
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「南北戦争終結から数年、ワイオミングの雪深い山中。元北軍少佐ウォーレンが一台の馬車を止める。馬が倒れたためレッドロックまで同乗させてほしいと頼むが、御者のOBは貸し切りなので客と交渉しろと言う。乗っていたのは自分と同じ賞金稼ぎの"絞首人"ジョン・ルースと、その賞金首デイジー・ドメルグ。難色を示されるも、デイジーを横取りする気はないことが認められ同乗。しばらくすると、同じく馬を失ったレッド・ロックの新任保安官マニックスも同乗。一行は猛吹雪を避けるため、ミニーの店に寄ることにする。しかしミニーはおらず、店を任されたというメキシコ人のボブと、3人の先客がいて・・・」という話で、これは面白かった! オチも含めて実はとってもシンプルな話で、特別目新しいことがあるわけではないのに、先の読めないワクワク感がある。そして、タランティーノ節全開。
いつもどおり、毎度のWikipediaや公式サイトから映画情報を書いておきたいところなのだけど、それぞれあまり詳細が載っていない でもまぁ、一応書いておく。既に書いているけど、クエンティン・タランティーノ脚本・監督作品。もちろん、それ目当てで見に行ってる。8作目の監督作品であることから、様々なアートワークの中で『The H8ful Eight』、『The Hateful 8』と8を強調して表記されたのだそう。本作品では、サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェーソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーンが、猛吹雪の中の家屋に閉じ込められる8人を演じている。とのことで、これはやっぱり監督自身も"8"にこだわったということでしょうかね。
残虐描写、フルヌードのシーンなどの理由からR18の指定を受けている。本作品の音楽はエンニオ・モリコーネが作曲。モリコーネが西部劇のために作曲したのは35年ぶり。これによりモリコーネは第73回ゴールデン・グローブ賞作曲賞、第69回英国アカデミー賞作曲賞、第88回アカデミー賞作曲賞を受賞。そして、クエンティン・タランティーノが第73回ゴールデン・グローブ賞脚本賞、ジェニファー・ジェーソン・リーが第73回ゴールデン・グローブ賞、第88回アカデミー賞の各助演女優賞にノミネートされた。美術監督は『キル・ビル』以来となる種田洋平。そういえば、出演者の誰かが内容を話してしまったとかで、タランティーノが怒って公開しないって言ったのって今作だったっけ? 無事に公開できてなにより
うーん。どうやって感想書くかな・・・ というのも、今作は5つの章から構成されていて、本来ならばそれぞれの章ごとにシーンと感想を書きたいところなのだけど、ちょっと体調崩したりして書くのが遅くなり、各章のタイトルなど細かい部分まで覚えていない状態。このチャプター形式がタランティーノ作品の特徴でもあると思うし、それがおもしろいのだけど、今回は章には区切らず感想を書いていくことにする。基本的に密室劇になっているのだけど、メイン舞台となるミニーの店に辿り着くまでも、馬車の中という密室劇になっていて、それぞれ会話で見せていく作品なので、この辺りの楽しさって文章で書いても伝わらない気がする。なので、感想記事としてはおもしろくないかも? 言い訳です(笑) そうそう! 各章の冒頭に入るナレーションはタランティーノ監督が担当している。
まずは雪深い山道を一台の馬車が駆けるシーンからスタート。すると馬車を遮る者が。賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)が、賞金首となる遺体を3体運ぶ途中、老馬が倒れてしまい立往生していたのだった。御者のO.B.ジャクソン(ジェームズ・バークス)はウォーレオンを知っているようだが、貸し切り馬車だから客どうしで交渉しろと言う。乗っていたのは同じく賞金稼ぎのジョン・ルース(カート・ラッセル)。賞金首の生死は関係なく賞金が出るようだけど、ジョン・ルースは生きたまま連行し、絞首刑にすることから"絞首人"と呼ばれている。何故、生きたまま連行することにこだわるのかについて、後に語っていたけど失念 絞首刑執行人の仕事を奪いたくないからだったかな? 疑り深くてかなりエラそうなキャラだけど、見ている分にはおもしろい。彼もまた賞金首であるデイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェーソン・リー)を連れてレッドロックへ向かっているのだった。交渉の末、同乗できることになるわけだけど、この辺りのやり取りや、馬車内での会話についてはやや長いかなと思いつつも、面白くて引き込まれてしまう。カート・ラッセルやサミュエル・L・ジャクソンも上手いけど、自分が絞首刑になるというのに不敵な笑みを浮かべて、憎まれ口をたたいてはジョン・ルースに殴られるジェニファー・ジェーソン・リーがスゴイ! そうそう、この馬車内でジョン・ルースが、ウォーレンが持っているリンカーン大統領からの手紙を見せてもらうシーンがある。この手紙については種明かしがあったり後に後まで引っ張ることになる。
しばらく行くと助けを求める人物が馬車を追ってくる。元南軍兵士のクリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)で、新任保安官としてレッド・ロックへ向かう途中だと話す。しかし、彼は南北戦争中に恐れられた「マニックス傭兵団」の末息子であることから、同乗はさせるがウォーレンもジョン・ルースも信用しない。このマニックスは南軍出身のためか、ひどい人種差別者で、ウォーレンに対して失礼な態度を取り続ける。デイジー・ドメルグなども含め、今作中サミュエル・L・ジャクソンは何度ニガーと言われたことだろう 多分、当時の人種差別的なことや、南北戦争前後の南部と北部の微妙な関係なども描いているのだと思われるけど、その辺りの知識がないのでよく分からない。アメリカ人ならもっと笑えたり、感じるところがあるのかも? 狭い馬車に4人。密室内での会話が続く。結構長いけど飽きてしまうことはないし、賞金稼ぎの制度など、すごい職業が成り立っていたんだなと思いつつ、興味深く見れた。だって、いくら犯罪者だからって、賞金目当てに殺してOKってねぇ(笑)
御者のOBが心配していた通り、猛吹雪が迫っていた。雪原を走る馬車と、それに迫る嵐の映像がスゴイ。猛吹雪を避けるため、ミニーの店に避難することにする。このミニーの店がメイン舞台。本当は"ミニーの洋服店"とか、"ミニーの洋裁店"とかいう名前なのだけど、内装的には洋服店らしさは全くなかった。このセットは種田洋平のデザインだと思うけれど、なかなか面白かった。入って右手に大きな棚があって、そこに細々した食料などが並ぶ。その手前になぜかセミダブルくらいの大きさのベッドが1つ置いてある。入り口の正面には大きな暖炉。それに向かうように椅子が1つ向き合って置かれている。その左奥でベッドの横にはテーブル席がある。右側にはデスクがあったよね? 右側にもテーブル席があったような・・・ 寒そうだけど居心地は悪くなさそう。
さて、話を戻すけれど4人を乗せた馬車がミニーの店に着く。中から1人の男が出てくる。メキシコ人でボブ(デミアン・ビチル)と名乗ったこの男は、ミニー・ミンク(ダナ・グリア)たちの留守を預かっているのだと説明する。不審に思うウォーレン。何故かドアは壊れており、蹴破らなければならず、中から木の板を釘で打ち付けて止めなければならない状態。伏線1:何故扉が壊れたのか? ミニーの店には3人の先客がいた。レッド・ロックの絞首刑執行人オズワルド・モブレー(ティム・ロス)、クリスマスを過ごすため実家に帰る途中のカウボーイ ジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)、そして黒人を虐殺した元南軍将軍サンディ・ズミザーズ(ブルース・ダーン)。伏線2:彼らは何者か?
ウォーレンとボブが馬小屋に馬をつなぎに行ったり、途中OBが何か(失念)をクソ小屋(←字幕まま)に捨てに行かされたりする以外は、ほぼ店内で話が展開する。自己紹介的なことから始まり、いろいろな会話がなされるけど、全部は覚えていないし、いちいち書いてもおもしろくないと思う。ただし、見ているととっても面白い。映画をたくさん見ていると、自然と伏線を拾いながら見るクセがついているし、今作のような映画の場合はそれが楽しみでもあったりする。なので、これは伏線なのでは?と必死に見ていた。先ほどから、伏線を書いているけど、あくまで自分が気付いた点についてなので、もちろんモレがあるし、ミスリードしている場合もあるかもしれない。一応、断り書きを入れておきます
これはウォーレンが主役なんだよね?やっぱり。なので彼が疑問に思ったりすることが、基本的に伏線になっているのだと思う。店に入ってきたウォーレンは床に落ちていたジェリービーンズに気付く。伏線3:何故ジェリービーンズが1つだけ床の溝に落ちていたのか? ボブにミニーが何故不在なのか聞くも何となく歯切れが悪い。伏線4:ミニーはどこに行ったのか? 鍋にシチューが煮込まれており、皆でそれを食べたりする。相変わらず憎まれ口をたたいては、ジョン・ルースにシチューを顔にかけられるデイジー・ドメルグ。酷い・・(ll゜∀゜) いくら犯罪者でも女性なのに。こんなに女性扱いされない女性初めて見たかも(笑) ただ、彼女もこれから自分が絞首刑になるのに、この落ち着き払った感じはすごい。伏線5:何故デイジーは不敵な態度でいられるのか? ジョン・ルースが感動していたリンカーンからの手紙が偽物だとウォーレンが告白したのはシチュー食べてる時だったよね? それでデイジーが余計なこと言ってシチューかけられた気がする(笑)
そんな中、ウォーレンがスミザーズ将軍のもとへ。元南軍の将軍で黒人を虐殺した人物。ウォーレンをニガー呼ばわりしているマニックスが最大限の敬意を表している。そんな人物にわざわざ向かい合って座る許可をもらってまで話しかけた意図とは? 言い忘れていたけど登場人物たちのうち将軍だけが一度も暖炉脇のソファから離れることはなかった。伏線6:何故、将軍は一度も席を立たなかったのか? さて、ウォーレンが将軍に絡み始める。お前の息子が死んだ日を知っているぞ。いつだ? 俺に会った日だ。という会話がなされる。ウォーレンのような賞金稼ぎには、逆にその首に賞金がかかっていたりするらしい。そんな賞金狙いでやって来たのが将軍の息子。ウォーレンは息子を捕え、雪の山中を全裸で歩かせた。ここボカシなくてビックリ(´゜Д゜`)ンマッ!! 息子はみじめに命乞いをしたぞ。だから自分のモノをしゃぶらせてやった。雪の中跪いてしゃぶった。とゲラゲラ笑いながら話すウォーレンに、たまらず立ち上がり銃を構える将軍。一瞬早くウォーレンが将軍を撃つ。これはやっぱり黒人を虐殺されたことに対する復讐なのかな? 息子の話は将軍を怒らせるための作り話かもしれない。特に自分から何のアピールもしていなかった将軍を挑発する必要はなかったし・・・
そして、ある出来事が起きる。それを目撃したのはデイジーのみ。何者かがコーヒーに毒を入れたのだった。実はこのコーヒー、ミニーの店に着いた直後、入れてあったコーヒーを飲んだジョン・ルースが、あまりの不味さに吐き出し、全部捨てて自ら入れ直したもの。これもともと毒が入ってたってことかな? それはないか・・・ このシーンちょっと面白かった(笑) ということで、伏線7:誰がコーヒーに毒を入れたのか? そして、伏線8:何故、目撃したデイジーは沈黙したのか? 結果、このコーヒーを飲んでOBとジョン・ルースが死ぬことになる。ジョン・ルースは死ぬ間際、コーヒーを飲もうしていたマニックスを止め命を救っている。そして、コーヒーを飲もうとしていたことから、マニックスは容疑者リストから外れることになる。とはいえ、伏線6にしたものの、誰がコーヒーに毒を入れたかって判明したんだっけ? 忘れちゃった
原題も『THE HATEFUL EIGHT』だけど、結局ミニーの店にはOB含めて9人がいる。この辺りはどなっているんだろう? 9人のうち、将軍、ジョン・ルース、OBが死んで、残りは6人。毒事件で一気に物語が動く。ウォーレンが推理を展開し始める。前述したマニックスの他、ジョン・ルースと手錠でつながれていたデイジーも容疑者から外される。自分も容疑者から除くとなると、妖しいのは先客2人とボブ。ウォーレンが疑問視したのはボブ。ボブはメキシコ人だけど、はメキシコ人嫌いであること。自分が先ほど座ったソファは、ジーン・ジョーンズ(スウィート・デイヴ)のもので、彼はいつもこの椅子に座っており、椅子を置いて出かけることなどあり得ない。ならば、彼は死んでいるのではないか?と、ソファにかけられたブランケットなどを外すと血の跡。彼が死んだとなると、ミニーもこの世にいないだろう。伏線9:誰がミニーたちを殺したのか? となるのだけど、ここから意外な展開に
ここからネタバレありです!
なんと床下から銃声が! ウォーレンが股間を打ち抜かれる。床下から現れたのはジョディ(チャニング・テイタム) チャニング・テイタムが出ることはオープニング・クレジットで知っていたけど、まさかのここ 実は彼はデイジーの弟で、ギャング団のボス。彼は手下と共にデイジー奪還のため、先回りしてミニーの店にやって来ていたのだった。ここから回想シーンへ。
ウォーレンたちが到着する数時間前、3人の男たちがミニーの店にやって来る。彼らを乗せてきたのは女性御者のジュディ(ゾーイ・ベル)。このジュディがとっても明るくていい人なのが辛い ミニーや黒人店員たちも明るく彼らを迎え入れる。もちろんジーンもあのソファに座っている。やって来たのはジョディ、モブレー、ジョー・ゲージ。店には先客がおり、これが将軍。伏線3の答えの一部はコレ。モブレーとゲージはデイジーの仲間でギャング団の一味。将軍は巻き込まれただけ。伏線5、6、8の答えはコレ。デイジーは仲間が助けに来ることを知っていたので落ち着いていたし、コーヒーに毒を入れたのは自分を奪還するために仲間がしていることなので当然黙っていた。将軍は口封じされていたので一度も席を立たなかった。
初めは客としてもてなされていた3人。ここ結構長い。見ている側はこれから何が起こるか知っているのに、それがなかなか起きないのでドキドキして、かなり怖い。そして、一気に殺しまくる。何故、将軍を殺さなかったのか理由があったか忘れてしまったけれど、とにかく将軍以外は全員殺す。扉ごと撃たれてケガをしたものの逃げた黒人男性も追いかけて殺す。殺戮シーン自体は血ががかなり噴き出しているけど、3人は淡々と殺しまくる。棚にあったジェリピーンズが詰まった瓶が割れて中身がこぼれる。伏線1、2の答えはコレ。 そして、当然伏線4、9の答えもコレ。チャニング・テイタム、モブレー、そしてゲージ。モブレー、ゲージ、ボブは当然仮名で、ちゃんと名乗っていたけど失念
さて、完全に形勢が逆転してしまったウォーレンとマニングス。ジョディは数十人の手下がこちらに向かっていると言う。でも、ウォーレンはジョディを射殺。これをきっかけに撃ち合いとなる。でも、即死したのはジョディのみ。あれ?ボブもだっけ? 頭を吹き飛ばされたジョディの血を浴び、前歯の折れた口を大きく開けて罵るデイジー。ジェニファー・ジェーソン・リーの狂気を感じさせる演技がスゴイ! モブレーから自分が死んだら賞金首にしていいから、デイジーを仲間に返すように提案されるけど、ウォーレンもマニックスもとりあわない。これは、ジョディの話自体を信じてないってことなのかな? それとも、自分たちももう長くはないからなのかも? この感じは好きだった。
唯一、無傷(前歯折れてるけど)のデイジーは、逃げようとするけれど、ジョン・ルースの死体と手錠で繋がれてしまっている。なんと、デイジーは斧でジョン・ルースの腕を切り落とそうとする。この人ホントすごいわ まぁ、でも同じ状況なら誰でもそうするか。って、そもそも賞金首にはならないけど(笑) そんなデイジーを撃とうとするマニックスを制止するウォーレン。ジョン・ルースはデイジーを絞首刑にしようとしていたのだから、自分たちで絞首刑にしようと言うのだった。2人とも血だらけで瀕死の状態でベッドに寝転んで、デイジーの首にかけたロープを笑いながら引っ張る映像がシュール。自分の最初で最後の絞首刑だと言うマニックス。ということはマニックスの話は本当だったということか? 身をよじって抵抗するも息絶えてるデイジー。ゲラゲラ笑う2人。笑う場面じゃないのに、なんだか面白くなってきてしまうから不思議。
あれだけニガー呼ばわりしていたマニックスが、ウォーレンとベッドに横たわっているのも面白い。そして、マニックスはウォーレンにリンカーンの手紙を見せて欲しいと言う。それを読みながらゲラゲラ笑う2人。そして映画終了。何コレ(笑) 一体何だったんだ イヤ、もちろん何が起きたのかは分かっているけど、この終わりは一体に何?って感じが好き。
キャストはみんな良かった。そこで登場?のチャニング・テイタムは、自分が見た映画では結構な割合でトホホ感が漂っているけど、今作でもトホホな最期に でも、その感じが良かった。←どんな(笑) タランティーノ作品ではおなじみのティム・ロス。英国紳士然とした佇まいながら、うさん臭さを漂わせていてさすが。意外に活躍場面が少なかった気がするけど、今作の主役はウォーレンなのだろうからこの感じで正解かも。マニックスのウォルトン・ゴギンズは『リンカーン』と『ジャンゴ 繋がれざる者』で見てるみたいだけど覚えてなかった。人種差別主義の調子がよくて、あまり頭が良さそうではないので、すぐ死んでしまうかと思いきや、意外にもラストまで生きている役を好演。最終的にウォーレンとの間に友情のようなものが芽生える感じを描きたいのだと思うので、その感じが良かった。ジョン・ルースのカート・ラッセルがイイ。ジョン・ルースはもちろんいい人なわけではないけれど、彼は彼なりの美学や信念があって、その感じがとっても良かった。あれだけ女性を殴っておいて、全然イヤじゃなかったのはカート・ラッセルの絶妙なコミカルさのおかげ。
いつでもサミュエル・L・ジャクソンな、サミュエル・L・ジャクソンだけど、今回はとってもウォーレンだった。主役なので当然ウォーレンが話を引っ張って、謎解きのようなことをするわけで、そうなると彼が正義のような気がしてくる。でも、当然ウォーレンもHatefulなわけで、特に将軍を怒らせるために、ニヤニヤ笑いながら話す感じが、ものすごく嫌で素晴らしい そして、主役を差し置いてトリに取っておいたのがデイジーのジェニファー・ジェーソン・リー。もう本当にスゴイ女。デイジーとしては弟たちが助けに来ることを確信していたわけで、だからこその落ち着きとも言えるのだけど、それを感じさせちゃいけないわけで、その辺りの感じが絶妙。賞金がかけられた犯罪者なのに、殴られても殴られても憎まれ口たたくところとか、チビッコみたいでかわいく感じちゃうところもスゴイ。この演技は素晴らしい
これ撮影はどこで行われたんだろう? 公式サイトにもWikipediaにも記載がなくて残念 山を背景とした真っ白な雪原に馬車の映像が好きだった。実は今作、1960年代以降ほぼ使われることのなかったUltra Panavision 70という70mmフィルムを使用しているのだそう。これは、タテとヨコが1:3ぐらいの比率になるそうで、要するにとっても横長な画面になる。なので、この雪原の感じはパノラマで見ているみたいな感じになるのかな? というのも、日本では上映できる劇場がないので、この比率で見ることが出来ないので しかも、70mmバージョンは20分長いのだそう。見たい そうそう! トリビアとしてはデイジーが弾いたギターを、ジョン・ルースが壊すシーンがあったけれど、このギター実は博物館から借りた1870年代に生産されたヴィンテージだったそうで、壊す際にはレプリカを使う予定だったのに、手違いで本物を壊してしまったのだそう。(´゜д゜`)アチャー
167分と長いけどあっという間。これ2回目の方が面白いかも。今回拾った伏線を確かめつつ、新たな伏線も拾いつつ見たら絶対楽しいと思う。
タランティーノ好きの方は既に見てるよね? ちょっと長いからオススメしにくいけど、ホントあっという間だから是非勇気をもって見て欲しい! サミュエル・L・ジャクソン好きな方、ジェニファー・ジェーソン・リー好きな方必見!
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